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【コロナと地政学】

コロナ危機の影響は医療や経済のみならず、地政学にまで長く及ぶという主張をよく目にします。ビフォアーコロナから激化していたアメリカと中国の対立はいっそう深まりそうです。

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The EconomistはGeopolitics after Covid-19: is the pandemic a turning point?(アフターコロナの地政学:パンデミックは転機か)の中で、新型コロナウイルスの感染拡大前から高まっていた米中の緊張がいっそう高まり、「コロナ危機は超大国のライバル関係をいっそう先鋭化させ、西から東へと世界の重心の移行が加速する」と分析しています。

まったく新たな世界秩序があらわれるわけではなく3つの変化をもたらすと言います。■中国が静かに各国で行使していた影響力を表面化、■米中対立というこれまでの地政学のトレンドを加速し、■EU=ヨーロッパ連合の将来から中国と各国の関係まで先進国、及び途上国の変化の媒体となる。

中国は自国で発生した新型コロナウイルスの発生源は別だと情報戦を展開し、アメリカも「武漢ウイルス」「中国ウイルス」と連呼しプロパガンダ戦を展開しているが、アフタナーコロナの世界では中国が政治的にも経済的にもより大きなグローバルプレイヤーになり、アメリカがリーダーの役から後退することで中国が真空を埋めると予測しています。

Foreign AffairsのRuth Ben-GhiatはCOVID-10 Tempts Would-Be Authoritarians(コロナで権威主義的な国家が勢いづく)の中で、多くの国がコロナ危機を理由に緊急事態宣言を発して市民の自由を制限し、GPSを使って市民をデジタル追跡していて、とりわけトルコやインドではジャーナリストや批判する人たちを投獄し、イエスマンで周囲を固めていると伝えています。

これは民主国家であっても感染拡大の防止の名のもとに管理を強めていてニューノーマルとなっているとしています。

New York Timesは、Profits and Pride at State, the Race for a Vaccine Intensifies(国家のプライドとカネを賭けてワクチン開発競争が激化)の中で、地政学の流れに逆らって各国の政府、企業、研究者が新型コロナウイルスのワクチンの開発競争に挑んでいると報じています。

世界で90のプロジェクトが進められていて、このうち7つについては臨床試験の段階に達したということです。トランプ大統領を先頭に各国の首脳が圧力をかけていて、利益も莫大なことからこれまでにないスピードで物事が進んでいるそうです。

また、ナショナリズムの台頭を背景に、ワクチンの開発競争は地政学の意味合いも重要で、アメリカは中国に知的財産を盗まれることがあってはならないと主張していて、国によっては生産するワクチンがないにもかかわらず、すでに生産ラインを準備しているとしていす。

科学者や医療関係者は「グローバルワクチン」と表現する一方で、トランプ大統領ら政府首脳は自国民を優先させる姿勢を強めていて、薬の世界でも「グローバリズムかナショナリズムか」という問いを呈しているということです。

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