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COVID-19各国の死亡者の推移を比較する(局面は変化してきた)

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スエーデンは、国民に手洗いやSocial Distancingなどの感染予防対策を呼び掛けるだけで、学校休校や休業要請や外出制限などを行っていません。国民は概ね前と変わらない生活を続けています。国の対策は、検査をできるだけたくさんやって、感染確認者を隔離・入院させることです。そのため感染確認者を受け入れる隔離・医療体制の強化に集中しています。2週目の半ばに、死亡者増加率が「3日で倍増ライン」を下回り、3週目に入る前に死亡者増加率がほぼ落ち着き始めたように見えます。スエーデンの人口は日本の10分の1以下の約10百万人なので、累計約900人の死亡者は日本の現状の100倍程度に相当しますが、感染症専門家と政府に対する国民の信頼は厚いと報道されています。スエーデンは上手くいっていると評価するのは現段階ではまだ難しいと思います。

韓国は、大邱で集団感染が発生したため、1週目の死亡者増加率は「7日で倍増ライン」を上回っていましたが、外出や営業の制限を行うことなく緩やかに沈静化していて、6週目に入ろうとしている現在は「14日で倍増ライン」に近づきつつあります。当初から検査を多く実施したことや、感染確認者の接触者を位置情報データで探し出していることが西欧諸国から注目されてきました。

最後に、日本は、概ね「14日で倍増ライン」に沿って推移してきていて、ここに挙げた国々とは全く違う低い水準で安定した推移を続けてきました。これは「クラスター対策」による初期対応が功を奏したと考えられ、高く評価されるべきですが、感染爆発してしまった西欧諸国では参考例としてはほとんど注目されていません。

ところが、日本でも、3週目を超えたころから、感染ルートが不明な発症者が増えてきて「クラスター対策」では追いきれなくなってきました。院内感染も多発し始めました。つまり、これまでの対策では対応しきれなくなってきたので、西欧諸国のいわゆる「ロックダウン」に準ずる『緊急事態宣言』を行って「外出や営業の自粛」を要請し始めました。

現状の感染(正確には死亡者数)レベルは西欧諸国に比べるときわめて低い状況にありますが、コントロールできない感染が拡大すると「医療体制の崩壊」が起こりかねないといわれています。万が一にもそうなるとこの感染症以外の病気の犠牲者も増えてしまいかねません。つまり、日本には検査・隔離・医療体制に著しい脆弱性問題があるということです。国民が「外出や営業の自粛」という大きな犠牲に耐えて感染拡大を防いでいる4週間の間に、その課題に集中して一刻も早く強化する対策が行われることが最も必要です。ドイツやスエーデンのように検査・隔離・医療の一貫した体制が強化できれば、スエーデンのように経済活動を再開することができます。

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