- 2020年05月06日 10:10
国産戦闘機開発コロナで中止へ
1/2文谷数重(軍事専門誌ライター)
【まとめ】
・防衛省、世界水準の国産戦闘機を開発計画。
・技術、費用、価値の面で開発は実現困難。
・新型コロナ禍で国産開発は放棄か。
防衛省は国産戦闘機の開発を進めようとしている。世界水準のステルス戦闘機を国内開発する。それによりF-2戦闘機を更新する。公式にはその体裁を維持している。
だが、新戦闘機開発の先行きは怪しい。世界水準の戦闘機を本当に開発できるか。開発・調達費用は現実的な範囲に収まるか。F-35との使い分けも成り立つのか。そのような問題がある。
この国産開発はコロナ禍により放棄されるのではないか?
防衛予算で最初に整理されうる事業だからだ。当座の間、国家予算は社会保障が最優先となる。安全保障は圧縮される。特に防衛費のうち装備調達は大幅縮小される。そこにおいて新戦闘機開発は真っ先に中止される内容である。

■ 実現性が乏しい国産開発
日本は世界水準の戦闘機を開発できるのだろうか?
防衛省はF-2後継機について今なお国内開発を方針としている。
だが、目論見通りに作れるかは怪しい。
第1は開発困難である。ステルス戦闘機は米国でも開発に手こずる兵器だ。これはF-35の開発経緯が示すとおり。また露中もいまだに1機種目の実用機を実用化できていない。
経済力、工業力とも凋落著しい日本には手に負えない製品だ。仮に作れても納期も相当に遅延する。その頃には戦闘機としては時代遅れともなりかねない。
第2は費用面での破綻である。開発着手しても中途放棄となる可能性は高い。
手本があるF-2戦闘機開発すら2倍に膨らんだ。F-2は米国製のF-16を模倣再設計した機体だ。それにも関わらず価格は高騰した。開発費は当初見通しの1500億円から3000億円、単価も50億円から100億円となった。
手本もない新戦闘機は3倍以上にも膨らみうる。現状で語られる開発費1.5兆円が5兆円、単価100億円が300億円以上となっても不思議もない。
第3は価値の不存在である。
端的に言えばF-35よりも高価であり低性能の戦闘機となる。その場合は「F-35を買い増したほうがよい」機材となる。つまり製造する意味がない。
価格上昇が2倍でも新戦闘機はF-35よりも高価格だ。F-35各型の日本調達価格は100億~150億円程度だ。新戦闘機の単価100億が倍の200億となるとそれを超える。
それでいて能力はF-35に全く及ばない。日本航空産業と米航空産業の力量は隔絶している。日本はF-35を超える戦闘機を作れない。特にエンジン等の信頼性やレーダほか電子機器への実戦経験適応では全く相手にはならない。

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