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仮処分は退けられるも、国会記者会館のオープン化を目指す闘いは続く

画像を見る 首相官邸前でくり広げられている反原発の抗議活動を俯瞰的に撮影するため、独立系ネットメディア「OurPlanet-TV」とその代表の白石草(しらいし・はじめ)さんが国と国会記者会(記者クラブ)を相手方として、国会記者会館屋上を使用させるよう東京地方裁判所に仮処分を申し立てたのが7月17日。

 これに対する決定が26日に出た(福島政幸裁判長)。主文は「本件申立てを却下する」。理由は「取材の自由は、いわゆる消極的自由、すなわち報道機関の取材行為に国家機関が介入することからの自由を意味するものであり、一定の行為を請求することができるという積極的な権利まで当然に含むものではない」というもの。

 国が国会記者会にのみ国会記者会館の使用を許可し、ネットメディアやフリーランスには許可しないこと自体、「報道機関の取材行為に国家機関が介入」していることは明らかなのに、まったく意味不明な理由である。

 白石さんらは東京高等裁判所に即時抗告した。しかし、これも27日に棄却された。東京高裁(瀧澤泉裁判長)が決定で述べている理由は下記。

 「(国会記者会館の使用許可は)行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に該当するから、行政事件訴訟法44条により、上記行為については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない」

 「仮に、相手方(国会記者会)に対する本件建物(国会記者会館)の使用許可が違法であったとしても、それによって、抗告人(白石さんら)に対して本件建物の使用許可がされたことになるわけではないから、抗告人が相手方に対して本件建物への施設立入りを請求する権利を有するということはできない」

 8月12日、白石さんに話を聞いた。

 「今回の仮処分で、国会記者会が独占的に、しかも無料で国会記者会館を使用できるという証拠は1つも出なかった。だから、裁判所ももう少し踏み込んだ判断をしてほしかった。現在、国に対して国会記者会館屋上の使用許可を申し入れており、不許可の場合は、改めて裁判を起こすつもりだ」

 【写真】首相官邸前でくり広げられる反原発抗議活動。部屋の照明がついた建物が国会記者会館(6月29日撮影)。

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