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真の失業率──2020年3月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。

3月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.5%と前月より0.1ポイントの上昇、真の失業率も2.0%と前月より0.1ポイントの上昇となった。真の失業率の上昇幅は0.023ポイントと、2012年4月(0.027ポイント)以来の上昇幅である。

3月の一般職業紹介状況(厚生労働省)によれば、足許で新規求職申込件数が増加する兆しはみられず、有効求人倍率も既に昨年末から減少傾向である。よって、真の失業率の上昇は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響よりも、それ以前からの景気の動向を反映するものといえる。新型コロナウイルス感染拡大の影響が現れるのは、まだこれからである。
なお、現推計時点において、真の失業率は引き続き基準年*1である1992年より改善していることとなる。

所定内給与と消費者物価の相関に関する2月までの結果は以下のようになる。賃金が2月大きく減少した理由は不明であるが、これを一時的なものと考えると、引き続き物価・賃金はともに上昇基調である。物価はトレンド線より高い傾向が続いており、消費停滞の継続が懸念される。

(注)本稿推計の季節調整法を、2020年1月分から変更*2した。

(真の失業率のデータ(CSV)が必要な方はこちらへ)
https://www.dropbox.com/s/5jffx3n8ab5zzbt/nbu_ts.csv?dl=0

*1:本推計において完全雇用が達成しているとみなす年。

*2:X-12-ARIMAからX-13-ARIMA-SEATSに変更し、曜日効果、異常値はAICテストにより自動検出(モデルは自動設定)とした。

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