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検察官定年「延長」は一律じゃないから 内閣が恣意的に検察人事をいじれることの怖さを知ろう

 検察官定年「延長」は、単純に定年となる年齢を引き上げるだけ?
ではありません。
 マスコミの報道の仕方をみると「定年延長法案」というような書き方をされているため、一見してその問題点を伝えるものになっていません。
 むしろ悪意をもって反対論に悪罵を投げつける人もいます。


 そうではなく、内閣が恣意的に人事をいじれるようにする、ここが重要なところです。
日弁連声明より
「検察庁法改正法案によれば、内閣ないし法務大臣が、第9条第3項ないし第6項、第10条第2項、第22条第2項、第3項、第5項ないし第8項に基づき、裁量で63歳の役職定年の延長、65歳以降の勤務延長を行い、検察官人事に強く介入できることとなる。」

 ここが問題です。
 この問題は、内閣は選挙で(間接的)に選ばれたのだから、その内閣が人事を行うことに問題があるのか、ということに突き当たります。
 これを内閣でいいんだと言い切るのが吉村洋文知事です。
吉村知事、検察庁法案改正反対の声は「あるべき姿」も「人事権は内閣が持つべき」」(デイリー2020年5月11日)

「突き詰めて考えなければいけないのは、人事権を誰が持つべきかを考えないといけない問題だと思っている」とも指摘。検察は「強烈な国家権力」を持っているとし、その人事権という強大な力を「誰がもつべきかを考えないといけない。今あるように、内閣・政府、選挙で選んだ民主的な統制が及んでいる人が持つのがむしろ健全ではないか」

 吉村氏は、「強烈な国家権力」というのですが、その「強烈な国家権力」は政権にも向かっていかなければならない存在だという視点が抜け落ちています。他の国家公務員との違いはここです。民意であればいいというものではありません。憲法、法に従って処断するという観点からは民意からの独立も必要なのです。それでは選挙で勝ったから何でもできると同じことになってしまいます。

 もちろん森加計問題に見るように露骨な官僚による「忖度」がまかり通るようになっているという点は構造は同じです。だから他の公務員であっても問題がないというわけではありません。

 とはいえ、その「忖度」が検察組織にも及ぶということの問題点を深く考えなければなりません。検察は準司法と言われているように権力からの独立が強く要請されます。その影響は他の国家公務員以上の問題が起きるということです。

 出世だけに目がくらんでしまった検察官が政権に「忖度」して出世していくということは、他の検察官にとっても脅威です。「忖度」に迎合しなければ人事面、昇給面で不利益になるよ、という圧力にしかならないからです。

安倍内閣が最高裁人事に介入か 山口厚最高裁判事

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