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「”見えない忍者”と闘うために検査急増を!」ノーベル賞・本庶佑氏が示したコロナとの戦争論

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(本庶佑氏)

「大変、すばらしいアイデアでありますし、ご承知のように韓国では(PCR検査のための)ドライブスルーが実施されている。

一番のリスクは採取する医療関係者が感染するリスクが高いですから、

その負担をなるべく減らして、(感染すれば)そこから医療崩壊につながる危険性がありますから、

(医療関係者のリスクを減らして)数を増やすという体制を早急に増やしてほしいと思います」

 番組ではボードに本庶氏の主張をまとめて羽鳥キャスターが解説した。

 (羽鳥キャスター)

「本庶先生によりますと、パンデミック=世界的流行は困難な戦争であると、

そして今や国の内外が戦場になっているといことなんですね。

この戦争に勝つためには敵がどこにどのくらいいるのかを知ること。

つまり先ほどのお話にありましたPCR検査を急増させることが必要である。

戦争というのは非常に長い戦いになる。

長期戦になる。

だが、持久戦では勝てない

先手必勝なのだ。

本庶先生、こういうことですね?」

(本庶佑氏)

「その通りです。

つまり、ずっと、いわゆる感染防護だけの疫学的な対策では限界があります。

私はやはり長期的にじゃあ、いったいどうなったら終息するのかと、

そういうことを見据えて、その先にじゃあ、我々の経済、世界の状況はどうなるのか、その出口に向けて我々は手を打っていかなければいけない。

その第一歩がやはり治療というものをきちんとできるようにすること。

それが第一歩だと思います」

本庶氏の緊急提言(2)東京圏、大阪圏、名古屋圏にの1か月の完全外出自粛により満員電車での通勤をやめる

 番組では東京の主要な駅での人の流れが感染拡大前に比べて減少したというデータを示した。

 東京73.0%減

 新橋73.4%減

 新宿70.2%減

 品川71.2%減

 六本木64.1%減

 他方で、緊急事態宣言前に比べて、品川区の戸越銀座では平日4.9%増、土日5.2%増と、駅では減っていても自宅近くの商店街は増えていることを物語っていた。

 こうした事態に本庶氏の提言をまとめると、

敵は目に見えない忍者のようなもの

戦いの中心地は日本の主要都市(東京、大阪、名古屋)

戦い方 敵をこの中に包囲して動きを封じることで勝利可能である

最も注意すべき場所  「満員電車」が一番危険 

(本庶佑氏)

「いま少し人の出が減っていると言われてますが、私はやはり濃密接触、密閉空間、特に寒かった頃は非常に大きな問題だと感じておりました」

(羽鳥キャスター)

「この完全外出自粛というのはどういう意味でしょうか?」

(本庶氏)

「理想的には完全外出自粛ですね。

できるだけ、ということですが、

『自粛』と『完全』というのは自己矛盾性がありますが、

しかし、できる限りやると、

日本の法律上はいわゆるロックダウン(都市封鎖)はできないとうことはよく理解していますけど、

それにしてもできるだけやると。

これはみなさん、おっしゃっていることで目新しいことではありません」

(本庶氏)

「医療機関、医療従事者というのが一番の高いリスクを負ってる。

たとえば小さな民間病院に感染者を収容して、そこで万一、院内感染などがあったら、

1か月、2か月の閉鎖を余儀なくされると、

病院は経営破綻するんです。

これは病院側が(新型コロナ感染者などの)受け入れに非常に慎重になっているというのは十分に理解ができる。

医療機関というのは保育園ほとんどが大企業ではないんですね。

そういうことも考えて慎重に我々は対応しなくてはいけないと思うんですよ」

 さらに羽鳥キャスターは本庶氏の提言をボードで次のようにまとめる。

 経済の影響を考えた場合、

 一つ目の選択肢は、マイナス30%の経済を3か月以上続ける→それでも結果としてコロナが蔓延して死者が多数出る。

 二つ目の選択肢は、マイナス90%の経済を1か月だけ続ける→コロナは制圧される。

 「きびしい規制で早期終息が最良の策」だと本庶氏は提言する。

 週末に限らず平日も1か月程度外出しないことが大事だというのが本庶氏の提言内容だ。

(本庶佑氏)

「結局、長期にわたりますと、さきほど病院の例を申し上げたように、

いろいろな産業が不可逆的なダメージを受ける可能性があります。

政府の支援金等々でも、もうつぶれてしまったら、役に立たないという状況になります。

ですから、これはやはり、できるだけ早く、ある程度のメドをつけて、

そして次への展望をみなさんが感じると。

そういう状況にすることが大切だと思います」

本庶氏の緊急提言(3)治療法としいぇ外国で有効性が示されているものを実地導入する(アビガン、アクテムラなど)。野戦病院での戦いであることを自覚するべきだ

 さらに国は緊急研究費を投入し全国の研究者が一丸となって病態解明と治療薬開発の研究を至急開始すべきだとする。

(本庶佑氏)

「まず亡くなる方の数をできるだけ減らす。

重症期に有効性があると言われているのがアクテムラなんです。

これは免疫の非常に変な性質がこのウイルス感染ではあるので

その死亡を減らせるという報告がちらほらあります。

ですから、これはもちろん保険適用ではないんですけど、

どんどん日本の病院では入れていくと。

現状をなんとか改善する。

それからもう一つはこのコロナはいったん終息してもまた出てきます。

少し手を変え、品を変えて、敵もさるものですから。

我々は常に研究というものをやっていかないと次のときにまた同じことを繰り返すことになる。

それを繰り返さないためには

国はいま何が起きているのはまったく分からないなかで

手探りで治療薬をやったりしているんですが、

私から一つ言うと、ワクチンというのは非常に困難です。

というのは、この手のウイルスというのは、

エイズウイルスとかインフルエンザとかワクチンはほとんど効いてないんですね。

ワクチンというのを打っていますけど。

あまり効いたという感触はない。

ですから、これは難しいし時間がかかります。

しかし、根本原因。なぜこのコロナウイルスはこんなに死亡率を上げてしまうのか。

これはやっぱり解明していく。

そういう基礎研究から病態まで一貫した研究に国が少し大きなお金を投じて

次に来る再来に備えていかなければならない」

 医学に限らず、日本ではすぐに成果につながりにくい基礎的な研究が軽視されがちで、そうした研究に対する国の予算や助成金が少ないとされている。

基礎的な研究にもっと予算を投入すべき

 本庶氏などのノーベル賞の受賞者が出たニュースのたびそれぞれの受賞者たちが口にしてきた日本の課題だ。

 日本中の人たちが経済活動もままならず、国家として危機的な状況にあるいまこそ、「基礎研究」の大切さを口にしたのは、本庶氏の経験に裏打ちされた見識というものだろう。

 本庶氏はそうしたことも含めて、日本における医学研究や遅々として進まない新型コロナ対策に医学の研究者として業を煮やした末のテレビ出演だったのかもしれない。

 結果として、前日に記者会見した厚労省クラスター対策班の西浦博・北大教授や「モーニングショー」で危機を訴え続けている羽鳥慎一、玉川徹らや岡田晴恵・白鴎大学らが抱いている危機意識を共有する形で緊急提言を行った。

 こうした第一線の研究者たちまで黙っていられないとして、テレビなどに登場して提言する現在の日本。

 それだけ事態が深刻なのだという自覚を私たちは持つべきだろう。

”見えない忍者”との戦争では先手必勝

 肝に銘じておきたい。

※Yahoo!ニュースからの転載

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