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【原発事故と保養】春休みの「保養」をコロナ禍が直撃、感染防止で中止相次ぐ。「放射線に加えてウイルスか…」。わが子守りたい親のケア求める声も - 民の声新聞

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新型コロナウイルスの感染拡大が、原発事故後に全国の市民団体が取り組んでいる「保養」をも直撃。春休みに予定されていたプログラムが軒並み、中止に追い込まれている。毎年、福島県内で初夏に開かれている「保養相談会」も中止。受け入れ団体は「夏休みも実施出来るか見通せない」と口を揃える。子どもたちを被曝リスクから守り、自然の中で思い切り身体を動かしてもらおうと取り組まれている「保養」。わが子の被曝リスク回避を心がけている保護者は放射線に加えウイルスとも闘わなければならず、「保護者のケアも必要」との声もあがっている。


【「悩んだ末の苦渋の中止」】

「春休みに計画されていた保養プログラムに関しては、比較的規模の大きいところはほとんどが中止となりました。実施出来たのは、感染リスクが低いごく小規模なものや宿泊が家族単位になっているところに限られていたようです」

 そう話すのは、原発事故に伴う放射能汚染や被曝を避けるために保養や移住の活動を行っている全国の約60団体が加盟している「311受入全国協議会」共同代表の早尾貴紀さん。

 同協議会は例年、夏休み向けの保養相談会を初夏に実施。全国から受け入れ団体が福島県内に集まり多くの保護者が来場しているが、「今年は5月末の土日に相談会を開こうと計画していましたが、感染拡大防止の観点から中止する事に決めました」。

 各団体のホームページやブログには「コロナ」、「中止」の文字が並ぶ。

 首都圏で福島の子どもたちを受け入れている団体の関係者も、「新型コロナウイルスによる保養活動への影響は大きいです。原発事故以降、保養を続けてきた関東の保養団体の多くが、この春休みの保養を断念しているようです」と語る。

 「私たちの団体は夏開催だけですので夏休みには実施出来るように準備を進めていますが、日本での感染拡大が欧米並みになれば再考が必要になるかもしれません。春休みの実施を断念したどこの団体も、なんとか実施出来ないかとギリギリまで努力していたようです。悩みに悩んだ上での苦渋の決断だと聞いています」



保養プログラムを継続している団体のホームページでは、春休みの保養中止を知らせる告知が相次いでいる。夏休みの保養も実施出来るか見通せていない

【「ママのケアも必要」】

「保養」とは、放射能の不安を抱えることになった人々が、休日などを活用して居住地から一時的に離れ、放射能に関する不安から解放される時間を確保して心身の疲れを癒そうとする行動の事を指す。

 本来は原発事故後に国の責任で公的な保養プログラムが確立されるべきだった。しかしそうはならず、全国の市民団体が資金や人手の確保に苦労しながら、放射性物質の排出や免疫力アップなどに取り組んでいる。そこを直撃したのが、コロナ禍なのだ。

 猪苗代での週末保養などに取り組んでいる「福島ぽかぽかプロジェクト」の矢野恵理子さんも「ほとんどの保養団体が、春の保養を中止しました。私たちの団体も、5月までの週末保養、4回分が中止です。夏の実施計画もどうするべきか、みんな悩んでいます」と明かす。一方で「マスクに外出禁止…。福島のママたちは悲鳴をあげています。あの頃(2011年当時)にとても良く似ていて、不安がフラッシュバックしている人も多いのです。子どもたちの置かれている状況も心配ですし、ママたちのケアも必要です」とも。これは、福島県内から県外への〝送り出し団体〟の関係者も指摘している。

 「これまで放射線による被曝リスクと闘うだけでも大変だったのに、ここに来て新型コロナウイルス。福島県内でも9例目の感染者が分かっています。保護者たちの精神的負担は計り知れないと思っています。サポート体制が構築する必要があると考えています」

 福島県中通りから県外に避難した女性は「保養団体はお子さんを預かるので、やはり敏感にならざるを得ないと思います」と保養団体の苦悩に理解を示した上で「それにしても、つくづく〝3・11〟を思い出しますね。感染者に対する差別とか危険に対する温度差とか…。風評被害という言葉もそうです。あの頃と同じだなと思います」と語る。


国が公的な保養プログラムを確立しない中、全国の市民団体が資金や人手確保に苦労しながら保養に取り組んでいる。相談会には毎年、多くの親子が訪れるが、今年はコロナ禍が直撃した

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