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西川貴教・高橋みなみらのメッセージに反響 ジャパネット、急転直下の啓発CM制作

●賛同タレントが無償で出演

最近、西川貴教が「手洗いうがいをとにかく徹底していきましょう」、高橋みなみが「せっかくの時間をできる範囲で楽しい時間に変えていきたい」と呼びかけるメッセージをテレビでよく見かけないだろうか。一見、「ACジャパン」のようにも思えるが、これは、通信販売大手のジャパネットたかたが制作したCMだ。

広告料を払って購入したCM枠で、新型コロナウイルス感染拡大防止を啓発する取り組みに、SNSでは「ジャパネットのCMが素晴らしい」など評価する声が相次いでいるが、どのような経緯で実現したのか。ジャパネットホールディングス広報室 室長の今井愛氏に話を聞いた――。

ジャパネットたかたのCMに出演する高橋みなみ(ジャパネットホールディングス提供)

○■タレントが自宅でスマホ撮影

同社では、6月頃から展開予定だった企業ブランディングCMの準備を進めていたが、この企画が詰めの段階に来た3月中旬、「世の中がこういう状況で、『伝える』ことを大切にしている企業として、できることがあるのではないかという話が出まして、進めていた企業ブランディングの企画をストップして、今回の“#今だから”の企画がスタートしました」(今井氏、以下同)。

このCMは、2つの軸で制作。

「1つは、少しでも気持ちが前に向くことができるメッセージ。もう1つは、今正しく何を行動すればいいのかということ。インターネットで不安を煽るような情報が出たり、テレビのニュースを見て心配になってしまったりする方がいる中で、シンプルに“今だから気付けること”と“今だからやるべきこと”という2つの軸を作って、1つのCMとして流すことにしました」。

通常キャンペーンCMは、3~4カ月の時間をかけて制作するそうだが、今回は3月17日に企画が持ち上がり、13日後の同30日に特設サイトをオープンし、4月6日にはテレビCMの放送がスタートするという実に迅速な対応。

自宅にいるタレントらに、自身のスマートフォンでの撮影を依頼する形を基本として、「この企画にご賛同いただける方に、無償でご出演いただいています」といい、快諾してくれたそうだ。

○■メッセージの内容はおまかせ

西川、高橋のほか、さだまさし、早見優、原愛梨、新羅慎二、加藤登紀子、Mr.マリック、サッカーの吉田麻也選手、V・ファーレン長崎の手倉森誠監督という面々が登場しているが、メッセージの内容は、「こちら側から『こういうことを言ってください』というのは決めず、ご本人の率直な想いをいただけるようお願いしました」とのこと。

中でも、西川が「ハッピーバースデートゥーユー」の歌をアカペラで2回歌い、手洗いでその時間をかけることを啓発するバージョンには「インパクトが強いので、『子供が一緒に見て、ちゃんと手洗いに気持ちが向くようになった』といった反響もあり、私たちが目指していた具体的なアクションにつながったことで、良かったなと思います」と手応えがあった。

西川貴教が出演する手洗い啓発CM(同)

この映像はYouTubeにもアップされ、累計再生数は50万超(4月28日現在)。

だが、「インターネット上での広がりはもちろん大事ですが、どちらかと言うとインターネットにあまりなじんでらっしゃらない方に広く伝えるためにテレビCMにこだわっている」という考えを持っているだけに、同日現在でテレビでの放送回数は200回ほどとなっている。

●何かが起きると主要メンバーが即集結

これだけのCM枠を使い、ブランド周知から純粋な社会貢献に切り替えるというのは、企業として大きな判断だ。SNSを見ていると、ジャパネットのCMだということに後から気づいた視聴者も多く見られる。

それでも実行する背景を聞くと、「世の中にどういう価値を提供できるのかを常に考えている会社です。ですので、何かが起こるといつもすぐに役員や主要メンバーが集まって、『今、自分たちがどういうアクションをしたら世の中に一番役立てるのか』ということを、短時間で意思決定しています」という企業風土があるそうだ。

これまでも、東日本大震災(11年)や熊本地震(16年)など、大きな災害が発生した際は、一部商品の売上金の全額を義援金として寄贈するなど、積極的に被災地支援を行ってきた。

売上金額の全額寄付を説明する放送(同)

ゴールデンウィークは、テレビショッピングにとって書き入れ時だというが、この取り組みは継続していく方針。

「これまでは前を向くためのメッセージをお送りしてきましたが、この状況を乗り越えていくための別の切り口の企画も展開していきたいと思っています。出演者の皆さんも、現在は当社のCMキャラクターを務めてくださった方や、過去にお取引のあった方を中心にお声がけさせていただいていますが、ここから広げていければ」

と、今後の展望を語っている。

○■商品ラインアップにも変化

長崎・佐世保の本社スタジオで行っているテレビショッピングの生放送や収録は、他のテレビ番組と同じように、一部のスタッフを在宅対応にするなど、人数を減らして実施。コールセンターも、オペレーターの座席間隔を空けるなどして規模を縮小し、ウェブサイトからの注文を推奨している。

商品ラインアップは、「自宅が快適な空間になるようなものを中心に」移行しており、外出自粛に伴う家食に対応した調理家電や鍋などがそれに当たる。一方で、「宝飾品など、今本当に必要ではないと思われる商品は、一時的に販売を中止しています」という。

また、新型コロナウイルスの感染拡大で販売先が少なくなっている、食品の生産者から直接商品を購入し、テレビショッピングなどで紹介する「生産者応援プロジェクト」を立ち上げ、本業を通じての積極的な取り組みも行っているそうだ。

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