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コロナ禍との闘いは、私たちの文明の「勁(つよ)さ」を示す闘い

ついに政府が全国7都府県に緊急事態宣言を発令し、「コロナ禍」との闘いもいよいよ新たな局面を迎えました。欧米のような強制力は伴わないものの、各自治体の知事が発する要請や指示に法的な裏付けを与えるもので、外出や移動の自粛を徹底させることにより、爆発的な感染を阻止する国家の意思を鮮明にしたといえます。

政府は同時に、総額108兆円(事業規模)に上る緊急経済対策を中核とする補正予算案を閣議決定し、直ちに国会に提出しました。向こう一か月、5月の連休明けまで、国民がどこまで結束して「三密(密閉、密集、密接)」回避を徹底できるかに、日本の経済社会の将来が懸かっているといっても過言ではありません。

パンデミックという見えない敵との闘いは、私たちの文明そのものが試されているともいえます。したがって、私たちは公衆衛生と科学技術に関わる全世界の英知を結集して、コロナ禍を抑え込み、一日も早く終息させねばなりません。そのためには、ワクチンの開発が急務です。すでにジョンソン・アンド・ジョンソンが来年初めまでに完成させることを宣言。

その他、有望な研究開発が世界各国で進められています。ワクチン開発を待たずとも、わが国の富士フィルム富山化学が開発した新型インフルエンザ治療薬アビガンに効果が期待できるといわれており、政府は国内の患者のみならず、約20か国へ無償供与することを表明しています。こういったコロナ禍を克服するための国際協調こそ、世界的に蔓延(はびこ)ってきた「自国第一主義」の悪しき風潮を吹き飛ばす契機になるかもしれません。

一方、文明的な視点からは、コロナ禍を契機に新しい技術の社会実装が加速化されつつある現象にも注目したいと考えます。その代表的なものが、「オンライン化」です。感染が拡大する中、医療崩壊を防ぐ意味からも「遠隔診療」が普及する兆しを見せているのは必然の帰結といえます。

また、教育の分野でも、新学期を前にして「オンライン授業」の環境整備が差し迫った課題となっています。そんな中、友人の大学教授から一通のメールが舞い込みました。各大学がオンライン講義導入の検討に入る中で、肝心の受講する学生たちの通信インフラが心もとなくボトルネックになっているというのです。平均的な学生が契約している現状の通信プランでは、データ容量が足りず、あっという間に容量オーバーしてしまい膨大な追加料金が発生してしまうのです。そこで、通信大手3社(ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク)に学生たちの通信料負担を軽減してもらえないか、との相談でした。

たまたま当選同期で親交の深い萩生田光一文科相と西村康稔コロナ対策担当相に連絡して、大学関係者の切実な要望を伝えたところ、すぐに動いてくれました(すでに文科省では同じような問題意識の下に議論が始まっていたようです)。4月3日には、通信3社が、学生を中心に全国の25歳以下の契約者・利用者を一律に対象とする方向で、スマートフォンのデータ通信料金を一部無償化する(4月中はデータ容量の追加購入に必要な料金を取らない)方針を発表したのです。

コロナ禍との闘いを、オンライン化という技術革新の社会実装を急速に拡大する契機と捉え直せば、それは高等教育のみならず、一人一台の端末保有をめざす小中学校でも、開始時期を2023年から一気に前倒しすべきと考えるのは自然の流れです。

ちょうど今年は、あらゆるモノがインターネットで繋がり、AIやビッグデータ、ロボット技術を駆使して社会を劇的に変える「5G元年」ともいわれていました。そこで、自民党の行政改革推進本部では、コロナ禍との闘いを機に、これまで規制の壁に阻まれて遅れがちだった教育、医療、行政手続などのオンライン化を一気に進めようとの提言をまとめ、安倍総理に提出しました(4月6日)。

 ピンチはチャンス。コロナ禍によって人々のリアルな交流は阻害されたとしても、文明を支える知の集積や社会の進歩を止めることはできません。私たちが作り上げたコロナ禍との闘いは防戦一方ではなく、私たちの文明の「勁さ」を示す闘いでもあると思います。

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