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【ウォルマート】、スタッフに臨時ボーナスもロボット導入を推進!接客にAIは不向き?

■ウォルマートは12日、パンデミック以降では2度目となる臨時キャッシュ・ボーナスを支給すると発表した。サムズクラブを含む店舗やディストリビューションセンターなどで働く時間給スタッフが対象となる。

支給額はフルタイム従業員が1人当たり300ドル、パートタイム従業員が150ドル。ウォルマートは4月2日にも150から300ドルのキャッシュ・ボーナスを支払っており、これとは別の業績連動型のボーナスも前倒しで支払っている。

従業員を厚遇しているウォルマートは一方で店内へのロボット導入を積極的に推進している。

ウォルマートは今年、商品棚をスキャンしながら在庫管理するロボットを大幅に導入するのだ。シェルフ・スキャニング・ロボットを開発するボサノバ・ロボティクスが1月に発表したところによると、ウォルマートは同社と提携し「オートS(Auto-S)」を新たに650台を追加導入する。

 オートSはAI(人工知能)やスキャニングセンサーを搭載した約1.8メートルの高さのロボットだ。売り場の通路を進みながら欠品や在庫少、置き間違い、値段間違いなどを1つ1つ念入りにチェックしていく。

オートSが得たデータは中央のコンピューターに送信され、スタッフに商品補充など適切な行動を提案する。オートSにはライトやカメラ、レーダーセンサー、スキャナーを搭載し、商品棚に光を当てスキャンしながら秒速20センチ(分速12メートル)の速さで移動する。一つの通路につき2分〜3分程度で動きながら、1時間以内で作業を完了。

自動運転車にある「ライダー(LiDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)」を搭載していることで、棚や陳列物、障害物などにぶつからず移動できる。買い物客など人を察知するとスキャニングも一時停止する。

ウォルマートは2017年にオートSを50台テスト導入し、昨年4月には300台を追加導入した。今年追加されることでウォルマートは約1,000店でオートSが稼働することになる。

 ウォルマートのロボット導入では自律走行して掃除と床磨きをする「オートC(Auto-C)」、店舗に到着した配送トラックからの荷受けで商品を仕分けする「ファスト・アンローダー(FAST Unloader)」、ネットで購入した商品を店舗で受け渡す巨大自販機の「ピックアップタワー(Pickup Tower)」がある。

 特にピックアップタワーはウォルマートが提供するシームレス・ショッピングの要となっている。ピックアップタワーは高さ16フィート(約5メートル)幅8フィート(2.4メートル)で、最大300箱(箱の大きさは60cmx40㎝x40㎝まで)の注文品の保有が可能。

ネット注文時に利用者がピックアップタワーでの受け取りを選択すると、ピックアップ専用のバーコードが届く。操作はピックアップタワーに近づくと、自動的に操作パネルがオープンし、送られてきたバーコードをかざすと5〜10秒で注文品が出てくる仕組みだ。

ニューヨーク・マンハッタンから近距離にあるニュージャージー州セコーカスにあるウォルマート・スーパーセンターなど、一部の店舗では需要の多さからピックアップタワーを2台導入している事例もある。ウォルマートではすでに700店以上にピックアップタワーが導入されると、アメリカ人の約40%が利用可能となっている。

 ウォルマートはまたロボット物流のマイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)を店内に導入しようとしている。ニューハンプシャー州セイラム地区のスーパーセンターでは2万平方フィート(560坪増床)し、高さ20センチ幅60センチ四方の小型カートのようなロボット「アルファボット(Alphabot)」が動き回る物流倉庫を昨年から導入した。

このMFCでは8,000平方フィート(220坪)内にある複数台のアルファボットが注文品をピッキングし、複数のピックステーションに運ぶ。

ウォルマートによると現在のテスト段階では30台のアルファボットが動いており、最大収容2万アイテム中の2割となる4,500アイテムをピッキングしている。

1日当たり170件の注文を処理しているが、野菜や果物などの生鮮品ピッキングにはまだ対応していないという。来年中にはオクラホマ州マスタングとカリフォルニア州バーバンクにあるスーパーセンターで2万平方フィートより小型となるMFCを導入する計画だ。

 ロボット導入に積極的だが、かならずしも省人化を実現しようとしているわけではない。店舗スタッフなどは接客やカスタマーサービス等、戦略的に使おうとしているのだ。

トップ画像:ウォルマートの通路で動くオートS。オートSはAI(人工知能)やスキャニングセンサーを搭載した約1.8メートルの高さのロボット。売り場の通路を進みながら欠品や在庫少、置き間違い、値段間違いなどを1つ1つ念入りにチェックしていく。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本では深刻な人手不足により、全てにおいてロボットを導入しようとしています。象徴的なのはAI(人工知能)ロボットの「ペッパー」くん。あくまでも客寄せパンダもしくはテストとして行うのはいいのですが、接客にロボット導入は進めません。共感能力のないAIは接客サービスに全く適さないというのが後藤の考えです。ペッパーくんの反応は声のボリュームやトーン、リズム、テンポ、スピード、間合いがいつも同じです。

AIで最もイラッとするのは間合い。昔のテレビ中継や国際電話のような間のとり方が実に不快です。「ときには食い気味で反応してみろっ」と意地悪な気持ちにもなります。AIがどんなに進化しても微妙な表情やちょっとした体の反応に現れる心の機微は表現できないでしょう。ホームセンターのロウズが6年前、当時の傘下の店に接客ロボットを導入しました。が、ハイテクを駆使しても最も多かったのは「トイレはどこ?」の対応だったとか。だったらアプリで対応できますね。
 アメリカ人は日本人ほどロボットに友好的ではありません。だからこそ戦略的にロボットを導入しているのです。

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