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「官僚の悪知恵を詰め込んだ特措法」「なぜ西村担当相を連れてきたのか」橋下氏と舛添氏が政府の新型コロナウイルス対策を斬る


収まる気配を見せない新型コロナウイルス。18日のABEMA『NewsBAR橋下』では、新型インフルエンザが流行した2009年当時に大阪府知事だった橋下徹氏と、厚生労働大臣として陣頭指揮を執った舛添要一氏が当時を振り返りながら、緊急事態宣言、国と地方自治体の問題について議論した。
 

■舛添氏「みんな11年前のことを忘れている」


橋下:あの時、舛添さんは厚生労働省の中で大変だったと思うが、番組で共演していたという関係もあり、力を借りた。FAXを1枚流してもらって、大阪の一斉休校に踏み切った。あの時は非常に効果があったと思う。

舛添:みんな11年前のことを忘れているが あの時も最初は大変な騒ぎだった。関西から始まって、何人死ぬかわからない状況だった。今回も休業要請をする業種でもめたが、法律もちゃんとできてない中では、どうしても国と地方での対立が生まれる。両者がきちんと議論し、誰がリーダーシップを取るかが大事だ。

橋下:分母にあたる感染者数が増えるに従って致死率は下がっていったが、当初は“致死率40%”とか言われて、本当にびっくりした。飛行機が到着するごとに防護服をまとった人たちが中に入っていった。

舛添:今日が10人だとしたら、翌日には100人、3日後には300人という増え方で、どこまでいくかわからない緊迫感があった。5月の連休も近かったので、イベントは全部中止にした。

橋下:一度抑え込んだ後、季節性のインフルエンザと変わらないことが分かったので、もう経済活動を始めてもいいだろうと判断し、一斉休校も解除した。そうしたら7月くらいにまたグンと感染者数が増えた。ただ、タミフルなどの薬もあって収まった。今回はまだ薬が開発されていないので、来月6日以降に経済活動を開始すると、また感染者数は増えると思う。
 

■橋下氏「官僚の悪知恵を詰め込んだ、ひどい法体系」


舛添:中国の武漢では8日、2ヶ月半ぶりに都市封鎖を解除して、これみよがしに「武漢すごいぞ」と見せつけているが、第2波、第3波がくるつもりで、ものすごい水際対策を強化してもいる。中国全体が“ヨーロッパ・アメリカ経由でもっと強くなったウイルスが来るぞ”と備えている。我々も気を緩めてはいけない。

武漢の医者と電話で話をすると、初動が遅れたことは認めつつも、一旦やりだしたら徹底的にやるのが、さすが独裁国家。おまわりさんが店に入って麻雀卓を叩き壊す。だから抑えられた。日本の場合、総理はどこまでいっても“要請”。

橋下:中国・黒竜江省では、ウイルスを故意に拡散させるのは国家転覆の罪に等しいということで、最高刑である死刑を適用するといっている。そんなやり方は日本ではできないから、一人ひとりの国民の良識に頼るしか無い。

それにしても日本の政治・行政は手足を縛られすぎていると思う。敗戦国になり、憲法9条ができて、政治権力は動かない方がいい、大人しくしておいた方がいい、ということでがんじがらめにしてやってきたものだから、いざというときに動けない。今回、そのことを痛感した。もうちょっと日本の政治・行政を信頼してあげないと。

舛添:誤解を恐れずにあえて申し上げると、今回はウイルスとの戦争だということなので、“戦争処置”をやっている国は強い。しょっちゅうどこかで戦争しているアメリカは戦時の法律があって、大統領権限で国内の資源の生産・供給・販売を動かすことができる。フランスも“人権の国”だといわれているが、大統領命令で、散歩したら罰金を取る。ナチスが攻めてきたり、アフリカの植民地でも戦争をやったりしてきたからだ。その意味では日本人というのは平和ボケしていて、戦時体制ができない。

橋下:とにかく権力を縛るんだ、縛ることが立憲主義なんだと一部の党が言っていたが、有事のときには政治・行政が動かないといけない、これではまずいということに皆が気付き始めた。日本の法律というのは責任を曖昧にしすぎている。今回の特別措置法も、見れば見るほど政府の責任を免れようとしている。

権限と責任を分散させ、政府がやるのかと思ったら、都道府県知事に任せている。休業とか自粛ということも命令・強制はしない代わりに補償もしない。都道府県知事に任せておきながら、いざというときには国が口を挟む。だけどお金の責任は持たない。とにかくひどい法体系。官僚の悪知恵を詰め込んで、責任を負わないような法律を作って、機能してない。
 

■舛添氏「どうして西村大臣を連れてきたのだろうか」


舛添:どうしてもここで言っておきたいのは、なぜ西村康稔経済再生担当大臣を連れてきたのだろうか。加藤勝信厚生労働大臣は何をやっているんだということだ。特措法の改正をやるのに、法律が分かって国会答弁がうまいから西村を連れて来いということだったが、私は反対だった。加藤厚労大臣も忙しいから、西村大臣と2人でやる方が楽なのかもしれないし、休業補償は経済だからということかもしれないが、感染症対策は厚労省に権限を集中させないといけない。

2009年の時も大阪の教育委員会は「橋下府知事の指示を聞くな」、みたいな状況だった。そこで葵の紋の入った印籠を厚労大臣がもらって、「これが目に入らぬか」とFAX1枚を送った。橋下さんとは意見が違うかもしれないが、厚労大臣にもう少し頑張ってもらって権限を集中した方がうまくいくのではないかと思っている。

橋下:感染症は厚生労働省。その通りだと思う。しかし明日の飯をどうするか、という問題もある。感染症の問題だけを追求していけば、結局は人を家に閉じ込めておくというのが一番簡単なやり方だ。それと経済のバランスを取るのが政治家の難しいところだ。

検査のやり方について厚生労働省の対応が遅かったと思うのは、3月までは検査で陽性が出れば全員、無症状者・軽症者でも専門病院に入院させるという方針でやってきた。そして、どんどん検査をやって、陽性者が出たら病院が満杯になってあふれかえってしまい、重症者を救えなくなって死亡者が多くなるということで件数を絞ってきた。

今、それをやった現場の保健所長が責められている。国の大きな方針として、無症状・軽症者の人は入院させない。自宅だと広がっていくから別の施設、ホテルなどの施設に入れていくということをもっと早い段階で打ち出しておけば、もうちょっと現場でも検査ができたと思う。

舛添:新型インフルエンザの時には神戸大の岩田健太郎さんが調べてくれて、タミフルが効くので、軽症者は早く家に戻さないと医者が死ぬ、ということでやってうまくいった。そういう経験も生かしてほしい。

今回の新型コロナウイルスについては、治療薬ができたら一発で終わるが、それを待たないといけないし、ワクチンもしばらくはできないといわれている。ヨーロッパが収束気味、アメリカもほぼピークだが、これからアフリカ、中南米となってくると思う。オリンピック開催は東京だけが良くなっていても駄目だ。来年夏の開催はあまり楽観的ではない。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

▶映像:橋下氏が舛添氏を迎えてコロナ対策を斬る!

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