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コロナ最前線の医療現場に一流シェフの料理を届ける「Smile Food Project」 ネット募金は2000万円超え

Smile Food Project

世界的に拡大する新型コロナウイルス感染症は、イタリアやスペインなど医療崩壊によって一気に広がったとされる例もあるように、どの国の医療システムも大きな負担を強いられている。日本でも現在、感染の広がりを抑えるため多くの医療従事者たちが昼夜にわたって過酷な業務にあたっている。

忙しさのあまりまともに食事もとれない彼らを支えるべく、一流シェフら自身が発起人となって、感謝と敬意を込めた料理を無償で提供する「Smile Food Project」を立ち上げた。

新型肺炎の猛威が広がり、世界中が不安に包まれています。
そんな中、日々最前線で治療に力を尽くしてくださっている医療機関の皆さまには、感謝の思いでいっぱいです。
私たちはシェフやレストランなど、料理を仕事にしているメンバーの集まりです。私たちには料理しかできませんが、そんな私たちだからこそできることもあるのでは――
そういった思いから、医療現場にシェフの料理をお届けするSmile Food Projectは始まりました。
私たちがつくるひと皿で、笑顔を届ける事ができますように。
明日に向かう活力を、養ってもらえますように。
一日も早い終息を祈っています。
感謝の気持ちをこめて。

未知のウイルスと最前線で闘う医療従事者たちに、美味しくて栄養たっぷりの食事で少しでも安らぐ時間をもってほしいというシェフやレストラン関係者の思いから始まったというこのプロジェクト。詳しい話を、事務局で一般社団法人Chefs for the Blueの代表も務める佐々木ひろこさんに聞いた。

Smile Food Project

――プロジェクトは、誰がどういう経緯で発案したのでしょうか

4月6日、東京のフランス料理店「シンシア」のオーナーシェフで、Chefs for the Blueのリードシェフも務める石井真介氏がFacebookにポストを上げたところ、すでに準備を進めていた都内で複数の飲食店を運営する株式会社CITABRIAの石田聡社長から連絡が入り、また広告会社NKBからも全面バックアップの意思表示がありました。

ポストから2日後の8日に全員ミーティングを実施し、同日、3社の合同プロジェクトとして立ち上がったという経緯です。

アメリカ、フランス、イギリス、NZ、ベルギーなど、世界各国で3月中から医療機関への差し入れプロジェクトが立ち上がっていて、「日本でもやりたい」という声は料理人たちから上がっていました。

――実際に医療現場へどのくらい提供し、どのような反応がありましたか

当初の差し入れ先は、医療機関に広いネットワークを持つ石田社長が先方と連絡を取り合って決めました。16日に公式HPがオープンしてからは、医療機関からの直接の申し込みも続々と入り始め、5月1日時点で15の医療機関に約2500食をお届けしました。

Smile Food Project

提供先からは「過酷な状況が長く続き、一方で医療従事者への理不尽な差別などが話題になる中、応援してくれている人がいるという事実だけでも嬉しい」「明日からも頑張れる」「温かいメッセージと美味しい食事に涙した」など嬉しい声をたくさんいただいています。

また、そういった反応をシェフの側でも「本当に嬉しい」と喜んでいます。

Smile Food Project

――料理の内容は、どのようなところに気を付けていますか

美味しく、栄養のある食事ということはもちろんですが、いま医療現場にお届けするということで、まずは何よりも保健・衛生管理です。

スタッフは全員、出勤のない日を含め1日2回検温し、オンライン上で健康報告。ミシュラン2つ星店の運営も手掛けるサイタブリアの、ケータリング事業専用の衛生管理が徹底したキッチンを使い、料理人は使い捨てキャップ、手袋、コックコート、マスク、キッチン専用シューズを着用。手すりやドアノブなどは1時間おきに消毒します。

大量調理が可能な大型キッチンに8名と小人数で対応し、お互い社会的距離を取って調理にあたっています。

料理は、納品先の病院の休憩室等に温められるレンジがあるかどうかで、大きく変わります。常温で美味しいもの、温めるから美味しいものは異なるためです。

Smile Food Project

――当初は無償で医療機関に提供されていたそうですが、先月24日からYahooネット募金で寄付を募り始めました。目標金額の2100万円というのはどのように決めたのでしょうか。

6月末までに2万食を提供するために必要な食材費、包材費、高熱費、お弁当につける手紙などの制作費、ガソリン代や高速代含む配送費などに充てる実費です。

ありがたいことに、開始直後からすごい勢いで寄付をいただけました。まもなく目標金額を達成できそうです。

* * *

参加する料理人は、海洋資源の持続的な利用を目指して活動するシェフグループChefs for the Blueから「シンシア」石井シェフの他、「The Burn」米澤文雄シェフ、「中国料理 慈華」田村亮介シェフ、「茶禅華」川田智也シェフ、「HIGASHI-YAMA Tokyo」梅原陣之輔料理長、「後楽寿司やす秀」綿貫安秀料理長、「恵比寿 えんどう」遠藤記史料理長、「Salmon & Trout」中村拓登シェフ、サイタブリアケータリングチームからは奥田祐也シェフなど錚々たる顔ぶれ。
順にメニューを監修し、調理はメニュー担当シェフとケータリングチームの料理人が共同で行っているため、メニュー監修者によってフランス料理、エスニック料理、中国料理、日本料理など、回によりテーマが変わるそうだ。

Smile Food Project

ネット募金開始から10日目の5月4日現在で、寄付人数は1万1千人超、集まった総額は2千50万円を超えている。

「自分たちにできることを」と動き出した料理人、あっという間に集まった寄付金。命を救うために戦い続けている医療従事者に感謝し、何とか応援したいという思いを形にする取り組みがこれからも増えていきそうだ。

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