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「お肉券」「お魚券」が不評のなか……なぜ「消費税5%引き下げ」は封印されたのか - 「週刊文春」編集部

「消費税は全世代型社会保障改革を進める上で、必要な税だ」

 3月28日、2020年度予算の成立を受けて行った記者会見で、安倍晋三首相はこう明言。一時は心が動きかけた「消費税減税」を封印した。

 コロナ禍で経営環境が悪化する中小企業や収入減に苦しむ個人が続出。与党税調では固定資産税の減税や、法人税などの納付を一定期間猶予する時限措置の検討もすでに始まっている。


安倍首相 ©文藝春秋

 一方で、自民党の部会からは「お肉券」や「お魚券」などを配る案も浮上、不評を買ったのは周知のとおり。今、いかなる対策が必要なのか。経産省幹部が語る。

「昨秋、消費税を引き上げた際、景気対策としてポイント還元とプレミアム付き商品券を実行したが、10~12月のGDPはマイナス7.1%。効果はほぼなかった。(政府が4月にまとめる)緊急経済対策には目玉が必要です。09年のリーマン・ショック時に麻生政権では一人につき1万2000円を配りましたが、これも効果はなかった。そう考えると、消費税減税は有力な手の一つではある」

野党も与党も消費税率5%に賛同者多数

 野党からも声があがる。

「立憲の福田昭夫衆院議員や国民の岸本周平衆院議員、無所属の江田憲司衆院議員らが中心の超党派の勉強会が、消費税率5%を提案。表向きの賛同者は71人。名前は出さないで、という議員も約30人いて、100人規模になっています」(参加する議員の一人)

 与党からも、冒頭の首相会見の2日後、緊急声明が。自民党の安藤裕衆院議員らが中心となって、消費税の5%への引き下げや30兆円規模の補正予算を提案。こちらも100人規模の集団で、軽減税率の当面0%もあわせて提案した。実は、従前からのこうした主張を受け、14日の会見では安倍首相も「党の若手有志から、消費税について思い切った提言を頂いた」「こうした提言も踏まえながら、様々な可能性を想定し」対策を講じたいと含みを残した言い方で、「総理はネガティブではない感触だった」(同会関係者)。

 だが実は、この会の面々が会見前に直接首相に提言書を手渡そうと、同会の顧問で安倍首相と親交の深い城内実衆院議員から官邸に連絡すると、「今井尚哉秘書官に阻まれた」(同前)という。結局、28日の会見では冒頭の通りトーンダウン。さらに岸田文雄政調会長らが現金の一律給付を主張する中、安倍首相は今井氏の振付け通り、「中小事業者に新給付金制度を用意。生活に困難を来す恐れのある家庭に給付を実施する。ターゲットを置いて行う」と一律給付もシャットアウト。コロナ対策における「今井一強」は当分続きそうだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年4月9日号)

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