望月新一公式ウエブ(出所:京都大学)
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/
「日々勉強!結果に責任!」「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池まさあき(自民党・比例代表全国区)です。
我が国を繋ぎ、護り、発展させるために、学術・科学技術の発展は欠かすことができません。そのような中で、朗報がありました。
京都大学数理解析研究所の望月新一教授(51)が、これまで未解明だった数学の超難問「ABC予想」を証明したとする論文が、同研究所が編集する専門誌「PRIMS」(ピーリムズ、発行は欧州数学会)に、正しさが認められ掲載されることが決まったとのことです。同論文は、8年前の2012年に発表し、A4サイズにして約600ページで構成された大作であり、専門家がその査読に8年間もかかったことになります。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00000110-mai-sctch
8年もかかったことについて、望月教授自身がブログで「数学界に出現している悲惨なブラックホールの物語」と抗議の声を上げていました。ようやく出版に結びついたことに、望月教授に対して、心よりお祝いを申し上げたいと存じます。
https://plaza.rakuten.co.jp/shinichi0329/diary/201901020001/
それにしても、京大はもちろん、それを所管する文部科学省の公式ホームページに、週末とはいえ、正式な意見表明がないのはいかがなものかと思います。
●「ABC予想」とは何か。
望月教授が証明した、数学界の超難問「ABC予想」とは何か。
「整数論における未解決の難題の一。互いに素な自然数の組a、b、cについて、a+b=cが成り立つとき、c<K・{rad(abc)}1+εという不等式を満たすa、b、cの組が無限に存在するというもの。ここでKはεによって決まる定数でε>0、K≧1を満たし、radは括弧内のそれぞれの数の素因数の積を表す。」
https://kotobank.jp/word/ABC予想-189431
残念ながら、高校時代に数学で挫折した私の頭には、解説文を色々と読みましたが、理解できませんでした。
●「ノーベル賞が何個あっても足らないほどの成果」
親交のある「ABC予想」に詳しい東京工業大学の加藤文元教授は以下のように評価しています。
「(望月教授が提唱し、ABC予想を証明した)IUT(宇宙際タイヒミューラー)理論は、数学界の『革命』と言っていい。ノーベル賞が何個あっても足らないほどの成果だ」と。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00000112-mai-sctch
とにかく大変な業績だということだけは、私にも何とか理解できます。
望月教授の生い立ちや人となりについては、同僚の玉川安騎男教授が以下のように説明しています。文章を要約して紹介します。
「望月教授は、1969(昭和44)年3月29日東京都生まれ、5歳の時に父親の仕事の関係で渡米されて以来、中学時代1年間だけ日本に戻った以外は、米国で過ごし、1988(令和元)年19歳で、米国の名門プリンストン大学数学科を卒業し、1992(平成4)年、23歳で同大大学院数学科博士課程を修了して博士号を取得します。
同時に、日本に戻り、京都大学数理解析研究所助手に就任し、1996(平成8)年27歳で助教授、2002(平成14)年23歳で同大教授となりました。
普通の研究者であれば、数学界のノーベル賞であるフィールズ賞(4年に1回40歳以下)を狙うところを、賞に無欲、無欲というより否定的で狙うことをせず、十分時間をかけて基礎理論を満足のいくような形で完成させたいと日々注力しています。
途中の理論についても、全て公開しており、それを見て誰かが先に証明してしまうのではないかという周囲の心配もどこ吹く風で「自分の理論を理解して先に証明してくれるのであれば、むしろありがたい」と話をしていました。」
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/tamagawa-mochizuki-shinichi-san-no-suugaku.pdf
天才であり、完璧主義者の望月教授。無欲は大欲に繋がり、京大の自由で国際的な学風もあって、今回の成果が得られたのではないかと思います。ただし、米国で学んでいなかったら、この天才を我が国の教育制度で、ここまで伸ばすことができたか、論文出版に8年間もかかったことを思うと・・・疑問ではあります。
望月教授の偉業に敬意を表しつつ、改めて我が国の教育制度等を見直していきたいと思います。
なお、ダメ元と思い、「ABC予想」について、親交のある東工大の加藤教授の著書『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』(KADOKAWA 2019)1760円を購入して、勉強してみようかと思っています・・・。隣室の秘書からは「・・・」と無言。読後の感想は、多分ないと思いますが・・・