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平成24年8月17日

[求む、毅然とした姿勢]



 ロンドン五輪は熱気のもと閉幕しましたが、終盤の男子サッカー日韓三位決定戦は、李明博大統領の竹島訪問や選手のプラカード掲示問題などが絡み、大変後味の悪いものとなってしまいました。

 李大統領はこの後天皇陛下の韓国訪問に関し「訪問したければ独立運動で亡くなられた方々を訪れ心から謝罪していただきたい」と発言するなど、最近の言動は常軌を逸しているとしか言いようがありません。
 竹島は領土紛争がある中でこれまで一度も韓国の首脳が訪れたことはありませんし、天皇陛下の訪問についてもそもそも平成20年に李大統領が訪日した際、大統領から両陛下に直接要請したものであって、無礼であることこのうえありません。

 確かに五輪日韓戦は注目のイベントですし、大統領選を控え、再選がないとはいえ権力移行時に大統領の収監等が日常茶飯事の韓国で、かつ不景気やスキャンダルで求心力が低下している李大統領にとっては、ここでナショナリズムを煽る動機があるのでしょう。しかし今回の一連の行動はあまりにひどすぎます。

 ちなみにプラカードを掲げた選手については五輪憲章違反の調査が実施され、メダル授与が留保されているとのことですが、動画サイトを見たり、その前後の経緯を見ると、本当に他の韓国選手やKFA(韓国サッカー協会)が無関係なのか疑問を持ってしまいます。

 加えて、韓流スターの竹島遠泳など、これに輪をかけた動きが広がっていることも気がかりです。

 これに対しわが国の対応は相変わらず口だけの抗議。これを見越して韓国側が対応をエスカレートさせているのが全く分かっていません。そもそも民主党政権の朝鮮儀軌返還に端を発した太陽外交は全く逆効果に終わっているのが現実です。

 昨日急きょ実施された自民党の外交・領土特命委員会ではこの問題につき、国会での非難決議はもちろん、日韓通貨スワップ協定の延長拒否(ないし破棄)や韓国債売却などの経済対抗措置も検討すべきだとの声も出ました。スワップ協定破棄については私がその場で出席した財務省担当課長に確認したところ、「諸情勢に鑑み慎重に検討する」との答えでした。また、ICJ(国際司法裁判所)への領土問題の提訴を真剣に検討するとともに、相手方に提訴拒絶ができないITLOS(国際海洋法裁判所)での手続も検討して欲しいと要望しました。前者については日本が単独提訴した場合、韓国側にこれを拒否する説明責任が生じ、その過程で国際世論にアピールすることができます。また後者では海洋資源問題などの専決事項として領海紛争が判断される可能性があります。

 今後の日本への入国許可について、竹島上陸をいかなる立場で行ったかを考慮することも検討に値するかもしれません。

 ナショナリズムの行き過ぎにはお互い警戒しなければいけないと思いますが当方としても毅然とした対応が求められます。また党の部会で発言したのですが、これが日韓の文化交流にまで波及することは避けられないのでしょう。

 そしてお盆の只中、香港の活動家たちが尖閣諸島に上陸したというニュースも飛び込んできました。

 日本は彼らを逮捕のうえ強制送還する措置を決めたとのことですが、大いに疑問があります。この問題も昨日の自民党領土特命委員会で取り上げました。

 まず、海上保安庁の巡視船が多数警戒に当たっていたにもかかわらずなぜやすやすと彼らの上陸を許してしまったのでしょう?そして彼らの船には香港側の報道カメラクルーが乗り込み、活動を逐次録画していたとのことですが、日本の海上保安庁の録画はなぜ公開されないのでしょう?

 今回は2年前の中国漁船衝突のように、「入管法違反」に加えて「公務執行妨害」という罪名を付けると後が厄介だから、日本が香港側に配慮したと勘繰られても仕方ありません。
 入管法65条は、被疑者が不法入国以外の罪を犯していない場合、司法警察員は送検をすることなく入国警備官に引き渡し、強制送還のルートに乗せることができるとされています。あの漁船衝突の時に被疑者を刑事手続のため送検して拘束したことが様々な問題を招いたことから、意識的に先方の妨害行為を避けようと政治的な力が働いたということはないのでしょうか?活動家たちはレンガを巡視船に対して投げつけていたと昨日の党の部会で国交省は認めているのです!

 結局あの2年前の腰砕けの釈放が、「日本はこれ以上強硬な手段を取れない」というメッセージを与えてしまい、それが今回の事件を招くとともに、中国側が日本に「早期釈放」を求め、日本がそれに応じるという形を取ってしまうことになるのです。中国側はこれを自国の外交的勝利・日本の外交的敗北と宣伝するでしょう。

 野田総理はこれらの重要問題のさなか夏休み。関係各大臣も靖国神社には参拝しても登庁することはなく、危機感を欠いています。ようやく総理は尖閣問題で「法律に基づき毅然とした処分を」とコメントしましたが、それと活動家たちの釈放という結論に生じたギャップに対する違和感は拭えません。
 もはや国益を損なうこの政権が立ち行かないことは明らかです。速やかにこれらについて国会での集中審議を行い、今後の対策を立て直す材料にするとともに、政権の再交代を求めて参ります。

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