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新型コロナウイルス感染症が与える教訓

 新型コロナウイルスによる感染症の拡大は、未だ留まるところを知らない。そうした中でコメディアンの志村けんさんが亡くなった。自分も若い頃、「8時だよ!全員集合」での彼の飛び跳ねるようなパフォーマンスに釘付けになり、最近では「志村けんの動物園」で動物たちと楽しく戯れる姿に癒されていた。この国民的タレントの死は、若者も含め多くの国民にこのウイルスの恐ろしさや容赦の無さを、強く印象付けたのではないか。

 政府はまもなく新型コロナウイルス対策のための補正予算を編成する。これは我々与党が取りまとめた対策を具現化するためのものだ。リーマン・ショック時を大幅に上回る事業規模60兆円、財政出動20兆円、GDPの10%を超える対策を策定することを目指している。これによりコロナウイルスを抑え込むとともに、落ち込んだ経済活動を下支えして、倒産や廃業を極力減らさなければならない。

 具体的には、 所得が劇的に減少している世帯・個人に対して少なくとも10万円の現金を支給すること。40兆円を超える無利子の資金繰り融資、雇用調整助成金の強化を図ること。法人税や固定資産税の延滞税なしの延納措置をとること。観光業、旅行業、宿泊業、飲食業、イベント・エンタメ業などを救うため、コロナ禍克服後に大規模イベントの実施、クーポンやポイント制度の導入を図ることなどである。

 さらにこの度のコロナ禍によって、これまでのワークスタイルやライフスタイルを見直す必要性が高まったのではないか。会社に出勤しなくても家庭で仕事が行えるようなテレワーク、家庭でもタブレット端末を使って自主学習ができるようなICT教育、病院に行かなくても家庭から医師にアクセスできる遠隔医療など、規制改革や制度改革、様々な支援措置によってこれらを進める機運が出てきた。

 さらにはこの度のコロナ禍が一段落したのち、日本の中枢機能を分散して、国家の継続を確かなものにする政策も議論すべきではないか。首都東京は現在、最も危険な感染地域となっており、いつ何時中枢機能が麻痺するか分からない。極度に人口が集中し、経済の中枢機能も東京に集まっている。

 民間企業に求められるBCP(事業継続計画)は、当然、国の経営にも求められなければならない。かつて「国会移転」や「首都機能移転」が真面目に議論され、実現一歩手前まで進んだことがある。地元に近い那須地域が候補の一つであったため、私も熱心に取り組んだことがある。当時は東京直下型地震を避けるという理由があったが、今回は感染症に対抗する理由も加わった。

 那須地域にこだわるつもりはないが、新たなステージで「首都機能移転」に関する議論をこの際、もう一度起こすべきではないだろうか。

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