
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が叫ばれるなか、男女間の恋愛にも変化が起きている。インターネットを通したテレビ通話などで恋愛を楽しめる「オンラインデート」機能を、国内のマッチングアプリ経営企業が次々と導入。実際に会わなくても、恋人に巡り会えるオンラインラブが浸透しそうだ。
「スキンシップが取れない」「実際のデートよりも気軽だった」
500万人以上が登録するマッチングアプリ「タップル誕生」を運営する株式会社マッチングエージェント(東京都)は1日から、外出しづらいユーザーのための「オンラインデート」推奨プランを公開した。
同社によると、公開から1週間で利用者全体の約3割がオンラインデートに移行。同期間内にオンラインデートを通じてマッチングに至ったカップル数は1万件を超えたという。担当者は「想像以上」と口にする。
同社が推奨プラン公開前に行ったサービス利用者男女約1,000人に対する意識調査ではオンラインデートに関して「恋愛に発展しづらそう(36.9%)」、「難しそうだと思う(29.0%)」、「スキンシップが取れないのでデート向きではないと思う(20.5%)」といったネガティブな印象が上位に。オンラインデートへの抵抗感を持つ人が多いことがうかがえた。


五感から得られる情報少ないオンラインデート 各社は機能を工夫
初対面の人同士がオンラインでも親しくなれるような工夫をこらしている企業もある。
アメリカ発のレストランデートをマッチングするアプリ「Dine」を運営する株式会社Mrk & Co(東京都)は15日、レストランの料理注文の代わりに参加者ふたりへの「質問」を提供する「オンラインレストラン」という機能を開始した。
利用者は気になる相手とマッチングした後、オンラインレストランを予約。予約すると仮想のレストランに「入店」することができ、ビデオチャット機能がONになるという。
通常のオンラインデートと一味違うのはコース料理形式で「ふたりへの質問」が10個、利用者に提供されることだ。出身地や好きな食べ物などの基本的な質問から、相手の内面を知るための質問など幅広く設計されているという。実際のレストランデートと同様に、ドタキャンなどをするとキャンセル料を支払わなければならない「キャンセルポリシー」も設定されている。

1ヶ月でコロナが収束するならオンラインデートは不必要 中・長期的な展望で導入
上條さんは機能導入について「3月あたりからアイデアを温めており、3月25日の小池百合子都知事の会見を機に、開発の意思決定を行った」と振り返る。オンラインデートの今後については「新型コロナウイルスをとりまく環境が5月中に収束するというなら、デート文化というのは変わるとは思えない」と指摘。「僕は中・長期化する可能性が高いとみています。そうなると、オフラインのデートでは会えないという状況が当たり前になってきます。リリースしたときは賛否両論が寄せられましたが、長期化すると『オンラインデートは必要』という声が社会全体で高まってくるはずです」
「今後ますますオンラインデートのニーズは高まる」と予想する上條さん。「そうなったときに良いデート環境を提供できるように、僕たちはいまから改善を続けていきます」と力を込めた。