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中国の海外コロナ支援のアキレス腱――「コロナの原因」アフリカ人差別

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・コロナ後を見据える中国は海外向けの医療支援を増やしており、なかでも医療が貧弱なアフリカは重要度が高い

・しかし、アフリカではこのタイミングで「中国嫌い」が加速しており、中国にとっての足かせにもなっている

・アフリカにおける反中感情は、「ウィルスが海外から持ち込まれる」と警戒する中国で、アフリカ人への差別が広がっていることによる

 「誰かのせいにしたい」風潮が世界的に高まっているが、中国ではアフリカ人が「コロナの原因」と差別されている。この人種差別はコロナ後の世界を見据えた外交を活発化させる中国にとってアキレス腱にもなり得る。

マクドナルドが「アフリカ人お断り」

 広東省広州のマクドナルドの店舗は4月14日、入り口に「アフリカ人入店お断り」の貼り紙を貼りだしたが、その写真がSNSなどで拡散した結果、謝罪に追い込まれた。

 これは氷山の一角に過ぎない。中国政府が3月半ば、「コロナのピークを過ぎた」と宣言するのと同時に「外国からコロナが持ち込まれる懸念がある」と述べたこともあり、医療体制がとりわけ貧弱なアフリカの出身者が、あたかもコロナの原因であるかのように白い目で見られているのだ。

 その結果、Twitterには住んでいた部屋をいきなりオーナーに追い出されてホームレスになったり、警官にいきなり拘束されたりするアフリカ人たちの姿が溢れている。

 また、英BBCの取材に応えたシエラレオネ出身の女性は、「ピーク越え」が宣言された後もアフリカ人にはPCR検査を義務づけられ、自分は検査結果が2回とも陰性だったにもかかわらず隔離されていると証言している。

中国・アフリカ関係の地雷

 アフリカ進出を加速させる中国は、人の交流を増やしてきた。そのため、中国には8万人ともいわれる留学生をはじめアフリカ人が数多く滞在している。

 こうした人の交流は従来、中国とアフリカの関係の強さの象徴だった。しかし、それは今や外交的な地雷にもなっている

 中国と異なりアフリカのほとんどの国では、たとえ手順に問題があっても選挙が行われ、ネット空間も中国よりは自由だ。そのため、中国でのアフリカ人差別に激高する世論に政府も反応せざるを得ない。

 実際、中国に滞在するアフリカ各国の大使は連名で中国政府に状況の改善を要求しており、アフリカの大国ナイジェリアの外務大臣は「差別は受け入れられない」と非難している。

 これに関して、中国政府は「人種差別はない」と強調している。また、ジンバブエやアルジェリアなど、とりわけ中国との関係を重視する国も「一部の問題を大げさに言うべきではない」と擁護している。

【参考記事】新型コロナで中国を警戒するアフリカ――そのなかで中国を支援する国とは

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