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ゾンビ企業論の的外し

経済を分析するには様々な角度で、長期間を分析する必要がある。この点、最近の日経に掲載されていた議論で気になることがある。とくに、今日の経済教室にあったゾンビ企業退出論である。

ゾンビ企業が日本に多数存在していて、それが日本経済の成長を妨げているという議論に反対するつもりはない。問題は、この議論をし始めると、日本企業の多くがゾンビにならないかという懸念である。「死に損なった企業」にもいろんなタイプがある。大別すると、「死んでいて当然」という本当のゾンビと、「死に至る病気だと知らないで生きている企業」である。

「死んでいて当然」の企業には一刻も早く退出してもらわないといけないし、公的機関(証券取引所を含む)が積極的にゾンビ退治しなければならない。この点で、今日の経済教室に共感する。

それに対して、「死に至る病気だと知らないで生きている企業」はどうするのか。投資家の期待に応えることなく、惰眠(十分に儲からない事業)を続けている企業である。要するに株価が全く冴えない企業に、「死に至る病気だと知らないで生きている企業」が多い。そんな企業を安楽死させるのは忍びないし、そんなことをすれば残念ながら日本において「企業」が絶滅危惧種になりかねない。

この「死に至る病気だと知らないで生きている企業」に対して、荒療法として村上ファンド的な投資家の再来が待たれる。もしくは、我田引水ながら、経営者をビジネススクールで再教育することも効果があるだろう。

日本企業とその経営者は、欧米という手本のある「良き時代」をのうのうと生き過ぎた。それが、現在のような手本のない時代に入り、自分が健康かどうかも自覚できなくなり、気付いたときには命も危うい重病だったという事例が生じている。この数年、日本の電機業界で続発している事例が代表的だろう。

日本の経営者はこの事例を他山の石としなければならない。また、学者も、そんな企業を単純に切り捨てていたのでは、日本経済の将来に対して大きな貢献ができない。

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