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  • 階猛

無恥と無理と無視-検察庁法の改正

新型コロナウィルス対策の専門家会議の提言では、①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という三つの条件が同時に重なる「三つの密」を避けることが強調されています。国会でも「三つの密」を避ける工夫がされていますが、国会の行政監視機能が弱まれば、政府が法律や民意に沿わない行動を取る危険が高まります。こういう時だからこそ、国会議員は精力的に活動すべきだと思います。

31日、期せずして衆議院法務委員会で野党側の筆頭理事に任命されました。本来であれば、野党第一党の立憲民主党の代議士が就くべき役職です。無所属の私が就くのは異例だと思いますが、任命された以上は、一般国民の視点に立って政府与党に主張すべきことをしっかり主張し、野党への国民の期待や評価が高まるよう、全力を尽くす決意です。

さて、「コロナ」の陰で見過ごしてはならない問題があります。検察官が役職定年や定年満了を迎えても、内閣の一存でその地位に留めることを可能とする「特例措置」を含む、検察庁法の改正案が政府から提出されたのです。この改正案には、「三つの無」があります。

第一に、恥知らずの「無恥」。昨年10月末の時点で、法務省は「特例措置」のない改正案を用意していました。しかし、東京高検の黒川検事長の定年後の勤務延長を認める1月の閣議決定が行われた後、「特例措置」を含む改正案に作り変えました。その理由として、森法務大臣は「法案提出まで時間ができたので、改めて見直した」と答弁。本当にそうなら、当初の案に欠陥があったことになり、法律のプロ集団である法務省として恥ずべきことです。

第二に、道理が通らない「無理」。仮に黒川氏の件と無関係に法案を見直し、勤務延長などの「特例措置」を盛り込んだのなら、法律が改正されてから適用するのが筋です。しかし、黒川氏の勤務延長の際に「特例措置」が事実上、先取りされています。その理由につき、31日の質疑で森法務大臣に尋ねましたが、黒川氏のためではないと言いながら、それ以外の合理的な理由を説明できませんでした。

第三に、検察の存在意義の「無視」。検察は犯罪を起訴する権限を独占し、それ故に権力からの独立性や公平性が強く求められています。「特例措置」が設けられれば、政権にとって都合のいい人材が検察の中枢に集められ、犯罪の捜査や起訴が政権の意向を忖度して行われる危険が生じます。今回の改正案は、検察の存在意義を無視するものです。

国民の自由と権利、そして安全を守るためには、「三つの密」と同様、「三つの無」も徹底的に避けなくてはなりません。

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