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「晋三と昭恵」叱れない夫婦 安倍家では総理が水を運ぶ

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1987年に行われた2人の結婚披露宴(時事通信フォト)

しっかり手を繋ぐ安倍夫妻(時事通信フォト)

昭恵夫人が撮った「男たちの悪巧み」写真(フェイスブックより)

 なぜ安倍晋三首相は昭恵夫人に甘いのか。花見写真から森友学園問題まで、この異様な夫婦関係をめぐって国中が振り回されている。ノンフィクション作家の森功氏が集めた、2人をよく知る関係者の証言から、その原点に遡る。(敬称略)

【写真】しっかり手を繋ぐ安倍夫妻

 * * *
 この夫婦、よくよく花見がお好きのようだ。昨年11月以降、「桜を見る会」問題を国会で追及されてきた夫君に代わり、今度は細君の花見写真がネットに漏れ出した。すると、例によって首相の安倍晋三は「都内のプライベートスペースで、公園での花見ではない」と妻女を庇う。さらに負けず嫌いの宰相は質問する立憲民主党の杉尾秀哉を茶化すことも忘れない。

「(唾が飛ぶので)大きな声出しちゃいけない……」

 何度見た光景だろうか。

 いくら仲睦まじい夫婦であっても、配偶者の軽はずみな言動を問題視さると謙虚になり、まずは詫びるのが社会通念であろう。仮に的外れの批判であっても、相手を馬鹿にするような態度はとらない。

 あまりに器が小さいといえばそれまでだが、逆に懲りない細君はとてつもなく神経が図太い。夫の政治生命にかかわりかねないような振る舞いを幾度も繰り返してきた。なぜ一国のリーダーが、好き勝手な女房の振る舞いを制御できないのか。誰もが首を傾げる。実に妙なカップルである。

 安倍夫妻については、いっとき仮面夫婦ではないか、という説もあった。祖父の岸信介を敬愛してやまない首相は、岸の愛娘で実母の洋子に頭が上がらない。同居している夫が家母と妻の板挟みにあい、形ばかりの夫婦関係を続けているのでは。

 そんなまことしやかな話も永田町で囁かれたが、周囲を取材すると、まったく異なる。二人は実に相思相愛だと感じる。

 昭恵が酒好きでしょっちゅう飲み歩くのは、よく知られている。夫抜きで酒豪の加計学園理事長の加計孝太郎と酩酊するまで深酒し、帰宅したところを番記者に目撃されたこともある。さすがにそのときは、夫にきつくたしなめられたそうだが、当人の酒癖は容易に改善しない。彼女には芸能人や文化人の飲み友達が多い。時には帰宅が深夜になり夫より遅い場合もある。あるジャーナリストが、次のようなエピソードを打ち明けてくれた。

「夫婦そろって有名人好きなので共通の友人も多い。それでアッキーが友だちを連れて夜遅くに帰宅すると、総理が出迎えてくれるのだそうです。総理がパジャマのまま水割り用の氷とミネラルウォーターを運んできたので、さすがにびっくりしたとある飲み友達から聞きました」

 ひょっとすると家では、夫唱婦随ではなく、婦唱夫随なのかもしれない。

原点は合コン仲間

 安倍晋三と昭恵、共通の友人である増岡聡一郎(鉄鋼ビルディング専務)に二人の出会いについて尋ねたことがある。1962年生まれの増岡は昭恵と同じ歳だ。永田町や霞が関、丸の内界隈では名の通った人物で、河口湖畔のゴルフ場で安倍と一緒にラウンドする間柄でもある。昭恵が自身のFBに「男たちの悪巧み」と題してアップした写真には、加計たちと一緒に増岡の姿があった。増岡は首相より昭恵のほうが付き合いが古いという。

「大学は違いますけど、学生時代の私のガールフレンドと昭恵さんが仲良しで、初めに彼女と知り合ったのです」

 そう話してくれた増岡は当時、慶大生。出会った頃の昭恵は聖心女子専門学校英語科の生徒で、テニスサークルの合コンで知り合ったとされる。

 森永製菓社長を務めた松崎昭雄の愛娘である彼女は、テニスだけでなく、スキーやゴルフなども得意だったが、進学に興味がなく、四年制大学には進まなかった。専門学校を経て電通の新聞雑誌局で勤務していた頃、上司の紹介で神戸製鋼のサラリーマンだった安倍と出会い、結婚を決めた。

 かたや、安倍本人は誰もが認める政治一家のサラブレッドだ。母方の祖父・岸信介、大叔父の佐藤栄作が首相で、父方の祖父は衆議院議員の安倍寛。成蹊小学校時代の家庭教師として元JT社長の本田勝彦や自民党代議士の平沢勝栄が教えていた。当人は早慶や東大ではなく、エスカレータ式に成蹊大に進んだ。

 良家の子女同士ではあるが、夫婦ともに学業には関心がなかったようで、そこもウマが合ったのかもしれない。1987年6月に結婚。先の増岡は二次会に新婦の学生時代の友人として出席した。

「(昭恵から)今度結婚することになった相手が、安倍晋太郎さんの息子さんだと聞かされました。二次会の会場は披露宴と同じ西武の(新高輪)プリンスホテルでしたけど、われわれは御神輿をつくって担いで盛りあげました」

 増岡自身の結婚式にも安倍夫妻がそろって駆け付けたという。

「実は総理の勤めていた神戸製鋼の東京本社が、私の祖父が建てた(第一)鉄鋼ビルに入っていて、そんな縁もあって、以来、総理ご本人とも親しくさせていただいています」

 増岡は広島県発祥の中堅ゼネコン「増岡組」創業家に生まれた。こうも言った。

「われわれは総理だからお付き合いしているわけじゃありません。第一次安倍政権のあと、見事なまでに肩書きが付いていた人達が総理から離れていった。われわれは何も変わらないけど、『誰が本当の友達か、よく解ったよ』っておっしゃっていましたね」

 増岡組が建設した東京駅八重洲口に隣接する鉄鋼ビルディングは日本の戦後復興の象徴でもあったが、2015年10月にリニューアルされ本館と南館が竣工した。その竣工を記念し、安倍を中心に、加計や増岡たちがクリスマスパーティを兼ねてカップルで集うようになった。「悪巧み」写真は、昭恵が安倍を中心とする二世、三世の素封家仲間を撮ったものである。

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