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【新型コロナウイルス】“新生活の春”はなくなる? 9月入学に政治家や有識者の受け止めは

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国で大半の学校の休校が長引いていることを受け、入学や新学期のスタートを9月に変更するよう求める声が全国の自治体から相次いでいる。“新生活の春”という伝統も覆す大胆な動きだが、安倍晋三首相も「大きな変化がある中において、前広に様々な選択肢を検討していく」と検討する考えを示し、今後、議論が本格化しそうだ。

休校が長期化していることで地域や親の所得による学力差が広がることを懸念しての動きだが、今年から導入する難しさや、就職活動など社会全般との兼ね合いから慎重な意見も聞こえる。教育関係者や有識者らは今回の動きについてどう捉えているのか。

東大が導入模索も頓挫 海外では主流の9月入学

9月入学をめぐっては、2011年7月、当時の東京大・浜田純一総長が15年までの“9月入学全面移行”を表明。京都大や早稲田大、慶應大などと連携して協議を進めたものの、13年6月に全面導入を見送り、4学期制を取り入れた。

海外では9月入学を取り入れている国も多く、アメリカやイギリス、フランス、中国、ロシア、カナダなどが該当する。一方、韓国は3月、オーストラリア、ニュージーランドは1月末〜2月初旬となっている。

導入の長所・短所は? 企業や行政にも大きな影響

9月入学のメリット・デメリットはどうだろうか。

メリットとしては主に以下の3点が挙げられる。

・留学がしやすくなる
・コロナによる休校への均一な対応
・入試時期が冬から夏に

1点目は、海外では9月入学が主流となっている中、日本も世界標準に合わせることで、日本から海外に留学に行ったり、逆に留学生を受け入れることがスムーズになり、留学のために卒業を遅らせることなどが減るという点だ。

今回の“コロナ休校”への対応に加え、受験が夏になることで、雪での交通機関の乱れに影響されなくなることもメリットとして挙げられる。

一方、デメリットも大きい。

・企業の4月入社との整合性
・会計年度との調整は

1月からの「年」、4月からの「年度」があるように、日本社会では年度が季節の区切りとして国民に定着している。企業も4月に新入社員を受け入れるのが慣例だが、9月入学が導入されると、半年遅らせることとなる。国や自治体の会計年度も変更を余儀なくされ、行政や民間も財政支出を伴う大規模な変革が求められることになる。

旗振り役は宮城・村井知事 知事会では慎重意見も

首長はどうみているのか。今月29日にテレビ会議で行われた全国知事会会合で、東京都の小池百合子知事は「教育システム、社会システムを変えるきっかけにすべき社会変革の一つだ」などと述べ、9月入学に積極的な姿勢を示した。


他にも大阪府の吉村洋文知事は「染み付いた習慣を変えるにはこのタイミングしかない」、神奈川県の黒岩祐治知事も「アイデアとして面白い」と前向きだ。

9月入学の検討をめぐっては、宮城県の村井嘉浩知事が今月27日の会見で導入を提案し、議論が進むきっかけとなった。全国知事会でも「国にしっかり働きかけるべき」と賛同を呼びかけた。

知事全員が9月入学に意欲的なわけではない。京都府の西脇隆俊知事は「冷静な議論が必要」、愛媛県の中村時広知事は「性急な導入に反対」などと、慎重な議論を求める声が複数上がった。

与党内でも慎重さ求める声 共産は苦境の学生支援訴え

国会では、安倍晋三首相が検討に前向きな姿勢を見せているものの、一枚岩とは言えない。

AP

近畿大理事長も務める世耕弘成参院幹事長は「幼稚園から大学まで全ての学生を半年留年させるのと同じ」と釘を刺し、「コスト負担も出てくる」と指摘した。

萩生田光一文科相は、社会全体に与える影響に懸念を示しつつ、「莫大な事務作業を地方自治体もやり、『オールジャパンで子どもの学びを確保するためにこれしかない』と本当に一緒に考えてくれるなら」との前提で「一つの選択肢」と位置付けた。

与党では、公明党の北側一雄中央幹事会長が「世界を見ると9月入学が多く、そういう方向で検討していくのは私も賛成」と賛同する一方、「(今年からの導入は)ハードルが高い」と述べた。

野党では、国民民主党が9月入学を奨め、議論を具体化させている。ワーキングチーム座長の城井崇衆院議員は「学びの遅れを取り戻すため、必要な手だて」と説明。日本維新の会も吉村・大阪府知事らと足並みをそろえ、9月入学に前向きだ。立憲民主党の枝野幸男代表も「メリット・デメリットを洗い出す」と同様の姿勢だ。

一方、日本共産党は慎重な議論を求める。授業料の減免やアルバイトをできない学生への支援を重視すべきとの考えで、穀田恵二国対委員長が「(9月入学は)社会全体でどう対応するのかが問われ、慎重に考えなくてはならない」と言及した。


尾木ママ「グローバル化は役立つ」 元文科官僚は反対

“尾木ママ”の愛称で知られる教育評論家の尾木直樹氏は30日、フジテレビ系の番組で「グローバル化することはものすごく日本の教育に役立つ」と言及。日本の教育機関が4月に始まる影響で、海外の留学生が日本へ学びに訪れにくい現状を説明した。

元宮崎県知事の東国原英夫氏も同日のTBS系番組で、「メリット、デメリットがフィフティーフィフティーだ」として政治判断に委ねるべきとの考えを示した。その上で、「5月中に決断しないと、現場は大混乱する」と指摘し、「やるのであれば、今回しかない。これを逃したら10年、20年後はあり得ない」と支持する考えだ。

一方、元文科官僚で映画評論家の寺脇研氏はTwitterで「当面、高校3年生の不安に対しては彼らへの大胆な特別措置を決断すればいい。小学生に『9月入学』はほとんど関係ない。早く学校を!こそ大切だ。」と意見を表明した。

文科省で事務次官を務めた前川喜平氏も「文科省には9月入学検討資料がワンサカ残っているはずだ。廃棄してなければ。実施する場合の問題点は検討しつくしてある。早く愚かな議論をやめさせろ」と反対する考えを示している。

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