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主張/概算要求基準/国民裏切りの再生戦略を発動

 野田佳彦内閣が2013年度予算に対する各省庁の概算要求の基準を決めました。7月末に閣議決定した「日本再生戦略」の関連分野に重点配分するとしています。

 人件費など「義務的経費」と軍事費などを除く政策的経費を12年度予算と比べて1割削減し、削減額の最大4倍までの「重点要求」を再生戦略関係で認めます。

むだ遣いを公然化して

 再生戦略は消費税を倍増する巨額の国民負担増の実行を前提に、従来型の大型公共事業の推進を掲げ、いっそうの大企業減税の検討を盛り込んでいます。他方で社会保障予算を聖域とせずに見直すと明記しました。総選挙で民主党が「やらない」と公約した消費税増税を財源にして、民主党が口を極めて批判した自民党政治を全面的に復活させる背信の戦略です。

 この再生戦略を最初に発動する予算が秋に予定している補正予算であり、本格的な編成作業が始まった来年度予算です。

 すでに今年度予算で民主党政権は凍結していた大型事業予算を軒並み復活させています。民主党が自民、公明両党と談合して強行した消費税増税法には、増税で生まれる財源を公共事業につぎ込む条項をもぐりこませました。

 国民から見れば、「コンクリートから人へ」と訴えた民主党がいつの間にか「人からコンクリートへ」の自民党政治に逆戻りしたようなものです。再生戦略で民主党政権は大型公共事業の問題でも国民への裏切りを公然化し、大手を振って大規模プロジェクトを推進しようとしています。

 概算要求基準は軍事費について、人件費や後年度負担を除いた経費の3%削減を掲げています。しかし今年の予算で見ると約4・8兆円の軍事費のうち対象経費は約6千億円にすぎず、その削減額はわずか180億円程度となります。軍事費も削減額以上の「重点要求」ができるとしており、それを含めれば今年度より増額予算になる可能性があります。軍事費は完全に聖域扱いです。

 社会保障では高齢化に伴う自然増の要求を認めるとしています。ところが、これは物価下落を口実にした年金削減などを前提とした話です。概算要求基準は生活保護の削減を盛り込みました。社会保障は自公政権時代を含めて過去最低の伸びに抑えた今年度に続く抑制路線です。

 高齢世帯には今年に入って、後期高齢者医療制度と介護保険の保険料が引き上げられ、6月に続いて2回目の年金削減が12月に予定されています。子育て世帯も子ども手当の減額、医療保険料の引き上げ、住民税の年少扶養控除の廃止に加えて、10月には年金保険料も引き上げられます。

社会保障抑制の転換を

 自公政治の抑制路線で広がった社会保障の傷口をふさぐと公約した民主党政権が、その傷口を引き裂くように社会保障を削減しています。これ以上の社会保障の切り捨ては絶対に許せません。社会保障の抑制から再生・充実の道に転換することこそ国民の願いです。

 むだ遣いを拡大する一方で、社会保障の切り捨てや消費税増税で国民に痛みを強いるのは本末転倒です。浪費的な大型公共事業や米軍「思いやり予算」などむだ遣いを一掃し、大企業と富裕層へのゆきすぎた減税をやめて必要な財源を生み出すことが求められます。

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