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竹島とフォークランド

2012年8月10 日午後韓国の李明博大統領が突然日本の竹島を訪問したが、その立場から観光ではなく「独島は韓国領土」だという主張の行動で、政治家が議論や交渉をしているうちは政治だが、相手国に具体的な行動をとれば、当事国の日本からは「事件」である。事件になることを承知で行った背景には二つの自信があるのだろう。こうしても日本は絶対に過激な行動はしてこない、もう一つは、仮に日本が行動を起こしても韓国には排除できる実力があるという自信だろう。

そんな挑発に乗るほど日本は暇ではないし、安易な行動の前にできることがたくさんある。今までできなかったことをする理由も、彼の今回の行動が正当化してくれる。たとえば在日特権といわれる、ゆがんだ優遇策だ。これらを見直すことで、戦後日本が延々と行ってきたことを韓国国民に再認識させることができる。特に税法上の特権などは必要ないという思いだ。 国際裁判所への提訴も方法だが、韓国は「歴史的な自国領土の審理は不要」との論調で裁判自体を拒否するだろうから、両国の審査同意が無い以上審理は開始されない。

竹島問題を、1982年の英国の「フォークランド紛争 Falklands Conflict マルビーナス戦争」に例える論調はあまり見受けないが、経過の一部はよく似ている。紛争とは言え、南米アルゼンチンと大西洋の小島の領有権を、英国が、核兵器以外の兵器がすべて登場したといわれるほどの局地的な近代戦で争い勝利した戦争だった。両空軍のミサイル攻撃、英国原子力潜水艦の攻撃、島の地上戦では塹壕での白兵戦さえ行われた。70日間の戦闘の末、英国が勝利したが、英国海軍は大きな損害をこうむった。敗北したアルゼンチンは、今も領有権を主張している。

アルゼンチンの敗因として、イギリスが本気で軍事対決に出てくると予想できなかった事で、英国本土から遠く離れた利用価値も無い小島の領有権に、英国は固執しないと踏んでいた。もし戦争しても英国は諦めるだろうと計算し、事実、英国政府は当初、国連や米国への訴えなどに注力し慎重だった。しかし、当時のイギリス国民は激昂し、民衆の間では政府がやらないなら義勇軍を組織してフォークランド諸島を奪還しようという動きにまで発展した。

この状況に当時の首相、マーガレット・ヒルダ・サッチャー(Margaret Hilda Thatcher)の決断は以外にも、原子力潜水艦を派遣し、爆撃機を英国本土から飛ばす程本気で軍事的勝利を目指すものだった。サッチャーが開戦に踏み切った理由は主に二つあったと言われ、第一に、一度譲歩すると、アルゼンチンに次々と譲歩を強いられ、国民の中に不満が増大するだろうという事。 第二に、戦争に勝利すれば支持率は上昇し、当時どん底にあったイギリス経済を再建するための痛みを伴う大改革に対し国民の理解を得られやすくなるという推測。 (写真は出撃に旗を振る英国民。この旗が日の丸になったとしたら、招いたのは誰だ、、。)参照記事

実際、この予想は的中する事となり、サッチャーの支持率は上昇し、一方、国民の反体制的な不満の矛先をこの戦争で変えようとした当時のアルゼンチン軍事政権のガルティエリ大統領は軍事的敗北から失脚し、その後軍事政権は崩壊した。この紛争が裏目に出たアルゼンチン大統領と、逆手にとって政治基盤を強固にした英国首相。李明博大統領が目指すものは、、?

英国はこのようにして国家の威信を保ったが、領有権に関しては完全解決ではなく、いまだにアルゼンチンが領有権を主張してることから、やはり一番の解決は親善外交だろう。

李明博大統領の8月10日の上陸は、低迷する支持率低下への打開策といわれているが、日韓がもめて一番喜んでいるのは中国だろう。この状況で、日米韓の3国軍事同盟はとん挫し、米国のもくろんだ中国の軍事的脅威に対する計画に狂いが出てきた。李明博大統領に反発する韓国内の反日勢力、親北朝鮮勢力、次期政権を狙う野党勢力、そして韓国内親中国勢力を相手にするには国内支持率の回復が必要だと踏んだ大統領の上陸決断だが、すべては中国の思惑通りではないかとも思える。これから先の日本の選択肢は、より一層の独自の防衛力強化か米国との関係強化しかないように見えるのだが、うまく舵を取れる政権の誕生を願うしかない。

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