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橋下ゴジラvs吉村ガメラ、日本を救う「総理」はどっちだ!

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厚労省が突如公表した新たな指針に、国民は憤った

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の期限が延長され、国民の苦闘は「第2クール」に入った。いまだ多くの経済活動は制限され、外出自粛は継続、子供たちの「学びの場」も閉じたままだ。この間に国民生活は疲弊し、お粗末すぎる国の対応によって医療現場は振り回され、その後始末に首長たちが頭を抱える「負の連鎖」が続く。今月半ばには一部の自治体で宣言が解除される見通しとなったが、二転三転する安倍晋三政権の対応による混乱は続いている。

写真=iStock.com/SakuraIkkyo

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SakuraIkkyo

あれは一体なんだったのか――。5月8日夜、厚生労働省が突如公表した新たな指針に、国民の多くは憤ったに違いない。同省は2月に受診の目安として「37.5度以上の発熱が4日以上続く場合」と示していたが、この表記をいきなり削除したのだ。高熱や強いだるさ、息苦しさなどの症状があれば相談すべきとの表現は維持したものの、誰もが記憶した「体温」については外した。この目安により「自分は37度程度だから大丈夫」と相談や受診を控えてしまった人々は少なくないだろう。

保健所に罪をなすりつける加藤厚労相の、救いようのなさ

加藤勝信厚労相は記者会見で「(当初の目安が基準のようになったのは)我々から見れば誤解」と釈明したが、国民民主党の小沢一郎衆院議員は5月9日のツイッターで「『誤解があった』と厚労大臣。あれだけ病院に行くなと言っておいて、誤解の訳がない。非は絶対に認めない。この基準でどれだけの方が犠牲になったことか。しれっと変えて、誰も責任はとらない。政権の手口に国民が慣れてしまったとしたら、また同じことが繰り返されるだろう」と批判。落語家の立川志らく氏も11日のTBS系「グッとラック!」で、「謝りもせず、この方が大臣というのが日本の悲劇のような気すらしてくる」と怒りをぶつけた。

加藤氏は、当初の目安は「検査機関に対するものではない」とも説明したが、国による「目安」設定は、感染の有無を調べるPCR検査や診断の「障壁」になっていたと指摘されている。元大阪府知事の橋下徹氏は「保健所が誤解していたなんてことを大臣が言ったら、保健所も怒り狂う」(10日のフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」)と指摘している。

安倍政権による方針転換で自治体、保健所、医療現場が大混乱

安倍政権による方針転換で自治体や医療現場、保健所などの混乱を招いたのは、これだけではない。象徴的なのは感染者の「自宅療養」についてだ。

国は3月1日付で都道府県や保健所を設置する市、東京23区に対して「感染が拡大した状況では、無症状者及び軽症者については、自宅での安静・療養を原則とする」ことを通知した。厚労省が5月6日に発表した感染者の療養先に関する全国調査の結果によれば、4月28日時点で8711人のうち「自宅療養」は1984人に上っている。

だが、4月2日付では「宿泊療養中または自宅療養中の軽症者等にPCR検査を実施する体制をとることにより、重症者に対する医療提供に支障が生じるおそれがある場合には、宿泊療養又は自宅療養を開始した日から14日間経過したときに、解除することができることとする」と通知。4月23日には、加藤厚労相が軽症者はホテルなど宿泊施設での療養を基本とする方針に転換し、施設療養を優先する通知を出した。

「多くの都民は自宅待機者が大勢いたと知らず」

「自宅療養→施設療養」「PCR検査陰性2回→軽症者は14日後解除」。こうした経緯は当然、都道府県や保健所を設置する市、東京23区に共有され、メディアでも報じられているが、「現場」には事実誤認や混乱をもたらせている。東京都内でも感染者数が多い杉並区の田中良区長は4月16日に配信された「文春オンライン」のインタビュー記事で、「多くの都民は自宅待機者が大勢いたと知りませんから、驚いたと思います」としている。繰り返すが、「自宅療養」の原則は3月1日付で通知されていたものだ。

厚労省は4月2日付で「軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」と通知し、それに基づいて東京都は7日からホテルへの患者移送を開始することになったが、田中氏は16日配信の同じインタビューで「(ホテルへの移送を)いきなり発表するのではなく、検討しているのなら区にも教えてほしかった」とも指摘している。

国の法律による分かりにくい仕組みが混乱を招いた

ここで、厚労省通知と東京都内の保健所の関係を少し整理しておきたい。なぜならば、メディア報道でも誤った表現が見られているが、東京都内の保健所には他道府県にはない特殊事情があるからだ。感染症対策の実施が保健所設置自治体にあるのは全国共通だが、保健所の設置主体は指定都市やその他政令市などになっており、東京都内の場合は都が設置主体である多摩地域など6つの保健所の他に、特別区である23区と八王子市、町田市にそれぞれの区市が設置主体となった保健所がある。国の法律によって分かりにくい仕組みがコロナ対策で混乱を招き、メディアの理解不足が生じる源にもなっている。

感染症法64条には、保健所を設置する市や特別区に関する規定があり、それを踏まえれば同法にある「都道府県知事」という箇所は、それぞれ「市長」「区長」となる。先の杉並区で例えると、杉並区長は「まん延を防止するため必要があると認めるときは、感染症の患者に対し特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院すべきことを勧告することができる」(同19条1項)とあり、勧告に従わない場合には入院させることができる(同3項)。2月に指定感染症となった今回のコロナ対策では、東京で言えば23区や八王子市、町田市もその責務を担っているが、「国―東京都」のラインとは別に「国―23区と八王子市、町田市」というラインがあることも対応を複雑化させている。

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