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ビジネス化する海賊稼業 レターヘッドまで作成

世界に名高いソマリアの海賊。国際海事局(International Maritime Bureau)では、昨年1年間に世界経済に与えた損害70億ドル、せしめた身代金1億6000万ドルと推定している。

ここまで規模が大きくなると、手順をシステム化しようというのは、当然の成り行きだろう。また、追いかけられて、捕まえられて、裁判に掛けられ、牢屋に入れられるどころか、「顧客」と「交渉」して「料金」を受け取っているのだから、海賊当人が「まっとうな商売」に関わっていると信じても不思議はないかもしれない。

例えば、某社の石油タンカーがハイジャックされた後、「パイレート・アクション・グループ」(Pirate Action Group)からオーナーと保険会社にレターヘッドを使った手紙が届いた。

「ご担当者様へ」(To Whom It May Concern)という書き出しの後は、「件名」。「企業/オーナー様、おめでとうございます」(Congratulations to the Company/Owner)とある。

本文はこう始まる。

「ようこそ、ジャマルのパイレート・アクション・グループへ。貴社の貴重な船舶は、当グループの管理下に置かれました。船舶と乗務員を安全にお手元に戻すためには、我々の法規に従って頂く必要があります。」

返還条件を提示した後、締めくくりは「脅迫しているなどとはお考えにならないでください」。

文末には「敬具」(Best regards)。差出人は「ジャマル・ファーヒエ・クルソー」(Jamal Faahiye Culusow)。同グループの「司令官」(Commander)。「社長」とか「取締役」ではなく、「司令官」というのが、海賊らしさを感じさせる。

署名に続くのは、印章。髑髏(どくろ)、クロスする2本の刀、それにグループ名をデザインしたものだ。

勿論、現実は、この「ビジネスレター」が示唆するような、スマートでビジネスライクなものではない。昨年は35人の捕虜が命を落とした。

被害額が大きいところから、「海賊保険が商売として成り立つ。

今年1月1日から7月12日までのハイジャック数は69件。去年の同じ時期より32%減少している。「危険度」が少なくなったと評価されたのだろう、保険料も安くなっているらしい。

イギリスの保険会社「マーシュ」(Marsh)の副社長、アマンダ・ホルト(Amanda Holt)さんによると、武装した警備員が乗船している場合、上限500万ドル支払いの保険で、掛け金3000ドルから5000ドル。また、「海賊保険」を購入すると、「戦争保険料」が割引になる場合が多いとのこと。

(参考資料:2012年8月14日付「Business Day」など)

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