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新型コロナショックで「仕事がなくなり家賃が払えなくなるかも」と不安な人が活用できる住居確保給付金とは

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新型コロナウイルスによる休業、閉店などの影響で収入が減少し、これからの家賃支払いに不安を覚えている人も少なくなかろう。家賃は誰にとっても大きな出費。1ヶ月分の滞納ならまだ払えるかもしれないが、2、3ヶ月分と溜まってくると、給料が支払われていても払えなくなる。危ないかもと思ったら、即座に動くことが大事である。

そんな時に思い出して欲しいのが住居確保給付金である。

(写真AC)

「これから家賃が払えなくなりそう」という場合も対象に

これは2015年4月に施行された「生活困窮者自立支援法」に基づく制度のひとつ。元々は2008年9月に起きたリーマンショックで住む場所を失った人、失うおそれのある人を救済するために2009年に厚生労働省が始めた「住宅手当緊急特別措置事業」がルーツだ。その後、2013年4月に「住宅支援給付制度」となり、現在は「住居確保給付金」となっている。

概要がまとめられているのが以下の資料。

住居確保支援金について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0914_shiryou03_1.pdf

ただし、今回の新型コロナウイルスの発生・感染拡大に伴い、要件が緩和されており、65歳以上でも受給できるようになり、ハローワークなどでの求職活動の回数なども減らされているので、資料を読む時には注意が必要。緩和された内容は以下の通り。

住居確保支援金の要件緩和について(令和2年3月9日)
https://www.mhlw.go.jp/content/000605807.pdf

対象となるのは「離職等により経済的に困窮し住居を失った者だけでなく、賃貸住宅等に居住しながら、住居を失うおそれがある者」。ここで大事なのは、すでに家賃を滞納しているか否かは要件とされていないこと。これから家賃が払えなくなりそうという時点からが対象となっているのだ。

受給のためには「人、収入、資産」の要件をクリアしている必要がある。まず、人の要件を分かりやすい部分から書いていこう。

・離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと
・ハローワークに求職の申し込みをしていること
・国の雇用政策による給付等を受けていないこと
・離職後2年以内の者
※【4/8追記】4月20日から要件が拡充され、離職、廃業していない人も対象になる

前述したように、前年度までは65歳未満という要件があったが、それは撤廃されており、現在は年齢要件はない。

ただ、分かりにくいのは離職「等」という部分。具体的にどのような人が対象になるか、厚生労働省の生活困窮者自立支援室に聞いた。

アルバイト、フリーランスの場合は対象になるのか

もっとも分かりやすいのは雇用関係があり、その勤務先を2年以内に辞めた人。退職の理由は問わない。

現在も雇用関係があり、出勤日が減るなどで収入が減少したという人は現状では対象にならない。この制度自体が離職、住まいの喪失を防ぐことが目的であるため、離職していない人は対象にならないのだ。

【4/8追記】4月20日から要件が拡充され、離職していない人も対象になる。

こうした人に対しては基本、休業補償がある。政府ではこの原資となる雇用調整助成金の特例措置を2020年6月30日まで拡大しており、雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象となっている。

新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000615395.pdf

ただし、休業補償については今後、不安もある。

というのはもし、政府が改正新型インフルエンザ対策特別措置法(以下、特措法)に基づいて政府が7日に発令するとみられる緊急事態宣言では、ライブハウスや野球場、映画館など多数の人が集まる営業施設に営業停止を要請、指示した場合の休業は「会社都合による休業」には当たらないというのが厚労省の見解(東京新聞2020年4月3日朝刊)だからだ。

また、厚労省は客の激減、従業員が通勤できないなどで小売店、飲食店が休業になった場合も会社都合とは言い切れないとしている。となると、今後、収入が減っても休業補償がなく、住居確保給付金の対象ともならないケースが出てくることになる。政府にはこうした制度の谷間にも目を配っていただきたいところである。

アルバイトなど単発の仕事で生活している人の場合も対象にならない。だが、もし、2年以内に雇用されていた経歴があれば対象になりうる。過去の仕事を思い出してみよう。

写真AC

フリーランスの場合は仕事のキャンセルが相次いでいる、大きく減収したなど、窮状が分かる文書などがあれば申請はできる。排除されてはいないとは担当者の弁である。

自営業者の場合は廃業していることが要件。青色申告をしている人なら税務署に廃業届を提出しているはずなので、そうした書面が必要になる。

【4/8追記】4月20日から要件が拡充され、廃業していない人も対象になる。

収入の要件は?東京23区で単身世帯の場合は13万7700円以下

次に収入の要件だが、申請月の世帯収入の合計額が基準額(個人住民税の市町村民税均等割が非課税となる収入額の12分の1)+家賃額以下であること。注意したいのは家賃額は今、払っている家賃額ではなく、住宅扶助特別基準額(生活保護を受けた場合の住宅費)だ。基準額?なんだ、それはと思う人もいると思うが、住居確保給付金の必要性を考えてか、多くの自治体では対象となる要件をホームページにアップしているので、気になる人はすぐにホームページを確認してみて欲しい。

実際、住んでいる場所、家族の数で要件とされる額は異なっており、たとえば東京23区の場合には単身世帯で月額(以下同)13万7,700円、2人世帯で19万4,000円、3人世帯で24万1,800円と例示されている。

預貯金額では申請時の世帯の預貯金合計額が基準額×6(ただし100万円を超えない額)以下であることが基本。上記エリアの場合は単身世帯で50万4,000円、2人世帯で78万円、3人世帯で100万円が例示されている。

ハローワークを通じて求職活動をしていることも要件。具体的には「月2回以上の公共職業安定所の職業相談等」および「週1回以上の応募または面接」。ただし、状況を鑑み、その回数を減らす、または免除することができるとされている。

自立相談支援機関への相談についても面談が原則だが、勤務状況や地域の感染状況等により来庁が困難な場合は、電話などの手段に替えることができ、給与明細の郵送をもって収入確認に代えるとされている。

写真AC

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