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領土問題さえ「決められない政治」

「領土・領海」を統括する部署を内閣府に設置すべき、と衆議院予算委員会で提案したのは、「安全保障問題」を集中審議した2月17日です。

が、現在も首相の座に留まる御仁は、「検討させて頂きたい」と後ろ向きな答弁でした。行政用語で「検討」とは、即断・即決せず、棚晒(たなざら)しを意味します。「決められる政治」とは対極です。

昨年12月18日、京都で開催の日韓首脳会談で日本側、即ち首相は、竹島問題を取り上げませんでした。何故、と終了後に記者団から質問を受けるや、「役割分担している」と居直っています。その「深意」を2ヶ月後に僕が質(ただ)すと、竹島問題は外務大臣レヴェルで話し合う事象、との認識を示しました。

「韓国の国会議員が竹島訪問をしようという時だったものですから、その中止等を(前夜に外務大臣が)厳しく要求させて頂いており」、「日韓の間には困難な問題が有るけれども、全体に悪影響を及ぼさない様にお互いに努力しようという旨の発言を(首脳会談では)している」。議事録からの再録です。

国家最高指導者が「領土問題は優先順位が低い」と明言の“日沈む国”、と僕が慨嘆した所以(ゆえん)。

その腑抜け振りは民主党に留まらず自由民主党も、です。政権交代前の08年7月、米国連邦政府の地名委員会が竹島を韓国領土と記載した際、「日本政府として特別なアクションを起こす考えは無い。首相が抗議を行う意思は無い。何故、必要なのか」と当時の官房長官は発言しています。

「どの国にとっても、仮想敵国をその隣国と反目させておくのは外交の基本。欧米列強は五大国の一つとなった非白人国家日本を仮想敵国とし、隣の中国と反目させるようあらゆる努力を払った」と歴史を振り返る藤原正彦氏は、「領土問題を解決出来ない日本は、ロシア、韓国、中国と反目している」が、「三国とも日本にとって仲良くしなければならない国だ。何時迄も仲違いさせておく事は全欧米諸国の、ここ百年の基本戦略である事くらいは日中韓露とも頭に入れておいてよい」と「週刊新潮」らしからぬ?卓見を巻頭コラムで披瀝。

とまれ、日本が実効支配する尖閣諸島。逆に韓国が着々と実効支配しつつある竹島。2つは冷静・冷徹に分別し、共に日本領土・領海としての戦略を構築すべき。

が、前者は居丈高な上陸で同じ穴の狢(むじな)に陥って親日的な台湾にも困惑され、日本共産党も領有権を主張する後者には毅然たる対応も為し得ぬ「決められない政治」が続いているのです。嗚呼(ああ)。

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