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ドラゴンボールで理解する経済再開の為のコロナ対策

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あたらしいせーかつよーしきってか!? 現場の状況も知らずにムチャなことばっか言って・・・
そりゃ大企業で働いてて雇用も安定しててテレワークも全然できる職種ならいいけどさ
感染症専門家に限らず今のエリートさんたちの議論は、上滑りで、生身の人間一人一人が生きて死ぬってことの勘案ができてるのか、超不安だわ。

私は経営コンサルタントの仕事以外に、「文通」を通じて個人の人生に対するコーチング的な仕事もしてるんですが、そのクライアントには老若男女、地方に住んでる人も都会に住んでいる人も外国に住んでいる人もいます。

その中で上記のコメントは、地方政界で頑張るお姉さん(落選中)から最近来たメールの抜粋なんですけど、政府不信というか、当局不信というか、一部で相当高まっているんだな、ということを感じさせられました。

緊急事態宣言が「一ヶ月程度」延長されることが決まり、終わりの見えない自粛生活に不安の声が高まっているのを感じます。

だからとにかく経済再開を目指したい、それは今突然の苦境に叩き込まれている業界の人たちを中心とした切実な声だと言えます。

1●最大の課題は、自分たちの対処方針が全然共有できていないこと

現状の最大の問題は、専門家会議を中心とする日本の当局も、その経済再開を目指したビジョンを一応は持っていると思われるにも関わらず、あまりにも国民一般とのコミュニケーションが壊滅的に取れていないので、相互不信から不安ばかりが募ってしまっていることです。

今国が何を考えてどっちに進んでいるか不安だから、自分自身で情報を取りに行こうとして変な陰謀論にハマってしまったり、イライラして攻撃的になってしまい、一部の感染者に対するバッシングにつながってしまったりする。

日本の10倍とかいうレベルで人が死んでいる欧米のリーダーが逆にやたらSNSで称賛されたりする流れがあるのも、その「自分たちがやっていること」を明確に情報共有してくれる存在が今の日本にいないことの不満の裏返しなのではないかと思います。

読者のあなたも不安でしょうか?

そういうあなたに、情報を整理して現状を共有し、これからどういうことをやっていけばいいのか?を整理するのはコンサルタントの仕事の基本なので、この記事では日本の専門家会議の方針の整理と、今どうなっていて、今後自分たちがどういうことを考えていけばいいのか?についてまとめる記事を書きます。

そして記事後半では、「経済再開派」と「あくまで慎重派」との間のコミュニケーションを整理し、どうすれば「最適なタイミングで最適な経済再開ができるのか」について、私たちが今考えるべきことを述べます。(人によっては前半は”わかってるよそんなこと”的な話になるかもしれないので、詳しい方は飛ばし読んで後半へお進みください)

2●まずは基本的な考え方「ハンマーアンドダンス戦略」について知ろう

緊急事態宣言が先月出されてから、「文通」の仕事で日本全国の老若男女のいろんな人と関わっていて危ないなあと感じていたことは、その文通してる本人はともかくその周囲にいる家族や同僚さんたちには、「ゴールデンウィークが終わった頃には嘘みたいに問題が消えてなくなっているんだろうから、一ヶ月だけ頑張ろう」と思っている人が多かったことです。

ナチスの強制収容所に収容された経験のある精神科医ヴィクトール・フランクルが書いた有名な「夜と霧」という本に、「クリスマスが来たらきっと良くなるだろう」とかそういう希望にすがっていた人たちはクリスマスが来ても解放されなくて絶望して多く亡くなったという話が出てきます。

根拠のない「●●になったらよくなるはず」にすがるのではなくて、長期的な見通しを持って持久走を走るつもりになることが大事ですよね。

そのための基本的な考え方が、「ハンマーアンドダンス」戦略です。(いまさらそんな基本の話からはじめるの?・・・と思う人もいるかもしれませんがまず基本を共有しないことには)

制御不能レベルまで増えすぎた感染者数を、「まずはハンマーでぶっ叩く」ことが必要な段階・・・それがここ一ヶ月ぐらい続けてきた日本の緊急事態宣言や欧米のロックダウンです。

5月1日にでた専門家会議の資料から図を引用しますと、

上図の「徹底した行動変容の要請で新規感染者数を劇的に抑え込む」と書かれているところが「ハンマー」です。

日本においては緊急事態宣言を出して、日本中に「自粛を要請」したことで、諸外国のような法律的な強制力や罰金などの制度なしに、かなりの効果をあげることができました。そのことは「俺ら頑張ったじゃん!」的に自分たちを褒めてあげていいところでしょう。

ここで重要なことは、過激に経済を止める方策に出て「ハンマー」で新規感染者数を減らしたのは、「ボクメツ」するためではありません。そうではなくて、「コントロール可能な数」に減らすことで、そこからは「経済を回しながら対処できるようにする」狙いがあったんですね。

それが「ダンスwithコロナ」の時代がやってくる・・・という話になります。

同じ資料からの引用ですが、全国でも東京でも新規感染者数は大きく下がってきています。


じゃあさっさと経済再開させろ!!!(つまり”ハンマー”を終えて”ダンスwithコロナ”をスタートさせろ)・・・・という声が高まってきているわけですが、結局「あと一ヶ月程度」は延長せざるを得ないという決断を、日本の専門家会議は下すことになりました。

ここに「経済再開派と慎重派の間の意見が分かれるポイント」があるわけです。

3●状況把握のために、クリリンとヤジロベーをイメージしよう

ここにある「議論」を少年漫画的なイメージで言うと、昔「ドラゴンボール」で、はじめて地球に来たベジータに、悟空から託された元気玉をぶつけようと必死にクリリンが狙っていたとき、ヤジロベーが

なにやってんだバッキャローッ!はやくそれヤっちまえよーっ!!
と叫ぶシーンがありましたが、まさにそういう状況なんですね。

専門家会議(クリリン)が懸念していることは、拙速に経済を再開させてまたオーバーシュート状態になりかけ、もう一度強烈に経済を止めなくてはいけなくなってしまうことを恐れている。

経済再開派(ヤジロベー)は、ダラダラと今の経済を止めた状態を続けたら持ちこたえられない会社が全国にたくさんあることを懸念している。

クリリンとヤジロベーのイメージをあてはめてみると、今の状況が明確に理解できますね?

ここまでで「基本的な状況」を整理しました。記事後半では、このイメージをもとに、「理想的なタイミングで経済再開させ、もう二度と経済を止めずに済むようにするには、私達はどうしたらいいのか?」について考えてみます。

4●できるだけはやい経済再開のために私たちにできること

先程「ハンマー」の時に引用した図の全体像を見てみましょう。

専門家会議が「ハンマー」をやめて「ダンスwithコロナ」の時代に移行してもOKなタイミングだと判断する基準として、「クラスター対策が可能な水準まで落とす」というオレンジ色の線が引かれています。

つまり、今後
オレンジ色の線(クラスター対策で対処できる線)>新規感染者数の青い線
が成り立つこと、つまりクラスター対策で処理できる能力の方が感染者数よりも大きい状態を維持できる見通しがたてば、経済が再開できるわけです。

専門家会議の数理モデルを物凄く細かく検証して批判する・・・みたいなことも今結構SNSの中でよく見ますが、彼らの発表するモデルには「ゴールデンウィークに急に人が動かれると困るからちょっと厳し目のこと言っておこう」的な意図も明らかにある(笑)ので、あまりそこで厳密すぎる細部の議論をしても余計に混乱して物事がスムーズに進まなくなるのではないかと私は思っています。

むしろ、この不等式
オレンジ色の線(クラスター対策で対処できるライン)>新規感染者数の青い線
を素直に見て私たちができることは、

私達が工夫すべきことその1
・オレンジ色の線をもっと上にあげるにはどうしたらいいか?
私達が工夫すべきことその2
・経済的ダメージを最小にしながら青い線を下に下げ続けるにはどうしたらいいか?
これ↑ですよね?
これを日本国民が共有して、いろんな知恵を出し合って変化していけば、「こりゃ経済再開しても大丈夫だな」っていう判断は前倒しで可能になるでしょう。

では、以下、一刻もはやい経済再開のために私たちにできることを深堀りしていきます。

5●「オレンジ色の線を上げる」ために私たちにできることは?

先程引用した専門家会議の資料においても、保健所における接触者追跡調査能力の引き上げをお願いします・PCR検査能力の引き上げをお願いします・医療機関内の連携を見直す事によるキャパシティの増強をお願いします・・・みたいなことがちゃんと書いてあるんですが、ちゃんと日本政府がそういう「現場が必要だと言ってる武器」を調達する動きができてるかどうか、私たちはシッカリ監視して、つっついて「やれ!!」と声をあげなくてはいけません。

日本という国は「既にある縦割り組織」の範囲内では超凄い仕事力を発揮しますが、こういう広域連携をリードするのがなかなか難しいんですよね。

私は日本とは比較にならないほど大量に死者を出しているアメリカニューヨークのクオモ知事をやたら持ち上げるのはあまり同意できないタイプの人間ですが、アメリカではニューヨークだけでこの接触者追跡調査(いわゆる日本で言うところのクラスター対策)のためにニューヨークだけで1万7千人もの追跡部隊(コンタクト・トレーシング・アーミー)を用意するそうです。

単に検査数増やせばいいってもんじゃないんだよ、接触者追跡と隔離の方が大事なんだよというインペリアル・カレッジ・ロンドンの論文も出ていますし、単にPCR検査の数を追うんじゃなくて、接触者追跡をシッカリやることが大事なのだ・・・という日本の対策班が常々言っていたことがやっと世界的に理解される流れになってきている。

しかし、その「能力の拡充」は、PCR検査に関する幸薄い罵り合いの影に隠れてしまって全然進んでいません。

日本においてこういう「広域連携」をやるには政治だけじゃ難しいので、メディアがちゃんと「論調」を作ってくれる必要があるんですが・・・

日本のメディアはあらゆる情報が、「これはアベを叩くネタにできるかどうか」みたいなので脳内で振り分けられるみたいなことになっていて、余計に混乱してしまって変化が起きなくなるんですよね。

別に医療の専門家でもない私が、2週間前にこのPCR検査を増やす増やさないという課題について整理した記事が、フェイスブックのお医者さんクラスタなんかにいまだにシェアされ続け、ちらほら英語の感想コメントまで来る状況になっているのは、この問題についてちゃんと「党派性」を離れて冷静に事実ベースで整理する議論がいかに日本に欠けているかを表しているように思います。

つまり、この問題を日本メディアが「党派性(アベ叩きに使えるかどうか)」でオモチャにしてしまうために冷静な議論が全然進まず、余計にPCR検査の適切なレベルの拡充すら進まなくなってしまっているんですね。

PCR検査数問題の詳細についてはリンク先の連載第二回の記事を読んでほしいわけですが、

・検査数を絞りすぎて、体調が悪いと訴えても検査が受けづらい問題

は、今日本の医療体制全体で解決に向かって動いています。「安心のための検査」をやたら受けたがる日本人の性質という他の国にない問題があるのでスムーズにいっていませんが、反政府心情をこじらせてムチャなことをねじこまず徐々に「適切なライン引き」を調整すれば解決していくでしょう。

まだまだ連携に不備があるところも多いから、メディアがちゃんと取材して改善提案してあげてほしい。

一方で、そういう「意味のある情報」とゴチャゴチャに混ざった形で、

・日本国民全員にPCR検査をすべき

みたいなムチャな話が白昼堂々マスメディアで報道され続けているので、余計に混乱してちゃんと取り入れられなくなるんですよね。

日本の検査能力は一日二万件を目標に拡充中という話ですが、国民全員検査するとなったら6000日もかかってしまいますよ。しかもその検査は「たまたまその日かかってなかった」というだけにしかならず、偽陰性が多く出るという検査精度の問題もある。

韓国は大量に検査してる、ってイメージがあるけど、それでも国民の1%程度しかしていません。欧米で、たとえばハーバード大学なんかが最近主張しはじめた「全量検査計画」は韓国のそれとは規模が全然違う話で、(検査部分だけのコスト試算じゃないですが)プラン全体で一回ロックダウンするたびに数兆円とかかける話です。

これは死体が積み上がってどうしようもないレベルになっちゃって、しかも自粛してくれって言っても全然国民が守ってくれないアメリカで、それでも経済再開するにはこれぐらいの極端な方策が必要だよね・・・という話であって、こんなことしないで済むならそれにこしたことはないわけです。その数兆円をそのまま休業者経済支援にまるごと回して現金を配った方がいいはず。

3月下旬に感染爆発した欧米からの帰国者を大量にノーガードで市中に放ってしまう大失態を犯すまでは、日本では「クラスター対策と三密を避ける」程度の対処によってほとんど経済を止めずに十分対処できていたし、国立感染症研究所の調査結果にもあるように、ちゃんと武漢経由の「第一波」は完全に収束できている証拠もあります。

「接触者追跡(クラスター対策)」って、人海戦術で聞き取りして電話して・・・っていう感じがローテクっぽくて現代人は軽視しがちで、PCR検査!みたいな科学の香りのするものをとにかく数をこなすほうがいいんじゃないかと思ってしまいがちですが、検査って所詮検査ですからね。

ローテクっぽい地道な作業を「竹槍訓練」とか言ってバカにするのはほんとよくないです。ウィルスとの戦いは戦争じゃないんだから、ネットでちょくちょく話題になっている科学的っぽい見かけのトンデモより、単なるうがい手洗いの方がよっぽど大事だったりするわけで。

さっきのニューヨークの話の「コンタクト・トレーシング・アーミー」も、「感染者からインタビューして追っていってみんな検査する」という、めっちゃローテクっぽい話を徹底してやる話になっています。

恐れず、徹底的に地道な作業をやれる体制を整えて、堂々と経済を再開させていきましょう。

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