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抽選3度目で当たり、7年待たずに2度目の質問機会をゲットしたものの・・・

前回の会見の質問のフォローアップの質問をしてきた。われながらしつこいと思う。

前回はPCR検査のことでは亡く、日本はPCR検査数が少ないので感染者数はわからないと各国も言っているが、なのに総理は日本はギリギリ持っているというので、総理がそう考える理由を知りたいというのが僕の質問だった。

今回もPCR検査の事を聞いているように見えて、実は聞いていることは安倍政権のガバナンスのこと。PCR検査についてはいろいろな考え方があるのは承知している。僕自身はどちらかというと、無症状感染者が感染を拡げてしまうリスクを考えると、もっと手軽に検査が受けられるようになった方がいいんじゃないかと思っている方だけど、はっきりいって感染症にも公衆衛生にも専門的な訓練を受けたわけでもない一介の記者の僕がどう考えてるかなんて、実際は取るに足らない話だ。

僕は総理にPCR検査は増やすべきと思うかどうかを質したのではない。前回の会見での僕の質問に対する回答やその後の国会答弁やこの日のNHKの記者の質問への答弁で、総理がPCR検査を増やすべきだと考えていることは既にはっきりしていた。だから、それをあえて問題にするつもりはなかった。僕が知りたかったことは、日本という国が内閣総理大臣がもっとPCR検査を増やせと号令を発しても、それを実現することができない国になってしまったのかどうかということだった。

もしそれが本当だとすると、可能性は2つくらいしかない。それは総理自身がそれほど本気で増やそうとしていなかったからか、もしくは、本気で増やそうとしているのに何者かがその邪魔をして増えないようになっているか。

そして総理は前者は言下に否定した。自分は本気で増やそうとしてきた、と。

だとするとこれは大問題だ。それは総理及びその周辺にこうすればPCR検査を増やせるという解を持っている人がいない、つまり安倍政権にその能力がないか、もしくは誰かがそれを邪魔したり、総理の命令に従わない輩がいるかのどちらかということになるからだ。

尾身先生が保健所のマンパワーがどうだのこうだのとPCR検査が進まない理由を6つくらいあげていたが、そしてそれはどれも一見もっともな理由に聞こえたが、でも総理の力を権限をもってすれば、容易に乗り越えられるものばかりのように思えた。総理は予算もつけられるし人事も動かせる。実際、安倍政権はこれまでそれをやりたい放題やってきた。PCR検査がどれほど難しい検査が知らないが、例えば1ヶ月間の研修を受けて検査に必要な技能を身につけることができないほど難しいものなのか。あるいは予めノウハウを持った人材を民間から臨時で登用できないのか。そして何よりも検査自体をなぜ民間に発注しないのか。いずれも総理にはその権限があるはずだ。

だから、総理が会見で「これまで増やさなきゃならないとは思っていたけど、そこまで本気でやってこなかったら、なかなか増えないことがわかった。だからこれからは本気でやる」と言って、具体的にこれから何をやるかを示してくれれば、まだ救いはあった。もしくは「日本はPCR検査はそんなにやらない方針を採用しているんだ」といって、その根拠や戦略を説明してくれれば、賛成できるかどうかは別にして、ガバナンス的にはちゃんと政府が機能していることが確認できてよかった。

‪これはOECDが人口1000人あたりのPCR検査数を国際比較したものだけど、他の分野でも世界の中で日本がこの辺りの位置(OECD加盟国のびっけあたり)にいる指標が増えているので、「これはそういう戦略でやってるからです」という説明が真に受けてもらいにくくなっていることだけは間違いない。

神保 哲生さんの投稿 2020年4月28日火曜日

だけど、総理の説明はそのどれでもなかった。総理はまず、「本気で増やそうとしている」ことを明言した上で、検査能力はあげてきたが、能力をあえても直ちに検査数が増えるわけではない、と答えた。なぜ総理が本気で増やそうとしているのに、日本だけが検査数を増やせないのかについての説明は残念ながらなかった。

その後の肺炎がどうのこうのとか、尾身先生の死者数がどうのこうのの話は、実際の感染者数はどうなのかを議論する上では意味のある論点かもしれないが、少なくとも政府のガバナンスを問う僕の質問に対する答えとしては、まったく的外れというか、何の話ですかって感じだった。

まず「総理は本気でPCR検査を増やそうとしてきたのですか?」を聞いておかないと、次の段階に行けないと考えてああいう質問になったけど、もしかすると端的に「本気でPCR検査を増やしたいのなら、なぜ予算を付けたり人員を補充したりしないのですか?」とだけ聞いた方がよかっただろうか。でもそれだけでは総理の食いつきが悪くて、どうでもいいような答えしか返ってきそうもない気もする。

一問一答真剣勝負でさら問い(追加質問)ナシ、(しかも次に質問できるのがいつになるかわからない)という総理会見のハウスルールは実に厳しいし、記者の力量が問われる。

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