- 2012年08月17日 08:00
”値段の無いラーメン屋”の正体は!?
おはようございます。
先日「値段のないラーメン屋」の話を書いたのを覚えているでしょうか?
知らない!という方は、ぜひぜひ過去記事【あなたが払いたい金額を払ってください!は成立する?】をご覧ください。
汐留にある「値段のないラーメン屋」。
食べたあとに自分の払いたい金額だけを払うという期間限定のものだったのですが、2週間で訪れた客の総数は2074人で、平均の価格は545円という結果に。
そんな「値段のないラーメン屋」ですが、驚きの「正体」が新橋経済新聞にて発表されていました。
「汐博2012」会場(港区東新橋1)で営業していた無料ラーメン店「値段のないラーメン屋」が8月8日、その「正体」を明かし、正式に試食を提供する「袋麺、はじめました。」にリニューアルした。
店舗は日清食品の運営で、提供していたのは8月27日に発売する同社の新商品「ラ王 しょうゆ」。
新商品は「まるで、生めん。」というキャッチコピーの新開発ノンフライ麺を使っているのが特徴という。「値段のないラーメン屋」は商品面を明かさないことで口コミを拡散することと、試食者の反響を見るための両面から実施された模様。
・・・なんと!
このラーメン屋、実は日清の新商品のためのプロモーションだったのですね。
実際に来店された方にとっては「やられた!」という感じなのかも。(笑)
確かに、 インスタントのラーメンに545円は払いすぎな感じ。
「お値段以上の価値がある」とお客さんに思わせた日清の勝ちですが、そういえばマクドナルドでも、以前こういった「正体を隠す」プロモーションをしていましたよね。
”海外で話題のバーガーブランド” と架空の日本上陸宣言をし、多くのハンバーガーファンを賑わせたクオーターパウンダーのプロモーション。
結局、実はマクドナルドの新商品でした!という種明かしは、今回のラーメンと同じく「やられたー!」と思わせていたはずです。
眠っているブランドを「起こさない」努力
私の尊敬しているセオドア・レビット教授は
ブランドを「約束」と自著で説明していましたが、「ここまでしてくれるに違いない」というお客様の期待や安心をその名前だけで約束してくれるものがブランド。
ですが、ブランディングの罠やブランド構築のポイントについてまとめたこちらの一冊に興味深いヒントがありました。
ブランディング22の法則/東急エージェンシー出版部
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それが、22の法則のうちのひとつである「ライン延長の法則」。
”低脂肪”というキーワードが流行になったとき、ナビスコは「スナックウェルズ」という名前の新しいブランドを発売。
そして無脂肪クッキーを販売し、たちまち売上高はアップ。
しかしその後に行ったスナックウェルズの戦術は、台所の流し以外のあらゆる商品にこの名前をつけたこと。
作者は「スナックウェルズは将来衰退していく」と予測しています。
問題点は明らかだ。
ブランドを構築することとブランドから搾り取ることとは異なる。
ほとんどのマネジャーが絞り取りたがるのである。
「このブランドはどの程度延長できるだろうか。本格的に調査費を投じて結果を見てみよう」。
つまり、無作為にブランドのラインを延長させるのではなく、「眠っているブランドを起こさない」ということも必要だということ。
そう考えると、今回ご紹介した「商品のブランドを隠した」プロモーションは、最終的に種明かしをするにしろ、既存の商品価値を落とさないメリットがあるのかも。
「ブランディングの22の法則」で紹介されているように、キャンベルズ・ヘルシー・リクエスト・スープ?と言われれば、「ということは、レギュラースープは健康的ではないということ? 」、クリスタル(透明)ペプシ?
「ということは、レギュラーペプシの色には何か問題があるの?」、
ハインツライトケチャップ?
「ということは普通のケチャップにはカロリーが詰まっているの?」
・・・なんて、余計な価値の落とし方をせずに済むわけですよね。
ブランドを確立することで出来上がったイメージが「ここならきっと間違いない」とお客様に思わせることもありますが、マクドナルドや今回の日清のように「どうせ◎◎でしょ」というマイナスな先入観を植えつけてしまうこともある、というお話・・・。
特定のターゲットやこれまでお客様ではなかった市場を開拓するとき、この「ブランド」 が邪魔をすることもあるわけです。
そう考えると、同じように”低価格”と先入観のあるUNIQLOなんかも、そのうち同じようなプロモーションをすることもあるのかも?(笑)
しかし、目先の新しい市場のためにブランドを延長させていくのではなく、現在のブランドの顧客が 流出しないか?を考える必要があるということ。
結局は、「自分が幸せにしたい”相手”は誰か?」を見つめなおすことが、ブランド展開の成功ヒントになるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、有難うございました!
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