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3日間で188万本「どうぶつの森」に女性がドハマりするワケ 島で暮らすだけなのに…… 指原莉乃、ダルビッシュもガチ勢 - 河村 鳴紘

 任天堂のニンテンドースイッチ用ゲーム「あつまれ どうぶつの森」が人気爆発中です。ツイッターなどSNSでは、同作についての書き込みが絶えません。無料のスマホゲームも充実する中で、有料の同作に熱中するのはなぜでしょう。


2020年3月20日に発売されて人気を集めているシリーズ最新作「あつまれ どうぶつの森」 (c)2020 Nintendo

「自分だけの箱庭世界」が完成されていく

「どうぶつの森」シリーズは、言葉を話す「どうぶつ」が暮らす場所で、釣りや虫とりなど“スローライフ”を楽しむゲームです。未プレーの方からは「そんなゲームの何が楽しいのか?」というツッコミが来るわけですが、それは仕方のない話です。同作に熱中する知人(女性プレーヤー)らに同作の魅力を聞くと判を押したように「何だろうね?」と首をかしげます。

 ですが「百聞は一見(ワンプレー)にしかず」です。序盤から無駄がないなどゲームの完成度が極めて高い上、かつキャラクターも抱きしめたくなるほどキュートなのですから。そしてゲーム内で刻々と変化があり、自分だけの箱庭世界が完成されていきます。ここに、他のゲームにない高揚感を覚えるのです。

 最新作「あつまれ どうぶつの森」は、プレーヤーが手つかずの自然が残る無人島に移住し、自身でさまざまな道具を作り出し、島を発展させていきます。合わせて、島を訪れる仲間と交流する……という内容になります。

自由度が高いからこそ「先へ先へ」と進めたくなる

 まず島ですが、季節の流れや採取できるものが異なる「北半球」と「南半球」のどちらか一つが選べます。無人島らしく、(小さい)テント暮らしからスタートし、すぐローンを組んで自宅を建てることになります。なおローンは同作につきものの“風物詩”で、ファンの間でネタになります。……とはいえ、無利子&無期限&無催促なので、実質ローンでない気がします(笑)。

 そして、虫とりに魚釣り、花の世話、化石掘り、アイテム作りなど、できることがどんどん増えて自由度が高まります。もちろん、全部をやる必要はなく、自分が好きなことを好きなペースでやればいいのですが、どうしても「先へ先へ」と進めたくなるのです。

長くプレーする層を獲得した「どうぶつの森」

 なぜ「先へ先へ」とやりたくなるのか? それは同シリーズが元々、バイラル(口コミ)的な火の付き方をしたように、他人に勧めたくなる魅力を持つからでしょう。2001年に発売されたNINTENDO 64版は国内で約21万本を販売しました(ファミ通調べ、以下データも同様)。そのときの話題を受けて、ゲームキューブ版は約64万本と約3倍に成長しました。そして、ニンテンドーDS版は約524万本と考えられないような数字になったのです。

 また「どうぶつの森」シリーズは、女性のプレーヤーが多く、かつ長期的にプレーする傾向があることも知られています。ゲーム好きの男性プレーヤーは、次々出る新作を遊ぶ傾向にありますが、「どうぶつの森」は、殺伐とした世界とは無縁で、女性のハートをガッチリつかみ、長くプレーする層の獲得に成功しました。

 今回は、人気ゲーム「マインクラフト」と同じく、プレーヤーがアイテムを作り、島の地形すらも“改造”する「サンドボックス」と呼ばれるシステムを導入。さらに長く遊べるゲームになっています。“時間泥棒”と言えるかもしれません。

自分の世界を自慢したくなるし、他人の自慢も覗きたくなる

 そこまで思い入れがあると、自分の箱庭世界を愛で、SNSなどで自慢したくなるのは当然の流れです。さらに他人の自慢も、なぜかのぞき見したくなるのです。ツイッターで検索をしてもらえれば一目瞭然で、“ダブル自慢”のような不思議な流れになっています。

 分かりやすい例の一つが、ゲーム内で服を自由にデザインする「マイデザイン」です。過去のシリーズにもありましたが、今回は凝ったデザインができますから、センスの見せどころです。そしてさまざまな人気アニメ、マンガ、ゲームのキャラクター衣装が次々とアップされます。美術館で絵画を鑑賞している感じで、ただ眺めているだけでも、かなりの時間がつぶせます。

 そしてこれらのデータは、任意で共有できる仕組みになっています。お気に入りのデータを集めていけば、箱庭世界のち密さはさらに高まっていき、愛着が増す……という寸法です。多くのユーザーが、ゲームを勝手に“バージョンアップ”しているともいえますね。

コロナの影響で思わぬ遊び方も……

 箱庭世界の作り込みと“両輪”となるのが、通信を活用したマルチ(複数人)プレーです。ゲーム機とソフトを持ち寄って、至近距離で一緒にプレーするローカル通信と、インターネット通信(有料)の2種類があります。同じ島で一緒に遊んだり、上級者が初心者にアイテムを渡すなどの手助けもできます。

 オンラインで最大8人が集まる機能を生かし、新型コロナウイルスの影響で中止になった結婚式をゲーム内で挙行したという記事、ゲーム内で会議をするテレワーク企画の記事なども話題になりました。プレーヤーのアイデア次第でいろいろな遊び方ができます。

著名人をも虜にする最強ゲーム

 なお、ツイッターで「#あつ森(略称)」と打ち込むと、予測変換で「カブ」という(ゲームをしない人には)謎の文字が出ます。これはゲーム内の投機でして、日曜日ごとにアイテム「カブ」を買い、1週間以内に売り抜けるもので、うまくやれば大儲けできます。相場はプレーヤーごとに違うため、暴騰した「カブ価」の画像をネットで公開し、通信をして儲(もう)けさせる代わりにゲーム内のお金「ベル」やアイテムなどを“手数料”として取る“商魂”たくましいプレーヤーもいます。

 ちなみに、フリーアナウンサーの登坂淳一さんが、同作の画面を出してゲーム内の「カブ価」を、現実世界の株価のニュースに仕立てて読み上げる、ユニークな動画を公開、30万近い「いいね」を集める人気となりました。ゲームをネタに情報発信し、どんどん深みにハマるのが分かると思います。

 人気ぶりを裏付けるように、タレントの指原莉乃さんやプロ野球選手のダルビッシュ有さんなどの有名人が遊んでいることをツイッターなどでつぶやいています。記事やCMでは不可能な商品のイメージアップですね。ゲームを知らない人でも、好きな有名人が遊んでいれば気にならないはずはありませんから、これも売り上げアップに貢献しているでしょう。

 日本国内のパッケージ版だけで、3日間で188万本を販売(ファミ通調べ)したことに加え、ダウンロード版の売り上げも新型コロナウイルスの“巣ごもり”効果が見込めそうです。どこまで伸びるか予測できませんが、DS版で達成した500万本は最低でも届いてほしいところです。

(河村 鳴紘)

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