新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策として、政府が国民一人当たり10万円を支給する「特別定額給付金」で、申請書に設けられたある項目をめぐってTwitter上で批判が上がっている。
世帯のうち「支給を希望しない人」にチェックを入れる項目で、その必要性を疑問視する声が目立つ。Twitterを駆使していることで知られる河野太郎防衛相が14日午前10時半に注意を呼びかける投稿をすると、5万件以上の“いいね”がついている。
総務省特別定額給付金室の担当者は取材に対し、「世帯の中でも、給付を受ける人と辞退を望む人がいるかもしれない。そうした事情に対応しようと考えた」と説明している。

郵送用申請書にトラップ? 「希望しない人」のチェック欄
特別定額給付金は、政府が運営するサイト上で登録する他にも、居住する市区町村からの書類に記入して郵送することで申請できる。オンライン上での申請にはマイナンバーカードが必要なため、市区町村から申請書の到着を待つ人も多い。
申請書には、世帯主が代表して受け取り口座や給付対象者を記入するが、話題となっているのが、「◯給付対象者」との項目だ。妻や子など6人まで続柄と生年月日、さらには合計金額を記す記入欄の右側には、「給付金の受給を希望されない方はチェック欄(□)に×印を御記入」するよう指示がある。
この欄について、河野防衛相は次のようにツイートした。
定額給付金の申請書の「希望しない」に勘違いでチェックをつける人が多いようです。
— 河野太郎 (@konotarogomame) May 14, 2020
間違いないように気をつけましょう。
「勘違いを見越してか」 政府の思惑訝しむ声
このツイートには、「そもそも欲しいから申請するのであって、希望しないという欄があるのがおかしい」と疑問視する声のほか、「知らないうちに辞退させるためのトラップだろう」「勘違いを見越しての事かと深読みしてしまう」などと、この欄を設けた政府の考えを訝しむ声も聞かれる。
一方、「家族の中で受け取る人と受け取りたくない人を個別に設定できるようにこの欄を設けているんじゃないか」と指摘するツイートもあった。
総務省特別定額給付金室の担当者によると、誤って「支給を希望しない人」にチェックをしてしまった例が報告されていて、再申請などに応じているという。