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コロナ禍でKFCが見せた底力…「新王者誕生」で外食の明暗はっきり

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“コロナ不況”が叫ばれる中で、早くも明暗が分かれているのが飲食業界だ。「今年7月に創業50周年を迎える日本KFCホールディングス(以下、ケンタッキー)は、低迷する飲食業界の中で快走を続けています。2020年3月期の通期の見通しは、売上高744億円から800億円に上方修正を発表しています。コロナ不況の影響下でも、さらなる成長が期待できます」。そう語るのは、人気アナリストの馬渕磨理子氏。いま、ケンタッキーがなぜ強いのか。その理由を解説する。

ケンタッキーフライドチキン ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/pjohnson1

V字回復の裏に、クリスマス商材からの脱却

今からわずか2年前まで、ケンタッキーの利益は最悪でした。18年の経常利益は6.2億円と過去最低水準まで落ち込んだものの、19年3月期には前年比4.6倍の29億円にまで回復を見せています。なぜここまでV字回復を果たせたのでしょうか。

最大の理由は、“日常食”へのシフト。いま、ケンタッキーは消費者から日常的に選ばれているのです。それは、高畑充希さんが出演するテレビCMを見ても明らか。このCMにおいて、彼女が最後に口にするセリフは、「今日、ケンタッキーにしない?」。

従来のキャッチコピーは「やっぱり、ケンタッキー」でした。わずかなセリフの違いですが、両者で消費者に訴求したいメッセージが大きく異なっていることが理解できるはずです。

ほかにも、持ち帰り需要を狙って家庭の夕飯の食卓にケンタッキーが並んでいる演出のCMもあります。

しかし、ここで疑問が生まれます。クリスマスのような“非日常食”のイメージが強いケンタッキーは、いかにして日常食へと変貌を遂げたのでしょうか。

500円ランチが一年中選ばれる外食に

そもそも、ケンタッキーが日常食にシフトしたのは、慢性的に抱える“初夏の落ち込み”がありました。同社の月別売上高の推移を見ると、月ごとのバラツキがかなり大きいのです。

毎年、繁忙期の12月に比べ、初夏の時期である4~7月は需要が半分近く落ち込んでいたのです。

そこで、ケンタッキーは年間を通じて食べられる外食に選ばれるべく、2つの改革を実行したのです。

一つは500円ランチ。これは、18年7月から何度か期間限定で販売していましたが、あまりの好調をうけ、20年1月6日からレギュラーメニューとして定着しました。消費増税で家計が苦しくなる中、ワンコインで食べられる手軽さと美味しさを兼ね備えた500円ランチは、一年中選ばれる外食となったのです。

では、「500円ランチ」と聞いてどのようなメニューを思い浮かべるでしょうか。フライドチキン1本にドリンク? 違うのです。この500円ランチ、その中身はかなり大盤振る舞いなのです。たとえば、「Sランチメニュー」の中身は4点。「オリジナルチキン1ピース(単品250円)」、「特製ハニーメイプルをかけて食べるビスケット1個(単品230円)」、「ポテトS1個(単品230円)」「ドリンクS1個(単品200円)」。なんと、すべて単品で購入した場合、合計910円(税込み)するセットが、500円で食べられるのです。

知られざる、ケンタッキーの歴史的大改革の裏側

そう、ケンタッキーのランチが提供しているのは、“お得感”ではなく、本当の“お得”なのです。

二つ目は、期間限定のキャンペーン商品です。

昨年6月、ケンタッキーは創業49年を記念した「創業記念パック」を発売し、こちらも売上に大きく貢献しました。その中身は1000円パックと1500円パックの2種類。1000円パックはオリジナルチキン5ピースが入り、1500円パックはこれに加えてポテトBOXがついているだけという極めてシンプルなメニュー構成です。このシンプルさがケンタッキーのファンを強烈に惹きつけ、12月以外の年間を通じて来店者数を伸ばした要因と言われています。

こうして、ケンタッキーは堅調な12月以外の需要も引き上げたのです。

さらに冒頭で言及したCM戦略にも大きな改革がありました。多くの飲食チェーンは新メニューや期間限定メニュー開始のタイミングで集中的にCMを打つ傾向にあります。ところが、ケンタッキーは日常食であることをアピールするために、恒常的にCMを流し続けました。これはケンタッキーの歴史上大きな改革だったと言えるでしょう。

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