- 2012年08月24日 19:49
質問を終えて、尖閣など
石破 茂 です。
昨日の予算委員会の模様はインターネットで動画配信されておりますので、ご関心のある方はそちらをご覧ください。
あそこまで滅茶苦茶な答弁をされるとは正直思っていなかったので、相当に驚きました。
総理大臣が細かい法律まで知っているはずはありませんが、担当大臣すら今回の政府の対応のカギとなる「出入国管理及び難民認定に関する法律」を全く理解していないことは、もはや内閣の体をなしていないということです。
我が国は法治国家であり、あらゆる事象は法律をもって対処されます。官僚たちは法律のプロなのですが、彼らを使って国家を運営する政治家が法律について何の知識も持たないのであれば、官僚の思うがままの政治になっても致し方ありません。
もちろんすべての法律に通暁することなど不可能ですが、自分の所管する官庁の法律くらいは知っているのが当然であり、知らなければ自分で調べ(そのために国会には政策秘書や委員会の調査室や国会図書館が置かれているのです)、官僚たちにその適用の是非を質すべきなのです。
「公務員の公務執行を妨害する目的で煉瓦を投げつけても、実際に公務の執行が妨害されず、損害も軽微であるなら、公務執行妨害罪は成立もせず、その嫌疑すら無い」という今までの法解釈や判例をすべて覆す答弁が閣僚から平然となされる有り様に、私は愕然としました。
「とにかく事を荒立てるな、香港の活動家に死傷者が出るような事態は避けよ」と言うオーダーが政治から出され、法の適用に苦慮した官僚たちが政治家の無知をいいことに出鱈目な法解釈を編み出した、というのが今回の一番の問題だったのではないでしょうか。
尖閣については、いかに実効支配を強め、抑止力を確保するかに尽きます。
「言うまでもなく日本固有の領土であり、そもそも領土問題が存在しない」というのが従来からの一貫した立場であり、それは確かにその通りなのですが、ただそれをお題目のように言い続けるだけでは、理解は深まらないでしょう。
「このほど米日両国の国会は沖縄返還協定を採決した。この協定のなかで米日両国政府は公然と釣魚島などの島嶼をその返還区域に組み入れている。これは中国の領土と主権に対するおおっぴらな侵犯である。これは中国人民の絶対に容認できないものである。」
「第二次世界大戦ののち、日本政府は不法にも台湾の付属島嶼である釣魚島などの島嶼をアメリカに渡し、アメリカ政府はこれらの島嶼に対していわゆる施政権を持っていると一方的に宣言した。これはもともと不法なものである。…いま、米日両国政府はなんと不法にも、再び我が国の釣魚島など島嶼の授受を行っている。中国の領土と主権に対するこのような侵犯行為は中国人民のこのうえない憤激を引き起こさずにはおかないであろう」
(中華人民共和国政府外交部声明・1971年12月30日)
これが中国側の主張の核といえます。
つまり、「尖閣諸島はサンフランシスコ平和条約によって日本の領土から最終的に切り離されることとなった台湾などの地域に含まれていたのであって、南西諸島のように『引き続き日本の領土として残されるが、当面は米国の施政下に置かれる地域』に含まれていたものではない。しかも中国の領域権は沖縄返還協定調印時にも存続している」というのが中国の主張です。
これに有効に反論しなければ、国民の理解は深まらず、中国の一方的な主張や我が国の実効支配に向けた挑戦を許すことになってしまいます。
中国は1945年10月25日には台湾などの領土編入措置を終了させていますが、その後中国で発行された地図などには、尖閣諸島は中国領の範囲から除外し、日本領たる琉球群島の一部としています。当時、尖閣諸島を中国領に編入することに関して、何らの障害も考えられないのですから、この時点では尖閣諸島が中国領であるとの認識はなかったわけです。そのことは人民日報など中国側の資料によっても十分裏付けられます。
抑止力については、海上保安庁法や自衛隊法の改正などの法整備、自衛隊の海兵隊的機能の増強、日米共同演習の実施などの運用面の強化が必要であり、精神論だけ唱えてもどうにもなりません。
竹島についてはまた稿を改めますが、この問題は尖閣よりもはるかに厄介です。いままで韓国の非を強く指摘してこなかった我が国の対応にも相当の問題があったと認識しています。
週末は25日土曜日が関西鳥取県ファンの集い(午前11時半、リーガロイヤルホテル大阪)。
26日日曜日が山下たかし自民党岡山第二区支部長事務所開き(午前10時半、岡山国際ホテル・岡山市中区本町)、同時局講演会(午後1時半、西大寺ふれあいセンター、岡山市東区西大寺中)、橋本岳出陣の集い(午後5時半、倉敷アイビースクエア)、という日程です。
皆様、よい週末をお過ごしください。



