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コロナ対策 懸命な介護現場

長引くコロナウイルス感染症の影響で、医療現場で懸命な治療を続けられている医療従事者のことは、メディアでもよく取り上げられていて、私たちも後方支援のNPOを立ち上げて活動したりしています。一方、介護現場の大変さは、報道もこれまでは少なかったように思いますが、このところいくつかの報道が見られます。

私の母も、東京の介護施設に4年前からお世話になっていて、感染予防に懸命な様子は、直接聞いています。そんな中、例の1人2枚の布マスクが、わりと早い段階で届いたそうですが、それが1人1枚だし、入居者は自分で洗濯できないし、スタッフが使うには不十分な機能だし、と扱いに困っていました。もっと介護現場を支援する方法は、あるでしょう、と言いたいと思います。

施設での集団感染は、海外で深刻で、世界保健機関(WHO)は、欧州の死者の半数が入所者だと指摘しています。国内でも、千葉県では、4月末、県内死者31人のうち17人が2ヶ所の施設入居者だと明らかにしました。富山市では、相次いで感染が判明した入所者の入院先が見つからず、職員も不足しているのに施設内での対応を迫られたそうです。国は、高齢者施設で重症化の恐れがある感染者は円滑に入院医療につなげるよう新型コロナ対策の基本方針に明記しています。

しかし、病床数がひっ迫している地域では高齢者施設にとどまらざるをえない状況が起きていて、全国老人保健施設協会は、4月21日に、厚生労働省に感染が判明した入居者の速やかな入院を求める要望書を出しています。

全老健によると、少なくとも千葉県などの4施設で、感染者が施設にとどまり、施設で亡くなった感染者も2人いる、ということです。職員が防護服を着るなどして介助にあたるが、利用者との密着は避けられず、感染を懸念する清掃業者などに仕事を断られる事態も起きているとのこと。防護服などが足りず、手作りしている施設もあるなど、感染防止対策は、非常に困難になっている、と報じられています。

また、介護事業所で休業するところが増えています。厚生労働省におよと、緊急事態宣言が全国に拡大された4月16日前後の1週間に休業した介護事業所は909ヶ所で、その大半が自治体からの要請ではなく、自主判断によるもの、ということです。多くが、高齢者が日帰りで食事や入浴のケアを受けるデイサービスや短期入所施設で、利用者の中には、介護サービスを受けられないと生活が立ち行かなくなる人もいます。自宅で孤立し、心身の状態が悪化することが懸念されています。

介護は、人手不足で、処遇も他の産業に比べて月10万円近く賃金が低いなど、慢性的に課題を抱えています。政府は、新型コロナウイルスへの対応で、医療現場の診療報酬を上積みするなどしていますが、介護についても対応が必要だと思います。

また、軽井沢町でも、公的施設が今月いっぱい休館になっているため、高齢者の福祉施設も、私たちも開催している、高齢者のための、いわゆる通いの場も、利用できない状態です。もちろん感染予防は重要ですが、規制の中で、他の面で体調を崩し、命が危うくなることへの目配りが必要だと思います。

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