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博士論文の執筆で役に立ったソフトウェア

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一年以上放置になっていたブログですが、昨年末に博士号を取れたので、ゆっくり再開しようかと思います。久しぶりのエントリでは博士論文を書くときに使ったソフトウェア達を紹介します。紹介するソフトウェアには論文執筆用、文献管理用、図編集用、英語支援などです。執筆はMACで行っていましたが、論文執筆用、文献管理用のソフトウェアはWindowsやLinuxでも使えるものもあります。

論文執筆用ソフトウェア(Lyx, TeXnicle)

論文の執筆にはLatexを使う人が多いと思いますが、論文執筆用のソフトウェアはLyx(Mac/Win/Linux用、無料)を使いました。Lyxは論文PDFを生成するときには裏でLatexの処理が行われて、Latexと同じ質のPDFを得られる上、Latexフォーマットを直接編集するよりユーザーフレンドリーになっています。さらに、Lyxの編集ではLatexフォーマットを挿入することもできるので、Latexでできることは、すべてLyxでもできます。

最初に使い始めたときは、Latexを使えない初心者向けのソフトウェアかと思っていて、卒論と修論でLatexを覚えたので、必要を感じていませんでした。先に博士号をとった学校の先輩にLyxを強く進められて使い始めたのですが、なるほどLatexと比べてかなり便利なところがあります。

まず、図表が印刷したときのように表示されていたり、目次が表示できたり、参照する文献や章を簡単に検索して選ぶこともできます。編集する博士論文が複数ファイルに分かれていてもタブで複数ファイルを開くことができて、複数ファイルの行き来も簡単です。また、索引、図表、参考文献など一覧にしてくれる強力な機能もあります。生成されるLyxファイルはテキストベースのファイルなので、バージョン管理も簡単にできます。LyxでできることはLatexでもできるのですが、Latex編集に掛かる手間を省ける分、Lyxで編集した方が内容により集中できると思います。 博士論文用のテンプレートも「lyx thesis template」で検索するとたくさん出てきます。

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Lyxの編集画面

Latexで執筆しなければならない場合には、TeXnicle(MAC用、無料)というソフトウェアがいい感じです。博士が終わってからLatexの編集の必要があったときに見つけたのですが、Latex編集で面倒くさいところをいろいろ助けてくれるようになっています。常に目次を表示することもできるし、複数ファイルをタブで開き、行き来するのも楽で、複数ファイルを通じて検索することもできます。また、章の引用(\refタグ)や参考文献の引用(\citeタグ)はタイプした瞬間に空気を読んで候補を表示してくれるので、それから選択するだけですぐに入力できます。引用キーの入力ミスもなくなるのがいいです。

一年前の2011年夏から開発が始まったようですが、日々改良が進んでいるようです。

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TeXnicle編集画面

文献管理用ソフトウェア(Jabref, Papers2)

文献管理用ソフトウェアには、二つ役割があります。一つはタグやカテゴリで整理された本棚のように日々の研究で接する論文や仕様書をわかりやすく並べておく役割で、もう一つは執筆中の論文に引用する役割です。その二つの役割を過不足なく満たせるソフトウェアとしてJabref(Mac/Win/Linux、無料)を使っていました。

通常、LyxやLatexを使う場合、.bibフォーマットで記録しておくと引用が便利です。Jabrefはまさに、Bibフォーマットの編集エディタとして開発されているので、何の変換もなしでそのまま論文内の引用に利用できます。情報学分野で重要なIEEEやACMに論文が登録されていれば、論文の情報を自動でダウンロードできるので、手動で情報を編集する必要がありません。外国人の著者名を間違えて失礼になることもないですね。さらに、上記のLyxとの連携も優れていて、ショートカットキー一つで即座に引用できます。PDFをリンクすることもできるので、ワンクリックで対象のPDFを開ける本棚の役割も十分にできます。

PDFの入ったフォルダとJabrefで編集した.bibファイルをDropboxに入れて置けば、WindowsでもLinuxでも他のPCと本棚の同期ができるので便利です。

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Jabref画面

Jabrefは本棚の役割と引用の支援という二つの役割を割とよくこなせるのですが、博士が終わってからはPapers2(Mac/Win用、79ドル)という文献管理用ソフトウェアを使っています。これは、本棚の役割と新しい論文の発見が容易なためです。全文検索、ウェブからの文献取り込み、PDFから情報吸い上げなど、Jabrefにはない機能がたくさんあります。それと毎日使うものなので、デザインがきれいなのもうれしいです。そのかわり、bibフォーマット編集用のソフトウェアではないため、論文への引用する場合は、bibフォーマットの変換という一手間が増えるのが難です(wordやpagesを使う場合は文献を一発追加できる機能があります)。

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Papers2画面

文献管理用ソフトはまだまだ、たくさんありどれも一長一短があって、選ぶのが難しいのですが、30以上のソフトウェアがここで機能別に分類されています(→Comparison of reference management software - Wikipedia)。無料で高機能なソフトウェアとしては、人気上昇中のMendeleyがあるので、試してみるといいと思います。下のリンクも参考になりました。

図編集用ソフトウェア(OmniGraffle)

図編集用ソフトはOmniGraffle(Mac用、99ドル)を利用しています。プロフェッショナル用だと199ドルもするソフトウェアなのですが、研究所が契約している関係で研究員は無料で使えるので、ありがたく使わせてもらってます。どの機能も不満がなく、きれいな絵が描けるのでお気に入りです。OmniGraffleで使えるアイコンとかは、Graffletopiaでたくさん公開されているので、見てみるといいと思います。

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OmniGraffle編集画面

英語支援用ソフトウェア(CasualConc)

辞書ソフトウェアはMACで最初から付いてくるやつが便利です。その他に、ある動詞につづく前置詞にどんなパターンがあるのか知りたいときなど、英語共起表現を使うと調べられます。ウェブサービスではWebLSD英語共起表現がよく使われると思います。ただこのサイトは医学・生物系の単語が多くて、自分の専門と違う場合があります。そこで、CasualConc(Mac用、無料)を使うと、自分の持っている文献の中から、英語の前置詞パターンなどを調べられます。

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CasualConcの画面

まとめ

このエントリでは以下のソフトウェアを紹介しました。

  • 論文執筆用:
    Lyx(Mac/Win/Linux用、無料)、TeXnicle(MAC用、無料)
  • 文献管理用:
    Jabref(Mac/Win/Linux、無料)、Papers2(Mac/Win用、79ドル)
  • 図編集用:OmniGraffle(Mac用、99ドル)
  • 英語支援用:CasualConc(Mac用、無料)

これらのソフトウェアなしでは仕事ができません。開発者に感謝です。

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