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「出勤7割削減」はミッション・インポッシブル

■あまりにも非現実的な「出勤7割削減」

 「出勤7割削減」、この言葉を聞いて唖然とした会社員は多いと思う。「出勤3割削減」ならまだ理解できようものだが、さすがに7割削減は有り得ないだろうというのが多くの会社員の正直な感想だと思う。

 これは換言すると、「3割の人員で仕事を行ってください」ということになる。得意先も関連企業も全て休業ということであれば、下請け企業でも休業にすることはできるかもしれないが、そうでない限り、出勤7割削減などというのは土台無理な相談だ。

 もしかすると、「出勤10割削減」は無理でも「出勤7割削減」なら大丈夫かもしれない…と考えたのかもしれないが、その考え方は全く逆であり、「出勤10割削減」は可能でも「出勤7割削減」は不可能だ。

 日本国中、出勤者3割で会社の仕事を回していけるような所が一体どれだけあるのか甚だ疑問であり、そんなことが簡単にできる所があるとすれば、それは余剰人員を多く抱えた役所(※注1)くらいかもしれない。
(※注1:全ての役所という意味ではない)

 「日本国中、テレワークにしろ」というのも、いきなり「時計の針を100年進めろ」と言っているに等しい。現代の日本で丸ごとテレワークにできる業種など、ごく限られている。

■改めるべきは、お役人の危機管理能力の低さ

 民間企業で会社員として働いた経験の無い人々(官僚・政治家)には民間企業の実情というものがまるで解らないので、このような浮世離れした発想が出てくるのかもしれない。
 これから官僚や政治家になるような人には、世の中を正しく知るという意味でも、1度、民間企業に入り洗礼を受けてもらった方が良いのかもしれない。

 「7割出勤するな」と言うのであれば、いっそのこと「10割出勤するな」と言えばよいわけで、「全労働者の1ヵ月分の生活費(※2)を支払います」ということをセットにすれば、10割は無理でも9割以上は可能になると思う。「1ヵ月分のベーシックインカムを全国民に支払いますので、1ヵ月間は休業にして自宅に籠ってください」ならできるはずだ。
(※注2:給料全額という意味ではない)

 そういうことがなぜできないのかと言えば、民間企業の内情を理解できない人々のメンタリティが邪魔をしているからだろう。「出勤7割削減」よりも「出勤10割削減で1ヵ月分のベーシックインカムを支払う」ことの方がよっぽど現実的であり実現性も有ると思われるのだが、なぜか、そうしようとは考えない。

 こういう危機(と言うよりもパニック)の時には、前例踏襲主義などはかなぐり捨てて、スピーディーかつ柔軟な常識破りの対応こそが求められる。平時と同じような対応をしている場合ではないにも拘らず、窮屈な建前主義が邪魔をして物事が一向に前に進まない。

 改めるべきは、企業の勤務体制ではなく、お役人のメンタリティの方であり、現実にそぐわない危機管理能力の低さをこそ改めるべきである。

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