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大きく悪化した4月の景気ウォッチャーと貿易収支が赤字に転じた経常収支!!!

本日、内閣府から4月の景気ウォッチャーが、また、財務省から3月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲6.3ポイント低下して7.9まで落ち込み、先行き判断DIも▲2.2ポイント低下して16.6を記録しています。また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1兆9710億円の黒字を計上しています。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の街角景気、現状・先行きとも指数は過去最悪 新型コロナで
内閣府が13日発表した4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、3カ月前と比べた足元の街角の景気実感を示す現状判断指数(DI、季節調整済み)は7.9と前月から6.3ポイント低下(悪化)した。2~3カ月後の景気の良しあしを判断する先行き判断指数(DI、季節調整済み)も16.6と前月から2.2ポイント低下した。いずれも比較可能な02年以降では最低水準を更新した。

現状、先行きともに指数を構成する家計、企業、雇用のいずれもが大幅に悪化した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の発出や対象地域の拡大、それに伴う店舗の休業や外出自粛の広がりなどが響いた。内閣府は現状の基調判断を前の月の「新型コロナの影響により、極めて厳しい状況にある」から、「新型コロナの影響により、極めて厳しい状況にある中で、さらに悪化している」へ下方修正した。先行きについても「厳しさが増す」との見方を示した。調査期間は4月25~30日だった。

足元の状況を巡っては「完成車メーカーの製造ラインがストップしている関係で、製造現場の3割程度は休業している状態だ」(東海の輸送用機械器具製造業)、「感染対策をしても売り上げにはつながらないため、収益率の悪化が懸念される」(近畿の建設業)といった声が出ていた。緊急事態宣言を受けた営業自粛などで「ほぼ商売はできていない」(東北の百貨店)、感染拡大防止のため「営業時間の短縮、一部店舗の休業を余儀なくされている。宣言後、さらに来客数が減少した」(東海の高級レストラン)といった声もあった。

先行きに懸念は広がっている。「緊急事態宣言が解除されても、当面は旅行やレジャー控えが想定され、従来のような来園者数は期待できない」(北関東のテーマパーク)など、持ち直しをすぐには期待しにくいとの見方が出ている。「利益率の高い製造業の荷物量が前年を大きく下回っている一方、利益率の低い通販の荷物が前年よりも多い。この状況は今後も続きそうだ」(近畿の輸送業)との声もあった。

3月の経常収支、1兆9710億円の黒字 69カ月連続黒字
財務省が13日発表した3月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆9710億円の黒字だった。黒字は69カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は2兆1610億円の黒字だった。

貿易収支は1031億円の黒字、第1次所得収支は2兆609億円の黒字だった。
同時に発表した2019年度の経常収支は19兆7615億円の黒字だった。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期なんですが、直近の2018年10月を景気の山として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に景気後退局面入りを認定しています、というか、もしそうであれば、という仮定で影をつけています。


景気ウォッチャーはマインド指標ですから、現在の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大といった大きなショックあった場合、ソフトデータは生産や所得などのハードデータよりも先行して大きく変化する、という特性があるとはいうものの、みごとなくらい、大きく落ちました。現状判断DIも、先行き判断DIも、それぞれのコンポーネントである家計動向関連DIも、企業動向関連DIも、雇用関連DIも、すべて落ち込んでいます。

なお、どうでもいいことながら、DIの算出は0.25刻みの5段階でもっとも「悪い」、ないし、「悪くなる」がゼロにハズなんですが、何と、COVID-19感染拡大防止のための外出自粛などでもっともダメージが大きい業種のひとつと見なされている飲食関連DIが4月はマイナスをつけています。もちろん、季節調整に起因する統計の技術的な特異現象なんですが、飲食関連DIだけに特徴的な現象のような気もします。ただし、小売関連DIについては、もちろん、大きく低下しているものの、相対的に飲食関連ほどは悪化していないのも事実です。

また、何度かこのブログでも書いているように、製造業と非製造業の業種別に見て、COVID-19感染拡大防止のための緊急事態宣言に基づく外出自粛などは、当然に、飲食関連をはじめとする非製造業におけるダメージが製造業よりも大きい、との結果が示されています。現状判断DIで見て、今年1月時点では製造業40.1に対して、非製造業はまだ43.2でしたが、2月でもまだ製造業31.0に対して非製造業29.9と大きな差はなかった一方で、3月は製造業21.7、非製造業17.5、そして、4月は製造業12.1に対して非製造業は8.3まで落ちました。

基本的に、緊急事態宣言に基づく外出自粛などの一時的な結果と私は受け止めていますし、緊急事態宣言が解除されると徐々に差は小さくなる可能性が高いとはいうものの、個別の企業にとってはそれを乗り切れるかどうかが、都道府県別の支援体制の手厚さの違いもあって、重要となる可能性もあります。ただ、ハードデータの生産や売上げや所得と違って、ソフトデータのマインドは急速に回復する可能性も捨てきれませんが、今回ばかりはV字回復は望み薄な気がします。もっとも、先行き判断DIが現状判断DIほど悪化していないのは、私には先行きに対する国民の意識の高さを示しているように見えます。


次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。

ということで、2月統計では、中国における春節休暇の延長があって大きな経常黒字を計上しましたが、3月にはいくぶんなりともその効果は剥落しつつ、黒字は黒字ながらも大きく経常収支の黒字幅は縮小しました。経常黒字縮小の大きな要因は所得要因から貿易収支が赤字に転じたことです。すなわち、季節調整しきれていない中華圏の春節効果に加えて、まだCOVID-19の感染拡大ペースが海外に比較して日本では緩やかであったため、季節調整済の前月比で見て、輸入が前月比で増加した一方で、輸出が減少を示しています。

もっとも、COVID-19の感染拡大は、やっぱり、海外で早期に終息に向かっているように見えますし、その分、経済活動も日本より早くに再開の動きが出始めていますので、この先、景気局面のビミョーなズレにより貿易収支は所得効果から黒字に復するものと私は考えています。ただ、為替による価格効果については方向性が見えません。

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