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緊急事態宣言の発出にあたり政治家は「外出するな、すべての企業・組織は全力で構成員とその家族を守れ」と強調せよ

緊急事態宣言は今夕発出されるとのこと(すでに発令されたようだ:追記)。一時間後の1900に首相が会見するという。それにしても、準備の表明→発出→発効と、手続きに三日もかかるとは知らなかった。「スピード感」(首相の言葉)もへったくれもありはしない。

さて、昨日の首相や都知事の会見を見た。それを踏まえ、(例によって)頼まれてもいないのに勝手にかれらに助言したいとおもう。

アドバイスの要点をひと言で言えば、とにかく明確に、強く、メッセージをくりかえし発することだ。とりわけ次の点について。

「できるだけ外出するな、すべての企業・組織は全力をあげて構成員とその家族を守れ」——たとえ、法的強制力はなかったとしても、だ。


残念ながら、昨日の会見ではこれと逆だった。首相も都知事も「ロックダウン(封鎖)ではない」ことを強調していたからだ。経済活動への影響を念頭に、ダメージを緩和しておきたいという思惑なのかもしれない。

しかし、この言い方は、誤解を招く可能性がきわめて高い。ロックダウンではないといえば、それほど大事ではないとひとびとが高をくくって出歩きまわる。それだけではない。企業・組織への訴求力が弱い。テレワークの推進とはいえ、それにすぐさま対応できる企業は限られている。中小の多くの企業や組織は、リモートワークなどこれまで考えたこともなく、テレワーク推進といわれても他人事のようにしか感じられず、途方に暮れるばかりだろう。そういう組織は、緊急事態宣言がでたとしても、ロックダウンではないから、罰則規定もないから、という理由で、あいかわずこれまでの習慣を変えることができず、惰性で社員を出勤させたり、とにかく集まって相談しようなどといって会議を開いてみたりといったことを続けるだろう。だから、いつまでたっても首都圏の電車は混んでいるのだ。

なぜ緊急事態宣言を出すのか、その目的をよく考えなければならない。それは、感染拡大を抑えることであり、そのために、とにかく人の移動と接触を極力減らすことであったはずだ。

経済の落ち込みを防ぐのは大事かもしれないが、あちらにもこちらにも色目をつかいまくって二兎も三兎も追おうというのは虫がよすぎる。焦点がぼけて、何がもっとも大切なのかがわからなくなる。肝要なのは、最優先の事項をはっきりさせ、一ミリの誤解も紛れ込まないような形でメッセージを発することだ。

くりかえす。緊急事態宣言の目的とは、感染拡大の抑制にほかならず、そのために、ひとの移動を極小化させることである。これ以外にはない。そして、それを個人だけでなく、企業や組織にたいしても、はっきりとした強いメッセージを発しなければならない。

緊急事態宣言に、たとえ法的拘束力はなくても、象徴的な機能ははたしうる。そうでなければ、わざわざ(こんな問題だらけの)緊急事態宣言をだす意味はない。だす以上は、いかに実効性をもたせるかという点に政治家は腐心してもらいたい。かれらの発する言葉の一語一語に、それはかかっている。

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