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【新型コロナウイルス感染症シリーズ8】感染拡大・医療崩壊阻止の為、医療総動員体制が必要(マイナンバー2) -この機会に収入捕捉のためにマイナンバー直結納税・口座を実現

何事にもきちんとして、例えば電車やバスを時間通り運行し、犯罪も少なくゴミ出しの複雑なルールも守り切る日本で、なぜ欧米社会に定着しているマイナンバーのような制度が定着しないのか疑問に思う。

 給付とか社会保障とかからむと、決まって収入の捕捉がネックとなる。収入捕捉がきちんとなされていたら、給付を受ける者が申請ではなく通知をもらうだけですむことになる。

<こんな緊急時に9月入学式が論じられる不条理の国日本>

 給付問題がひと段落したら、今度は飲食店等の家賃支払いについて、与野党入り乱れてやれ直接補助だ、支払い猶予だとしのぎを削っている。加えて、やはり30万円も必要だ。学生のアルバイト、授業料だと要求が続く。更に小中高校から大学まで休校状態が続いているが、その延長線上で9月入学という議論が始まったが、血迷っているとしかいいようがない。こんな時に替えるべきではなく、もっと冷静に決めるべきである。多分、世界中で感染防止や医療支援をそっちのけで入学時期の変更などに血道を上げている国はあるまい。

 そもそも感染症対策でいきなり一斉休校が飛び出し、その後にすぐ困った家庭の休業補償問題が噴出した。確かに、子供が家にいて働けなくなった両親の収入確保も大事だが、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐのが主目的のはずである。ここでも母親が面倒みるために仕事に行けなくなる、その収入減をどう補償するかがまず問題になった。

<プライバシー保護を口実にすることなかれ>

 台湾や韓国ではクレジットカード、交通カード、携帯電話の位置情報等を使って感染者の行動記録を公開して、新型コロナウイルスの拡散を防いでいる。問題はいつも言われているように、個人のプライバシーの保護であり、監視社会化に対する歯止めであるが、こうした緊急事態にIT化された仕組みを活用している。そうした点では、日本でもオンライン化した緊急給付にマイナンバーをどのように活用できるかをよく考えて、できることから始めるべきである。公平性を保ち、手続きを簡素化するにはマイナンバーが必要である。個人も企業も副業による収入も捕捉されるのは嫌だ、という理由があるようだが、そうした負の側面は、別途今後厳しく律していく以外にない。

<10万円一律は不要(不急?)の人にも行く不公平>

 30万円案では、2~6月のいずれかの月収とそれ以前とを比べ、年収換算で住民税の非課税水準(150~200万円)まで減少した者といったややこしい条件があり、それが嫌われた。これで具体的に30万円の給付と10万円の給付と比較してみる。収入が15万円以下になった子一人のシングルマザーは、30万円給付されたのに20万円しかもらえなくなる。逆に4人世帯で収入が1000万円で貰えなかったのに、40万円も貰えることになる。これでは、やはり不平等である。筋として本当に困った者に30万円給付するのが正論である。

そんなことを言っても、2~6月でいずれかの月の年収換算で住民税の非課税水準までわからない、といった言訳がすぐになされよう。順序は逆で、それならば条件をマイナンバーの直結納税・口座システムで区別がつく条件にすればすむことである。

コロナ対策で世界から注目される台湾だが、ネットを活用した気の利いたマスクの配布にかかわるシステムは、38歳の天才閣僚オードリー・タン(唐鳳IT担当)が開発しているという。日本の政府やIT技術者にできないというなら、台湾の知恵を借りたらどうかと言いたくなる。

<あまりにも遅いマイナンバー活用の着手>

 こうした裕福な者にも行ってしまうという著しい欠陥に後ろめたさを感じた政治家は、こぞってパフォーマンスをし出した。片や貰わない、片や一旦貰って慈善団体に寄附するといったものである。自分達で作った政策の間違いを自ら認めるという、自己矛盾であることに気付かないのだろうか。それなら元から貰わない仕組みにしておくべきなのだ。

 私は新聞報道を中心に今回の一連の出来事をずっと追いかけてきたが、ほとんどマイナンバーという言葉にお目にかからなかった。まだ給付など検討されていない1月17日高市総務相の閣議後記者会見で「預貯金口座に対するマイナンバーの附番の義務化の検討」、4月9日「女性議員飛躍の会」(稲田朋美議員等)の提言ぐらいである。最近になり日経の4月21日の社説でやっとマイナンバーによる収入捕捉の必要性に触れているだけである。

<的はずれの補正予算>

国民が政府の外出自粛の要請に素直に応じ8割の接触を減さんと頑張っているのは、一日も早く新型コロナウイルスの蔓延を阻止したいからである。ところが国民に要請しておきながら、政府は感染防止に全力を傾注しているとはとても思えない。補正予算をみるかぎり支離滅裂である。

 感染症対策や医療体制整備に1兆8097億円だが、そのうちの1兆円は地方への臨時交付金であり、予算審議の間に、いつの間にか都道府県が休業事業者への協力金に転用することが可能になってしまった。緊急の経済対策である。

 だから、医療関係には1,490億円の緊急包括支援交付金しか回されないことになるのではないか。最大の項目は、10万円の特別定額給付金の経済支援19兆4905億円であり、次にとても不要不急とはいえないgo toキャンペーンなどの消費喚起策1兆8482億円である。国民に不要不急の外出をするなと押し付けておいて、政府は不要不急のことに金を使おうとしている。どこかピントがボケているといわなければならない。。

 何よりも、医療崩壊を防がなければいけないのに、給付のための予算が4兆円から3倍の12兆円に膨らむ。まずは足りないPCR検査を増やし、医療用マスク、防護服、消毒液、人工呼吸器、人口肺(ECMO)等を緊急に手配することである。そして、全国の病院に重篤者の入院体制をしいてもらうべく、ベッド数を増やし、・・・とやるべきことは山ほどある。

<今必要なのは「医療総動員」体制>

 緊急事態宣言により国民に外出自粛を要請しているのは、一種のボランティアを強いているのであり、動員ともいえよう。ただ、外に出るな、家でじっとしていてほしいという「逆の動員」である。

 一方で、本当に総動員しなければならないのは、人手不足でヘトヘトになっている医療現場である。やれ人工呼吸器が足りない、ICUも足りないと言われるが、何よりも足りないにはこうした機器を使いこなせる看護師、そして医師なのだ。濃厚接触者さえ忌避される日本社会で、日夜院内感染の危険に晒されながら頑張っている医療関係者には金曜日の感謝を込めた一斉拍手では足りない。日本ではあまりないが欧米では医療関係者が感染して死亡する割合もかなり高い。疲労とストレスは限界を超えていよう。新型こコロナウイルスと第一線で戦っている医療関係者の報酬を危険手当として手厚くして報いなければならない。

 日本はそこまで切迫していないかもしれないが、中国武漢ではすぐに病院(隔離施設)を建てた。アメリカでも公園に野戦病院さながらのテントができあがった。イギリスでもロンドン等の国際会議場・展示場が病床に早変わりしている。そして引退した医師1万1000人が現場復帰し、最終年度の看護・医学生2万4000人も動員された。日本でも退職した看護師や医師そして医学部・看護学部・薬学部の学生等を総動員して人的にも体制を整備するべきなのだ。

戦争に備えて憲法改正して緊急事態に備えるべきと主張する政府・与党が、医療「総動員」すらできないでどうするのか。これでは、いざという時に本格的総動員などできるはずがなかろう。これでは憲法改正の議論をする資格もない

 「国民への給付は遅れるがちょっと待ってほしい。医療体制の充実を先にしないとならない」と安倍首相がTVを通じて国民に訴えたら、誰もNOとは言うまい。

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