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【新型コロナウイルス感染症シリーズ13】尊大さが目につく中国VS小さくともキラリと光る台湾-WHOからこけにされながら大国中国に向かう台湾を応援せずにはいられない

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コロナウイルスに席巻される世界は、外交でも意地の張り合いが見られる。中国の感染源になり大失敗したことに対する、挽回ともいうべき「マスク外交」については報告した。それに続くWHOを巡る米中合戦の中で健気に振る舞う台湾の姿勢には拍手を送りたい。

<いずこも国際機関の長を狙う>

中国の覇権主義の象徴「一帯一路」は戦略的に進められているが、もう一つ着実に進めてきたのが、国際機関への人材の投入である。一帯一路は、二国間で援助等金で誘い込める。ところが、こちらは、拠出金をいくら多くしたところでうまくいかない。各国が認める人材でなければ事務局長なりのトップにはなれないからだ。だから、それこそ用意周到に事を進めなければならず、時間がかかる。しかし、一旦事務局長なりを確保すると、何かとその組織をうまく活用できる。そのため、各国あるいは各陣営とも国際機関の「長」の座を確保せんと凌ぎを削る。

どこの国際機関もGDP比で拠出金が割り振られており、大体アメリカが1番の拠出国である。WHOも同じで2位中国と続き、3位日本である。そして、上述の超大国を除けば、職員数は大体拠出金額に応じるという暗黙のルールがあるが、日本はどこでも際立つ under representative (つまり拠出金額の割合に比べわずかの職員)国であり、慎ましやかな影響力しか行使していない。

<WHOに標準を合わせた中国の長期戦略が実ったテドロス事務局長>

さて問題のWHOは、国連の15の国際機関のひとつであるが、今回わかったとおり、他の機関と比べてかなり権限を持つ国際機関である。同じく本部がジュネーブにあり、名前も紛らわしいWTO(世界貿易機構)は、貿易の自由化を促進する中心的役割を演じてきたが、TPPに代表されるように世界は地域協定に重点を移している。またトランプ政権は、多国間を嫌い二国間中心にシフトしている。更に、2019年紛争解決機関である上級員会が機能不全に陥り、かつての影響力はなくなっている。

中国は、SARSやMERSの経験から、WHOの意外な(?)大切な役割に気付き、戦略的にWHOへの食い込みを図ってきている。まず、先代の事務局長に2007年1月、香港のマーガレット・チャンを送りこんだ。親中の馬英九政権(国民党)から反中の蔡英文政権(民進党)に交代を機にWHOはそれまで認めていた台湾の総会へのオブザーバー参加を認めなくなった。明らかに中国の差し金である。

更に別の方法でWHOに影響力を行使できるようになったのは、2017年7月中国に援助され続けてきたエチオピアの元外相のテドロス現事務局長の就任である。従って台湾は今もWHOの総会に参加できないままである。

<平然と中国寄りの対応を続けるWHO>

今回、WHOのコロナ対応で、中国寄りの事例を時系列で上げると以下のとおりである。

1/5  最初の感染流行情報を発信

1/9  「中国当局によれば、ウイルスは人間同士では容易に感染しない」と中国の声明を鵜呑みにして声明を発表

(⇔台湾は19年末 武漢でヒトからヒトへの感染が 起きている疑いがあることを伝える)

  1/20  WHO専門家が武漢入り、中国は対策もアピール。テドロス事務局長が習近平と会談

  1/23 「時期尚早」だとして緊急事態宣言を見送る(⇔初期の警告ができず)

  1/30  国際的な公衆衛生上の緊急事態宣言(⇔パンデミックではない)

  2/3  アメリカが中国からの入国を禁止したことに「旅行や貿易を不必要に制限する措置は必要ない」と否定的見解

(⇔新型コロナウイルスを過小評価)

  2月下旬「中国はウイルスの封じ込めに大変熱心に取り組んでいる。その努力と透明性に感謝する」と謝意

(⇔中国へ忖度し過ぎ)

  3/11  パンデミック宣言(⇔一週間前に否定していた。遅すぎる)

  3/30  非常事態宣言(⇔遅すぎる)

誰が見ても明らかなWHOの中国への忖度(?)振りをみると、中国の長年にわたる戦略は、テドロス事務局長を手中に収めたことでまさに大成功だったと言えよう。

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