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コロナは中国による世界支配(パックス・シニカ)をもたらすか

 新型コロナウイルスの感染拡大防止、そして世界経済恐慌に対応するには、世界中の国々が協力しなければならない。ところが、この危機の最中にもアメリカと中国が覇権争いを演じている。

 今後の国際秩序はどうなるのか。個人の自由や基本的人権を守る民主主義社会は、独裁制などの専政と比べると、都市封鎖などの強硬手段の実行に不向きである。中国は、情報の隠蔽によって、初動が遅れたが、その後は強権的にウイルスを抑え込んで、4月8日には、2ヶ月半ぶりに武漢の閉鎖を解いた。しかも、5Gなどの先端技術を人の移動の監視に使い、一定の効果を上げている。

 都市封鎖を成功させるには、ジョージ・オーウェルの『1984』のような専制国家のほうが適していることは確かであるが、民主主義政治体制が、この専制主義に抗して、勝ち抜くことができるのであろうか。イタリアなどのヨーロッパ諸国、そしてアメリカの惨状を見ていると、ポピュリズムに毒された国ほど、感染状況が凄まじい。

 少なくとも言えるのは、大衆が自らの責任で自由な社会を守ろうとしないかぎり、民主主義社会は、権力によって無知な大衆に命令する権威主義社会に敗北するということである。

 ウイルス感染の鎮静化に成功した中国は、遅れて感染被害に苦しんでいる諸国に対する支援外交を展開している。パックス・アメリカーナに挑戦する中国は、パックス・シニカを確立すべくさらに攻勢を強めていく。

 世界システム論の観点から歴史を振り返ると、30年間にわたる戦争の結果、覇権国が交代する。今は核兵器の存在で大国間の戦争が抑止されているが、病原体との戦争が30年戦争となるのかもしれない。

 2002年にSARS、2009年に新型インフルエンザ、20012年にMERSが流行し、そして今2019年から新型コロナウイルスが蔓延している。おそらく、10年後の2030年頃には、また新たな病原体による感染症が世界を襲うことが予想される。そうすると、人類は病原体と30年戦争を繰り返し、その対応をめぐって、世界の大国が競争することになっている。

 次なる病原体の攻撃で、アメリカを中心とする民主主義社会が脆弱さを再び示し、中国の強権主義が世界を救うようになると、パックス・シニカもありえないことではない。それは、ディストピアの世界である。日本は、中国の属国になって生きながらえるのであろうか。

 ポスト・コロナについて、国際社会の覇権構造という観点からも検討し、民主主義の生き残りを図らねばならない。そのためにも、政府や専門家会議は、情報公開をきちんと実行すべきなのである。

※この記事は舛添要一氏のツイートを時系列順に並べたものです。

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