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医療従事者の子を「コロナいじめ」から守るにはどうするべきか

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史上初の緊急事態宣言でも、感染者数は減っていない

緊急事態が宣言されてから2週間が過ぎた。法律を根拠に私たち国民に対し、不要不急の外出を自粛するよう強く求め、人と人との接触を最低7割、極力8減らすことで、2週間後には感染者数を減少に転じさせる。これが緊急事態宣言の大きな狙いである。

東京都など7都道府県に宣言が出されたのが4月7日だった。16日には残る40道府県にも発令され、全国が“戒厳令下”に置かれた。

ちなみに2週間というのは、新型コロナウイルスの最長の潜伏期間(12.5日)から設定された健康観察期間をベースに導き出された。

この史上初の緊急事態宣言にもかかわらず、感染者数の増加は止まっていない。

立ち入り禁止のテープが巻かれた公園の遊具=2020年4月21日、東京都荒川区 - 写真=時事通信フォト

専門家会議も「絶対にあってはならないことだ」と強調

感染症対策の大原則は感染者の隔離である。政府や都道府県が求めている不要不急の外出制限も平たく言えば、人を自宅に閉じ込める隔離である。感染していようがいまいと、すべての国民が長期間にわたって自宅に閉じこもって生活することが完璧にできれば感染は必ずピークアウト、つまり感染者数が大きく下落する。しかし、外出制限が厳格に実行されると、人は過剰に反応してしまい、やがてはパニックを引き起こす。

いま大きな問題になっているのが、新型コロナウイルス感染症の患者・感染者の治療に当たる医療従事者やその家族に対する異常な偏見と差別、嫌悪である。22日に公表された政府の専門家会議の提言でも、感染者や医療従事者への偏見や差別の問題は「絶対にあってはならないことだ」と強調されている。

たとえば子供がいじめに遭うだけでなく、施設から来ることを拒否される事態まで発生している。差別と偏見、嫌悪を抱くことが異常であることに早く気付くべきだ。そして医師や看護師らが昼も夜も懸命に働いて私たちの健康と命を守ってくれていることを思い出し、彼らに深く感謝してほしい。

患者・感染者に濃厚に接触しなければ感染は成立し難い

どうして人は偏見と差別の感情を抱くのか。新型コロナウイルスに対する正しい知識を持っていないからだろう。

感染症の専門家によると、問題の新型コロナウイルスは感染力も病原性(毒性)も季節性のインフルエンザと大差はない。インフルエンザと同様、ウイルスは飛沫感染によって人から人へと伝播してく。それゆえ直接飛沫を浴びたり、テーブルの上や電車の吊革、ドアノブに付着した飛沫に触ったりすることを避ければ、感染は成立しない。飛沫とは咳やくしゃみ、会話で飛ぶ鼻水や唾液などのしぶきで、この飛沫の中に無数の新型コロナウイルスが含まれている。

ただ、麻疹(はしか)ウイルスや結核菌などのように、空気中をウイルスが漂いながら人に感染していく空気感染(飛沫核感染)はしない。感染者や患者に濃厚に接触しなければ感染は成立し難い。

ちなみに国立感染症研究所によれば、新型コロナウイルスの場合、通常、患者・感染者とマスクを付けずに1メートル以内で15分以上会話し、その2日後に感染すれば濃厚接触とみなされる。

人と人が傷付け合うような状況はウイルスよりも怖い

日本赤十字社がとても興味深い動画をネット上に流している。

「ウイルスの次にやってくるもの」というタイトルで、新型コロナウイルスへの恐怖が広がり、人と人が互いに傷付け合う状況を描き出しながら、「そのような恐怖はウイルスよりも恐ろしいかもしれない」と警鐘を鳴らす。沙鴎一歩も人と人が傷付け合うような状況はウイルスよりも怖いと思う。いま大切なのは冷静さだ。

動画はさらに「非難や差別の根っこに、自分の過剰な防衛本能があることに気付こう」と呼びかけ、対策として主に3つを挙げている。

(1)不確かな情報をうのみにせず立ち止まって考える

(2)いつものようにきちんと食べて眠る

(3)正しく知り、正しく恐れて励まし合う

沙鴎一歩はどれも大賛成である。「感染症は社会の病である」といわれる。人間には生理的に自らの身体を守ろうとする防御反応がある。目に見えない病原体で罹患(りかん)する感染症に対しては、その防御反応がより強く働く。そこを自覚してバランスよく対応することが重要である。

「コロナ過剰反応 偏見は社会不安しか生まない」

「コロナ過剰反応 偏見は社会不安しか生まない」との見出しを掲げた読売新聞の社説(4月23日付)には感心した。これまで安倍政権寄りでかなり打算的なところもあり、これが新聞社の社説だろうかと呆れることも多かったが、今回はたいへん良かった。

「目立つのが、医療従事者らに対する心ない言動だ」と指摘したうえで、具体的事例を挙げている。

「集団感染が発生した東京都台東区の永寿総合病院に勤務する女性は、娘が通う保育園から登園を自粛するよう求められた。女性はPCR検査で陰性だったが、娘の登園を控えざるを得なかった」

「医師や看護師が感染した兵庫県小野市の北播磨総合医療センターでは、人事異動で転居しようとした職員が業者に引っ越し作業を断られた。家族が勤務先から出勤停止と言われたケースもある」

「日本医師会によると、感染者が出た病院がシーツや枕カバーなどのリネン交換を業者から拒まれた事例も出ている」

どれも酷い話である。正しい知識がなく、不安からむやみに怖がる結果、こんなケースが多発するのだ。

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