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コロナ禍と民主主義と安倍政権

 新型コロナウイルス感染症の拡大は、未だとどまるところを知らず、一部では医療崩壊の危機が叫ばれ、経済活動の極端な制約や国内外の人的交流の遮断により、急激な景気後退が避けられない状況である。このままでは企業の存続はおろか、安定した市民生活すら危ぶまれている。

 世界各国では緊急事態宣言が発せられ、人の移動を強制的に制限するロックダウンをはじめ、私権の制限を伴った措置がとられている。民主主義を一旦停止するに等しい措置だが、これが感染拡大をうまく抑え込んでいるかどうかは、もう少し経過を見なければ分からない。

 なぜ日本でこのような強制的手段が取れないか、やきもきする向きもあるだろうが、やはり根底には憲法のありように起因する。個人の権利を最大限擁護するという建てつけの現行憲法には、緊急事態という概念がなかなか入り込めない。

 緊急事態における強制力や私権制限を発動するには、憲法を改正しなければならないが、この時期に乗じて拙速に議論を進めることは絶対にしてはならない。

 日本は今、民主主義をきちんと機能させつつコロナを抑え込もうという、ぎりぎりの闘いを展開していると言っても良い。当然、時間のかかる闘いになるだろうし、どんなに頑張っても政府は、国民から”too little, too late”との批判を受けることは避けられまい。

 しかし民主主義のもとの政府は、それに耐えて着実に政策を進めなければならぬ宿命にある。

 こうした中、安倍政権は自らが持つ弱点により、より厳しい批判に晒されている。これまでは一強多弱とか官邸主導と呼ばれる政治的優位さにより、迅速で思い切った政策を遂行が出来たのだが、今はそれが裏目に出ているのではないか。

 例えば、当初盛り込まれた所得の減った個人への生活支援臨時給付金30万円は、給付要件が極めて複雑だった。役所の文章に慣れている我々でさえ、何度読んでも頭に入らなかった。所得制限なしで一人一律10万円という公明党案の方が明らかに分かりやすいし、国民に受けるだろう。

 閣議決定後の補正予算の組み替えは前代未聞だがやむを得ない。その補正予算の審議時間を各院2日間でセットしたのに、官邸に近い筋がを1日に短縮しようとして、与野党双方から反発を食らった。全世帯にマスク2枚配布する政策は、やらないよりはマシだが、もっと効果的な配分方法があるのではないか。

 星野源のコラボ動画に、「ステイホーム」を訴えるため、総理自身が寛ぐ映像を投稿したが、逆効果で炎上してしまったこと、などである。

 これらの出来事は市民感覚から離れてしまった、あるいは市民生活の生の情報が集まりにくくなった、官邸の拙速な考えや判断ミスによるものだろうか。

 しかし今は国難の時期、コロナこそが本当の敵であり、政府を批判するだけで事態が良くなるわけでもない。課題を抱えた政府をどうやって良い方向に向かわせ、国民の心に響く政策を打ち出せるかが、我々与党議員の役割であり、今はスクラムを組むべき時である。

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