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テレビ業界がテレワーク対応で大混乱! ターニングポイントは『王様のブランチ』と『ヒルナンデス!』

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新型コロナウイルスの影響で、世界中が未曾有の事態に陥っています。もちろんテレビ業界も例外ではありません。その内情はどうなっているのか?ニュース番組では報道されない細かな部分も含めて、現役放送作家がレポートします。


刻一刻と状況が変化する新型コロナウイルス問題。テレビ業界的にも1月頃までは「なんか大変らしいね」くらいの楽観ムードが漂っていましたが、連日放送されているように、今ではかつてないほどの大混乱が巻き起こっています。

目まぐるしく事情が変わってしまうため、この記事が世に出る頃にはもっと大きな混乱が生まれているかもしれませんが、今この原稿を書いている4月19時点での状況をまとめました。

収録・ロケの中止でテレビ界はどう変わった!?


ニュースなどで大きく報じられたためご存知の方も多いと思いますが、カメラに映る出演者は数人でも、収録や撮影には多くのスタッフが必要です。出演者のマネージャー、撮影中に化粧を直すメイク担当、当日の服装を用意する衣装担当、映像を撮るカメラマン、無数の業務をこなすAD、現場のトラブルに対応するプロデューサー、撮影責任者のディレクター、ロケバスの運転手…など挙げればキリがないほど。

新型コロナウイルスの感染が拡大している今の状況では、これだけの人が集まることは難しくなっています。特に大人数が集まるひな壇のトーク番組や、不特定多数の人と交流するタイプのロケ番組などは影響をモロに受けているという状況。収録や撮影が延期・中止になることは適切な判断だと思います。

そんな状況でも、テレビ業界の端くれとして感じることがあります。それは、泣き言ばかり言っているテレビマンはほとんどいないということです。

いつになったら再開できるのか不透明な状態ではありますが、「この状況でも面白いものを作ってやる!」と現場のスタッフたちは着々とアイデアを練っている最中。この熱量は本当に凄まじいものがあります。テレビをつければ新型コロナウイルス関連のニュースばかりですが、特にバラエティ番組の作り手たちは多くの人に笑って楽しんでもらえるよう、一生懸命に取り組んでいます。

テレワーク対応のターニングポイントは『王様のブランチ』と『ヒルナンデス!』

TBS「王様のブランチ」ホームページ

様々な制約がある中で、生放送の番組を先駆けに出演者がテレワーク出演することが増えました。テレビ業界の中で「こんな方法で放送するのか」と一気に認識が広まったのは『王様のブランチ』と『ヒルナンデス!』だったように思います。MCだけがスタジオにいて、それぞれ別の場所にいる出演者たちが大きなモニターにまとめて映る姿には少なからず衝撃を受けました。

この場合、スタジオには必要最低限の人数のみ。中には「出演者もスタッフも全員テレワークで、誰も1か所に集まらずに収録を行う」という、これまででは絶対考えられなかった斬新な手法にチャレンジする番組もあるそうです。

出演者がテレワークになったのは番組に出ている時だけではありません。事前の打ち合わせもビデオ会議で行われるようになりました。ただし、まだまだトラブルは多いそうです。

というのも、パソコンにあまり詳しくない芸能人の方が多く、「どうやればWi-Fiにつなぐことができるのか」「どうすれば音が綺麗に出せるのか」など、コミュニケーションが上手くいかないことも少なくありません。

スマホやパソコンを触ることがメインの仕事ではないため当然ですが、テレワーク先にスタッフを配置すべきかどうかなど、まだ混乱が続いているような状況です。

そんな中で驚いたニュースがありました。あの田原総一朗さんもZoomやSkypeで打ち合わせするようになったそうです。好奇心旺盛な田原さんはストレスなくコミュニケーションを取っているらしく、86歳になった今でもその対応力には感服するばかりです。

テレビの総集編と再放送はこれだけ違う

テレワーク出演を増やすとはいえ、収録や撮影ができなくなるということは、放送するものがなくなることを意味します。かといって何も放送しないわけにはいかないため、総集編や再放送が増えることは間違いありません。実際、長期戦になることを見据えて、かなり先まで再放送を決断した番組もあるそうです。

ちなみに総集編と再放送は似ているようで、少し事情が異なります。総集編は「これまでの放送を、あるテーマでまとめたもの」のため新たな作業が発生します。一方再放送は「昔放送したものをそのまま流す」ため、基本的に新しい作業はありません。

CMを出稿している企業は原則として「新しく制作された放送」に対してお金を払っているため、総集編・再放送が続くと、番組の制作費は激減します。スタッフの給料にも影響が及ぶでしょう。面白いものを作りたいと情熱を燃やす一方で、将来の不安が少しずつ広がっていることも事実です。

また、新しく始まる予定だったドラマや番組などが撮影できなくなり、放送枠そのものが空いてしまった場合、過去の人気ドラマを流して対応することが多くなっています。しばらくこの傾向は続くと思われますが、東京五輪の延期により、この夏に五輪特番を生中継する予定だった放送枠がガバッと空いてしまったそうです。説明してきたように収録や撮影が難しい状態で、各局がどんな番組で空いた枠を埋めていくのかが注目されます。

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