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志村けんさん、『エール』の台本をボロボロになるまで読み込んだ

撮影中、志村さんがアドリブを入れることはなかったという

『エール』主演の窪田正孝

「は、はじめまして…」。緊張で顔を強ばらせた窪田正孝(31才)が、声を振り絞るように挨拶する。その先にいるのは、志村けんさん(享年70)だ。

 5月1日、NHK連続テレビ小説『エール』に志村さんが出演する。『エール』は窪田演じる作曲家・古山裕一が、歌手を夢見る妻・音(二階堂ふみ・25才)とともに、数々の名曲を生み出していく物語。冒頭は窪田と志村さん演じる大御所作曲家・小山田耕三との初対面シーンだ。

 志村さんが俳優として出演するのは、高倉健さん(享年83)主演の映画『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)以来で、テレビドラマ出演は今回が初めてだった。

「これまでドラマ出演のオファーはいくつもあったのですが、志村さんは、“コントと違って、自分の間で勝手にやれないし、シナリオ通りにセリフを言えない。人から演出されるのは、どうも苦手で”と、断り続けていたんです。ですが、70才を境に第2の芸能人生として、俳優業にも力を入れていくつもりでいました」(志村さんの知人)

 満を持してのドラマ出演。志村さんは並々ならぬ覚悟で挑んでいたという。

「昨年の12月、初めての撮影時に志村さんの台本が、ボロボロだったんです。主演の窪田さんのものより擦り切れているほどで、どれだけ台本を読み込んできたんだろうと、同席したスタッフはみな驚きました」(ドラマ関係者)

 役作りも徹底していた。志村さんが演じる小山田は、窪田演じる古山が幼い頃から憧れていた日本を代表する作曲家。古山の才能を認めながらも、徐々にそのセンスに嫉妬して活躍を邪魔していくという、距離感が難しい役どころだった。

「志村さんは窪田さんの役柄との関係性を体に叩き込んで、現場入りしていました。そのためか窪田さんとの挨拶がギクシャクしてしまい、志村さんははにかみながら“どうぞよろしくお願いします”という短い言葉だけで終わってしまった。でもそのあとスタッフに、“あまり親しくしちゃうと、本番中もそういう感じが出ちゃうから”と、申し訳なさそうに話していたそうです」(前出・ドラマ関係者)

 撮影中、志村さんが台本を開くことは一度もなく、NGカットも1回もなかったという。

 志村さんが演じる作曲家は、ストーリー上、窪田に大きな影響を与える。代役を立てた撮り直しも検討されたが、志村さんの役者魂に心を打たれたスタッフらの思いもあり、撮影分はそのまま放送され、その後はナレーションで物語をつなぐ予定だという。

 志村さんの役者姿を見逃すわけにはいかない。

※女性セブン2020年5月7・14日号

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