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竹島・尖閣諸島・北方領土 日本が平和的に取り返せる機関は国際司法裁判所あわせて10個ある

 日本を取り巻く国際情勢ががぜんきな臭くなってきました。

1 ロシアの北方領土問題

2 日韓の竹島問題

3 中国との尖閣諸島問題です。

 もちろん、武力行使での解決は実力的に不可能ですし、日本経済が破滅しますし、憲法上も許されません。

 大事なことは、普通の人間同士なら隣近所に気に入らない人がいれば引っ越しをすることもできますが、日ロ中韓は場所を変えられませんから、未来永劫、ここで暮らしていかねばならないということです。領土争いと言っても、相手を叩き潰すのではなく、道理を尽くして共存共栄を図るのが何より大事だということになります。

 しかし、なにもしないで指をくわえていろというのではありません。平和的で、かつ一挙抜本的な解決を提案します。

 それは、野田政権が日韓問題だけでは言及している、国連の最高権威の司法機関、①国際司法裁判所(ICJ)を、日韓関係だけではなく、日中にも、日露にも利用するのです。もう、ダブルスタンダードとは言わせません。

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 いろいろ困難な問題はあるものの、それをクリアして、もし、3つ全部をICJに持ち込むことができたとしたら、日本の予想勝利率は

1 北方領土 5~15%

2 竹島 50~70%

3 尖閣諸島 90~95%

だと思います。しかし、有利なものはICJに持ち込むが、不利なものはダンマリというのでは、ダブルスタンダードのそしりを免れません。

 いやしくも平和国家日本として、国家間で最も武力紛争の危険がある領土問題を、法廷の場で決着をつけるという国際慣習を作っていくことが、一貫性のある予測可能性のある外交姿勢として認められ、日本に対する国際社会の信頼を増し、国際貢献になります。それがひいては自国の安全保障にとって最も有効で、かつ安上がりな方策にもなるのです。

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 ICJは、法律的な判断を下す国連の常設の主要機関です。21世紀に入ってからだけでも、竹島問題と同じくシンガポールとマレーシアが互いに領有権を主張したペドラ・ブランカ島問題について、2008年にICJがシンガポールに帰属するとの判断を下し、28年間に及ぶ論争に終止符を打つなど、カメルーンとナイジェリア、コソボ独立問題、タイとカンボジアの領土問題などなどを解決してきました。日本人の想像よりはるかに活躍している有効な機関です。

李大統領が竹島上陸 領土問題は国際司法裁判所を使い、国際法に則り、外交で解決を。

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 ただ、ご存知のように、国際司法裁判所は、当事国が全部同意しないと訴訟要件が整わず、訴えが却下されてしまいます。

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 その時は常設の国際仲裁裁判所に持ち込む手もあります。

 領土・領海は主権問題ですから、簡単に妥協・交渉はもちろんできませんが、領土領海保全の最大のメリットは経済権益にあります。ところが今は、領土問題ばかりか、この経済協定がにっちもさっちも動いていないのです。

 ですから日本は、国連の国際司法裁判所だけでなく③国際海洋裁判所とか、香港・シンガポール・ベトナムなどの仲裁センターを糾合したアジアの仲裁センタ創設を試みたり、場合によっては⑤APEC⑥ASEANなどなど、武力紛争を避けるための地域のありとあらゆる仲裁・調停機能を使っていくのです。

 今までの日本の外交は消極的かつ事なかれ主義にすぎます。あきらめずに徹底して平和外交のあらゆるノウハウをつきつめて努力すべきなのです。このように法的な枠組みの中で徹底して解決していくことで、不測の武力衝突やテロが可及的に避けられるのです。こんな紛争解決のシステムつくりに積極的に取り組むことが日本らしい国際貢献です。

 さて、緊急の3問題を見てみましょう。

 

1 竹島問題  沿革的には日本有利 実効支配で不利

 まず竹島(韓国名独島)に李明博(イミョンバク)韓国大統領が突然上陸しました。日本は在韓大使を一時帰国させ、国際司法裁判所(ICJ)への共同提訴を進言していますが、裁判になれば弱みのある韓国はつっぱねています。

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 それどころか、あまつさえ李大統領が天皇陛下の訪韓には謝罪が必要だと発言しました。さらには、野田首相から李大統領への親書に独島でなく竹島と書いてあるので、親書を突っ返すと言い出しています。

 はっきりいって、レームダック化しつつある李大統領は後先考えていないし、大人げなく無様な悪あがきをしているのです。もはや、国益より、李大統領の人気取りしか頭にないので、日韓の緊張は一触即発と言っていいででしょう。

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 竹島問題の法的な勝算について考えると、無主物先占(誰のものでもなかった場合には先に占有開始したものの領有となる)という点では、日本が1900年代初めに先行して、圧倒的有利になりました。しかし、1950年代の李承晩ライン設定以来のごり押しで、韓国の実効支配がはじまってしまいました。

 国際法では、その領土の歴史的ルーツとともに、「今、誰が支配をして言うかという実効支配」がかなり大切な要素になります。国際法では慣習とか、事実状態の継続の重みが国内法以上なんですね。

 しかも、韓国政財界とのあの利権にまみれた自民党政権は、半世紀も韓国の実効支配をほとんど見て見ぬふりをして許してきました。これはまさに自分の損得だけで領土を売る「売国行為」をしてきた自民党政権の「国賊」ぶりは噴飯ものです。このせいで、韓国の実効支配は平穏に長く続きすぎたので、領土先占でリードしていた日本は、かなり追いつめられたということで、日本の勝率予想は50~70%です。

 こうなると、裁判になっても当たるも八卦、当たらぬも八卦の、恨みっこなしの勝負です。

 しかし、少なくとも、このまま日本が静観して、静かに韓国の実効支配が続いてしまったら、本当に日本は竹島を失います。ですから、李大統領の妄言・暴走は、竹島の実効支配の平穏性を害しましたので、この問題が決着済みでない今現在も係争中の領土紛争であると国際社会に知らしめる敵失となりました。

 ただし、とにかく、じっとだまって実効支配を続けていれば韓国の勝利可能性が上がり続けるところだったのに、李大統領のおかげで助かっちゃいました。

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 これまでのように、竹島問題をICJに共同提訴しませんかと提案しても韓国が乗るわけありませんから提訴もしなかったのですが、今回は日本は単独提訴して、韓国の受訴拒否を引き出します。

 日本はそれをうけて

1 日本の国会で韓国のやり方への抗議決議を全会一致で上げる

2 秋のAPEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)など、アジアの国際会議で竹島問題を取り上げて真正面から演説する

3 ⑦国連総会に持ち込んだり、⑧国連安保理に持ち込む下準備をする

などという大がかりな戦略を立てるべきでしょう。

 なお、日韓スワップがどうだとか、経済援助を打ち切るとか、経済制裁をしたらいいと勇ましいことをいっている政治家や経済評論家がいますが、今の日韓の経済状態を見てください。経済制裁をするような余力は双方にありません。グローバリズムの時代に、こんな隣国の経済大国同士が制裁し合えば、かえって、日韓共倒れで、中国とアメリカが狂喜するだけですよ。

 あくまで、政治的・外交的な駆け引きを続けるべきです。

 でもね、そこまでやると後々尾を引くでしょう。双方の言い分にもっともなところがあるんだから、領土の確定を白黒はっきりつけるよりも、共存共栄できるような経済利用協定を結んで、友好的に発展したらいいんじゃないかなあ。

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(力を出し尽くせば勝敗はそのあとのこと ロンドン五輪 女子バレー3位決定戦で日本が韓国を破る)

 

 

2 尖閣諸島問題 沿革的にも実効支配でも有利

 尖閣諸島問題は、逆に日本が実効支配しているので、このまま平穏に支配の事実状態が続けば、日本が法的に有利になる一方でした。だからこそ、香港・台湾・中国の漁船や抗議船がやってきて、領土問題はあるとアピールしているわけです。

 だから、じっとしていればこちらが有利なのに、石原慎太郎東京都知事がわざわざ地権者から島を買うとアメリカで国際的に宣伝したり、今度は測量のために上陸するとか、お調子者が泳いで島に渡るだなんて愚の骨頂です。

野田首相と石原都知事の尖閣パフォーマンス合戦が国を危うくする

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東京都が製作した尖閣諸島の購入を目指すことを周知するポスター=都提供



 石原さんときたら、これぞ、他人のふんどし(寄付)で土地を買って目立ちたいだけの、これまた売国パフォーマンスです。李大統領がやってやぶ蛇にして見せたことを立場を変えて日本がやってしまう思考停止ぶりにはあきれます。

 自分が実効支配していて有利な場合は、事を荒立てないのが何よりなのです。

 はっきり言って、李大統領と石原都知事は二卵性双生児トンデモ政治家といえるでしょう。

 ですから、さすがに少しは落ち着いている日本の政府は、沖縄県の尖閣諸島を巡って東京都が8月22日に提出した島への上陸許可を求める申請書について、中国側の反発も踏まえ、これまでどおり、尖閣諸島を平穏かつ安定的に実効支配していくためには、政府関係者以外の島への上陸は認めるべきではないとして、許可しない方向で調整する方針です。

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(野田首相の判断が至当)



 竹島でばかなことをしているから、尖閣で、台湾に不意打ちを食らいました。

 8月22日付台湾紙・自由時報などによると、台湾の馬英九総統はこのほど、日本と領有権を争う尖閣諸島(中国名・釣魚島、台湾名・釣魚台列嶼)の問題を国際司法裁判所(ICJ)に付託するよう提案したと伝えました。

 はい、日本が竹島問題をはICJに持ち込むといいながら、台湾が尖閣を持ち込むのを嫌だとは言えません。

 ここは、中国、香港、台湾、日本で、ICJに共同提訴して、尖閣領土問題を解決するのがいいでしょう。尖閣は歴史的に見ても、実効支配の点でも、日本が勝てる可能性の高いのです。その尖閣がICJに持ち込まれるのはリスクが増しますから面白くありませんが、そこはなんとしても勝ち抜いて、その勢いを竹島・北方領土に持ち込むのです。

 途中経過では、国際仲裁裁判所国際仲裁手続きにも移って、竹島の漁業領域問題や、尖閣の地下資源共同開発問題も解決をすれば、大変大きな成果なのです。

 長期的には、中国ともめているフィリピンやマレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシアなどを日本に巻き込んで、北朝鮮の核問題を扱った六か国協議ならぬ⑤のAPECとは別の、領土領海問題に特化した10か国間協議の枠組みを作っていくのも良い試みだと思います。

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(国益よりあくまで私利私欲の石原都知事)



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(いずれ、日本の三人娘もいずれは最強の中国にも追い付いていける)



3 北方領土 沿革的には互角 実効支配で不利

 日本人は北方四島(択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島)に渡航するとともに、徐々にこれらの島々の統治を確立しました。1855年、日本とロシアとの間で全く平和的、友好的な形で調印された日魯通好条約(下田条約)は、当時自然に成立していた択捉島とウルップ島の間の国境をそのまま確認するものでした。

 というわけで、竹島以上に日本の先占支配は確定的だったのですが、第二次大戦末期の1945年8月9日、ソ連は、当時まだ有効であった日ソ中立条約に違反して対日参戦し、日本がポツダム宣言を受諾した後の同年8月28日から9月5日までの間に北方四島のすべてを占領しました。ソ連は1946年に四島を一方的に自国領に「編入」し、1949年までにすべての日本人を強制退去させました。それ以降、今日に至るまでソ連、ロシアによる不法占拠が続いています。

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(ロシアのメドベージェフ前政権時代から日本の北方領土を含むクリル諸島での「領土建設」をますます急加速している。)



 以来、70年近く前、ソ連→ロシアの実効支配が続いており、もう街づくりや軍事施設づくりが完成てしまっていて、韓国の竹島実効支配と比べても比べ物にならないくらい進んでおり、これを法的に覆すのは至難の業です。

 裁判所でまともにぶつかったら、実効支配が説得力を持ち、これは日本の勝訴判決の勝ち目は薄いと思います。

 ここはなんとか、領土を最初から奪取しに行くのではなく、巨額の費用が掛かる領土保全の分担を申し出、徐々に共同の経済開発の協定を有利に結ぶ過程の中で、日本の技術力を売り物に、資源開発や漁業権の共同開発協定確立を落としどころとして目指すというのが現実的な目標になりそうです。

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 以上、申し上げたいことは、日本、韓国、中国、香港、台湾、ロシアなどの感情的なナショナリズムは、制御できるはずが、甘く見ていると、いつどんな突発的な事件を引き起こすかわからないということです。

 戦闘は不意に勃発する。計算外の戦争開始は歴史上多々ありました。

 たとえば、漁船と監視船の衝突でどちらかに不慮の事故で死者が出ます。抗議行動の中でけが人が出ます。テロ事件さえ起こりえます。どちらかの、取締官憲がやりすぎてしまうこともあります。さまざまな予測しがたい偶発的な出来事から、国民感情のやりあいがエスカレートします。小さなことが想定外の拡大を招き、国と国が武力衝突にまで発展する最悪の事態が起こりうるのです。

 また、軍需産業やエネルギー産業などには、そんな諍いを商機と取らえ、もうけにつなげるべく拡大しようと虎視眈々と狙っている人々もいます。

 各国の軍部もまたしかり。予算をぶんどり、国内での地位と発言力を増す絶好の機会です。

 だからこそ、国際司法裁判所を中心とする法の支配を貫徹し、あくまで、国際法に則った法的解決を国際慣習化していくのが、長きにわたってアジアを安定させ、平和で穏やかに経済発展していき、皆が幸せになる道です。

 上の①~⑩の国際機構は、既に存在しているものがほとんどなのに、日本の国際政治の中で、日本をどんな国にしていくかという理想がないがために、外交戦略を持ちえず、有用なシステムを利用することさえ思いも及ばなかったものばかりです。

 我々日本人の品位と能力に自信を持ち、他人任せでなく、アジア全体が共存共栄できるような道を、我々日本がアジアの方々と共に切り開いていこうではありませんか。

 興奮した隣国の挑発に乗らないで。謙虚に。感謝の心で。愛と寛容と理性で。

 まず、日本が大人になりましょう。それが真のリーダーというものです。

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