記事

「絶対にマンションに入らせるな」住人の看護師さんの感染を疑ってバリケードが設置される お前らの知能が緊急事態な反ワクチン派も無事改宗の巻 - 山本 一郎

1/2

 去年までは「コロナ」と言われても湯沸かし器か昔のトヨタ車ぐらいしか思い浮かばなかった平和な時代だったんですけどね。

 随分、コロナ騒動と戦っている気がしますけど、せいぜいここ2か月ちょっと。その間に、世間もかなり変わってしまいました。夜に気兼ねせず飲み歩ける日々が失われて久しいと思ってましたが、意外とそんなもんです。

「軽症者は家で静かにいろ」と言っても

 私が顔を出している実家近くの町内会では先週、コロナウイルスに具体的に罹ってしまった人が出たということで、大変な騒ぎになりました。東京都内で1,000人を超える感染者がいる以上、確率から言えば運悪く感染してしまった方もいらして当然と思いますし、単に高熱で具合が悪いだけという「軽症」であれば、なるだけ自宅にいなさいというのはテレビも新聞もスーパーで会えばご挨拶するおばちゃんも塾でご一緒するママ友もみんな「知識としては」知っています。

©iStock.com

 しかしながら、口先で「軽症者は家で静かにいろ」と言っても、その本人もコロナウイルスに感染したくてしたわけではないし、熱で臥せっているところ、身寄りのない人であれば当然町内会や民生委員の皆さんで手分けして様子伺いのひとつもしなければならないはずなんですよ。でも、うっかり丸腰やマスク一枚で見舞いに行ってコロナに罹ってはたまらない。

 そして、「お前行けよ」「いや、お前が」と押し付け合いの果てに結局誰も訪問しないという顛末に容易になります。世の中そんなもんでありまして、一人暮らしのご老人が感染してしまっても、助けてという声も挙げられなければ助けにもいけないのが現実です。

いつ帰ってくるのかも分からないぐらい激務

 でも、先日は先日で、ある朝、近場の病院にお勤めの看護師さんの女性がどうやらコロナらしいという噂が出ました。そのころ私は実家から離れた自宅におり、町内会でご一緒しているおっさんから「早く来て」という悲鳴のような電話を受け取っていただけだったのですが、何だろうと思って詳しく話を聞くと、実に面倒そうな事件でした。

 それは、その看護師さんがお住いのマンションにて、住民で管理組合のおっさん複数が震え上がり「絶対にマンションに入らせるな」と騒ぎ出し、鳩首会談の結果、マスクとレインコートで完全武装して玄関を締め出し封鎖に乗り出すという事案が発生しているというのです。何それ。きっとパニックになっているか、生まれつき馬鹿なんだろうなあと思いました。

 看護師さん、そうでなくても大変な職場なんですよ。いまやコロナ騒動真っただ中で、感染の疑いがある人も普通の患者さんもたくさんやってくる中で、文字通り身体を張って働いておられるのです。で、逆に言えば、看護師さんはいつ帰ってくるのかも分からないぐらいの激務です。直接その看護師さんに電話をしてもお出にならず、4時間が経ち、8時間が経過しても、いつまでも看護師さんは帰ってきません。

買い物に行けなくなったご婦人方が「封鎖を解け」

 そのうち、マンションの住人たちがしびれをきらし、玄関をバリケード的なもので封鎖されたお陰で近所に買い物に行けなくなったマンションにお住まいのご婦人方が「封鎖を解け」と騒ぎ始めます。封鎖しているおっさんもちょっとぐらい開けてやればいいのに頑として封鎖を解かず、怒ったおばさん方と頑固なおじさん方の間で無事に揉め事に発展。

 騒動はおばさん方の完全勝利に終わり、封鎖が解かれた後にスーパーで当の看護師さんがたまたま買い物しているところにおばさん方と合流し、何も問題なく買い物を終えてたくさんのトイレットペーパーを両手に持ちマンションのお部屋にお帰りになられました。

 結局、その看護師さんも陽性ではなかったようです。お前ら何してんだよ。「あの半日間の騒動は何だったのだろう」とマンション管理組合から事後報告された私の頭の上には、いつまでも疑問符が浮かんでいました。

 もうここまでコロナウイルスの疑い患者さんが増えてしまうと、もはや犯人探しがどうとか噂話で誰が担ぎ込まれたとか、どこで咳してたとかいう話も吹っ飛んで、みんな大人しくお家でテレビでも見て筋トレしてろという話になるのであります。

家柄として誰一人としてワクチンを受けさせていない

「身の回りにコロナウイルスの感染者がいるかもしれない」という恐怖は、時として人を本当に狂わせてしまうようなのです。

 実家近くでEM菌だんごという汚物を川に投げ込んでいたご婦人がおられるのですが、家柄として誰一人としてワクチンを受けさせていないという「反ワクチン一家」であると自認しておられます。自称・自然派だそうですが、それは単にこの人たちの脳みそが真っ白だという意味で自然であるだけではないでしょうか。その欠乏した知性に対して深くお悔やみを申し上げるほかありません。

 もはや反ワクチンは反科学・反知性を教典とするある種の宗教のようにすら感じますし、そういう話を聞きますと私も率直に申し上げて「こいつら馬鹿だなあ」と心から思います。

 過去何度も顔を合わせておりますが、こちらからは一切公衆衛生やワクチンの話をしないのに、先方からそのようなワクチン関連の話が振られたときは遠慮なく「まことに恐縮ではございますが、ワクチンもなさらない貴女のような馬鹿の話はお伺いしたくはございません」とお伝えしています。また、タイトルからして現代医学に破門状を突き付けるかのようなスーパー反ワクチン本をこのご婦人自らが出版しておられます。どういう理由かご玉稿を私どものポストにもご恵投賜っていたのですが、丁寧に梱包を開けてビニール袋に入ったままゴミ箱に投入させていただきました。本当にありがとうございました。

 お陰ですっかり私はご婦人から嫌われているのですが、そんな反ワクチンのご婦人がダイレクトに私の携帯電話に連絡をしてこられ、急に何を言うかと思えば「BCGワクチンはどこで打てるんですの」。

あわせて読みたい

「新型コロナウイルス」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    羽田で4人感染 ブラジルから到着

    ABEMA TIMES

  2. 2

    米の人工呼吸器 購入約束に呆れ

    青山まさゆき

  3. 3

    国難に際して非協力的な日本企業

    篠原孝

  4. 4

    文春の名前出さぬ日テレに疑問

    水島宏明

  5. 5

    米倉涼子「ドクターX」を降板か

    女性自身

  6. 6

    アベノマスクが唯一果たした役割

    田嶋要

  7. 7

    処分軽い黒川氏 裏に記者クラブ

    田中龍作

  8. 8

    パチンコ店団体の執行部総辞職へ

    東京商工リサーチ(TSR)

  9. 9

    森法相の国会答弁ねじ曲げに呆れ

    大串博志

  10. 10

    なぜ世界の株価は高くなったのか

    ヒロ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。